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すいか通販|山形EDEN 就農物語⑨

すいか通販におすすめ!山形農家EDEN

代表の我妻拓也が担当記事です。
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独立就農して3年が経った頃、ある青年が”来年度からは笑伝で一緒に働きたい”と言ってくれました。
彼は以前妻の実家を手伝っていた頃に一緒に仕事をしていた一人。
僕が独立した頃から笑伝で働きたいと言ってくれていましたが、独立就農した頃は何とかギリギリ家族が食っていくのが精一杯で、人を雇用できる余裕はありませんでした。
農繁期の期間雇用のパートとしてなら人は必要になることもありましたが、彼は二十歳を過ぎたばかり。
これから社会人として未来ある青年です。
収穫期の忙しい時だけ来てくれ、とは言えません。
経営が軌道にのってからいずれは・・・と考えてはいましたが、具体的な事は明言できずにいたのです。

すいか直送農家になるまで
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そんな状況にしびれを切らしたのでしょう、彼はもう来年から一緒に働く覚悟で仕事を辞めた形で話に来たのでした。
就農2、3年間と言えば正直、なんとか生活している経営状況で給料をちゃんとだしてあげられるだろうかという不安の方が大きい。
でも、それでもとりあえずやってみたい!俺本当に頑張るのでお願いします!という青年を断ることはできませんでした。
実は、彼は過去にひきこもっていた期間があり、支援センターの就労体験から知り合ったという経緯があります。
接客業や違う業種を経験してみて自分には無理だったと話しており、これから農業分野でやっていこうとしている我々と共に働きたいと真剣に考えている。
人の雇用は時期尚早とは感じましたが、彼にとって社会人としてやっていくきっかけとやる気をつぶしてはいけないと素直に思いました。
それからは自分たちの生活を維持しつつも、一人分の人件費をさらに捻出するための資金調達は僕たちの最大の課題となりました。 青年給付金を受給しているため、農の雇用制度は使えない。
さて、どうする。

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妻はいろいろな情報を探してきて、クラウドファンディングの提案をしてきました。 クラウドファンディングとは、インターネットを通じて共感した人から出資してもらう資金調達の仕組みの事。
今となっては広く知られているクラウドファンディングですが、当時はあまり知られておらず、僕も全く知りませんでした。
しかし、これから農作業も本格的に始まるという春先でしたので、農繁期に入ると身動きが出来なくなってしまう!と駆け足状態で挑戦することにしました。 農地面積も作付け計画もほとんど決まってしまっていて、青年1人増えた場合にどのくらいの作業がこなせるか、売上はどのくらい伸ばせるか、初めての年は予測不能だらけ。 ワラにもすがる思いでの資金調達。

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皆様のご協力のおかげで、なんとか目標は達成することができました。
励ましや応援メッセージをいただいたことで、気持ち的に支えられた部分があり、本当に感謝しています。
そしてますます頑張らなければという気持ちも強くなりました。
季節的な仕事が大きい農家にとって、年間雇用の人件費は重くのしかかってくるもの。 人を雇って農業経営をすることは、なかなか難しいことですが、我々は皆様のおかげで最初の一歩を踏み出すことができたと思っています。 その後は経験を重ねながらトータルでできる仕事量も把握できるようになり、それに見合った規模拡大も図れるようになりました。
そして、年間での仕事量も確保して経営基盤を整えることができるようになってきました。

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当初はなかなか想像がつきませんでしたが、2人から3人に増えたら、できる仕事は1.5倍ではありません。
2、3倍・・いやそれ以上。
それは失敗も経験しながら作業効率をよりよく改善して仕事に取り組み、一年一年ステップアップしているからだと思います。
以前ならば妻は育児のために切り上げなければならず、1人で作業する事になっていた時間帯も、20代の青年と一緒に作業する事で倍以上面積がこなせたり、半分のスピードでこなせたり、農作業においては本当に若い力は即戦力となりました。
そして今、いかに青年がやる気をもって仕事に取り組めるようになるかを考えながら僕は作業に取り組んでいます。
自分たちはもちろん、一緒に取り組む若い人達が楽しみながらやりがいをもって取り組める農業をやっていく事が、未来の農業を支えるためには大切だと感じるからです。
まだまだこれからですが、給与や休日に関しても働く側の声を聞きながら、少しずつよりよい環境を整えられるように努力していきたいと思っています。 待遇や条件が悪くても「農業だからしょうがない」という逃げ道を少しでも減らして、これから社会人として働く人々の職業選択の一つに農業が思い浮かぶような体制作りが、今後は必要なのではないかな、と僕は考えています。

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続く。

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