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お米に虫が発生する原因と予防・対処法
お米を長期間保存していると、知らぬ間に虫がわいてしまうことがあります。いざ炊こうと思ったときに虫を発見して驚いた経験がある方もいるのではないでしょうか。
この記事では、米農家でもある筆者がお米に虫がわく原因と予防法、そして発生してしまった場合の対処法について解説します。
突然の虫発見にも焦らないよう、しっかり対策を学んでおきましょう。
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お米に虫がわく原因
お米に虫が発生するのは、虫がどこからか侵入したためです。代表的な害虫として、ノシメマダラメイガやコクゾウムシが挙げられます。以下では、虫が発生する主な原因を3つご紹介します。
1. 米袋内での孵化
稲刈り前や貯蔵中に卵が産みつけられた米粒が、米袋の中で孵化することがあります。未開封の袋でも、室温が20℃以上になると1ヶ月ほどで孵化することがあり、予防が難しい場合もあります。
2. 通気穴からの侵入
小さな虫は米袋の通気穴から入り込むことがあります。また、小麦粉や乾燥食品にも虫が発生し、これらから米びつに移動するケースもあります。他の食品も含めて、しっかり密封し、衛生的に保管することが重要です。
3. 米袋を食い破る
驚かれるかもしれませんが、ノシメマダラメイガの幼虫はビニール袋を食い破って侵入することもあります。
ビニール袋での保存でも安心はできません。
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お米に虫がわかないための予防法
では、虫の発生を未然に防ぐにはどうすればいいのでしょうか?
以下の3つのポイントを抑えておくことで、虫がわかない環境を作ることができます。
1. 保存場所と温度管理
虫は湿度が高く、20℃以上の環境で活発に繁殖します。
そのため、15℃以下の冷蔵庫や野菜室で保管するのが理想です。
常温保存の場合も風通しが良く、湿度が低い場所を選びましょう。
特に夏場は高温多湿を避け、保管場所の衛生管理を徹底しましょう。
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2. 密閉度の高い容器に入れる
購入後すぐにペットボトルやタッパー、ジッパー袋など、密閉度の高い容器に移し替えて冷蔵保存するのが効果的です。これにより虫の侵入を防ぎ、さらにお米の劣化を防止して長持ちさせることができます。
お米は密閉度の高い容器で保存しましょう
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3. 虫除け対策グッズの活用
伝統的な方法として、唐辛子を米袋に入れると良いと言われています。
ただし、生の唐辛子は水分を含んでいるため、乾燥唐辛子を使いましょう。
唐辛子に含まれる成分は虫が嫌いな香りを発するといわれています。
使用量はお米10㎏に対して唐辛子5本程度。
中には混ぜ込まず、お米の上に置いておくだけでOKです。
唐辛子をそのまま置くのが心配な方は、ティーバックの袋に入れて置いておきましょう。
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ただし、持続期間の目安はおよそ1か月程度といわれています。
美味しいお米を味わうためにも、精米後1か月を目安に食べきれる量を都度購入するのがおすすめ。
他にもわさびやニンニクなども忌避成分を含み虫を寄せ付けない効果があるとは言われていますが、お米は食品の香りが移りやすい性質もありますので注意が必要です。
市販の虫よけグッズも活用するとより安心です。
お米に虫がわいたときの対処法
もしすでにお米に虫がわいてしまった場合でも、慌てずに対処しましょう。虫自体は人体に無害とされていますが、アレルギーの可能性もあるため、心配な方は注意が必要です。以下の方法で虫を取り除きましょう。
1. 天日干しで虫を取り除く
お米を風通しの良い場所で天日干しし、虫を逃がします。虫が目に見える場合は、箸やピンセットで取り除きましょう。
ただし、お米をあまりに直射日光が当たる場所で干したり、長い時間干しすぎると乾燥してしまうので、要注意です。 お米が糸で繋がっているものや、虫に食べられたお米がある場合は同時に取り除きましょう。
2. ザルでふるいにかける
干し終わったお米をザルでふるいにかけることで、目に見えにくい小さな虫や卵を取り除くことができます。
やり方は簡単。少量ずつお米をザルに入れて、軽くゆするだけです。
3. 水洗いする
お米を水に浸すことで、虫やフンが浮き上がってきます。何度か繰り返して洗うことで、清潔に食べることができます。
なおかつ、食べる前にお米を研ぐときには、いつもより回数多く丁寧に洗ってから炊きましょう。
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まとめ
お米の虫対策としては、適切な保管場所と温度管理、密閉容器の使用、虫除け対策グッズの活用が効果的です。
虫がわいてしまった場合も、正しい対処法を知っておけば安心です。
お米は私たち日本人の主食。
上手に保存して美味しいご飯を楽しみましょう。