すいか通販|山形EDEN 就農物語⑧
すいか通販おすすめ|山形EDEN 就農物語
※我妻飛鳥が担当記事です。
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夫婦二人で独立就農してから、人生で一番お金に困っていたと思います。
前の年まで夫は月給制の給与をもらって私の実家の農家を手伝い、その後に独立。 夫婦で当時の青年給付金(現在は農業次世代人材投資資金となっている)を受けさせてもらい新規就農したわけですが、そこからの生活は状況が一変。 給料ゼロだから、毎月の生活費もかからない♪
・・・なんてことはなく、毎月かかる生活費。
家計をやりくりしている私としては、あっという間に減っていく預金口座の数字に恐怖心を抱えながらも、農業の必要経費もどんどんとかさんでいく衝撃は大きいものでした。
小屋はもちろん農具も農業資材も何もないゼロからのスタート、結構いろいろお金がかかります。
補助金申請をしてから実際に一部の金額を手元にいただけるのは6月(当時は)。 そこからまた農作物が売れるまではゼロ収入。
青年給付金は当時の私たちにとって大変ありがたいものでしたが(なかったら今まできっと存続不可能)、受けていても本当に資金繰りは大変でした。
前年度の所得に応じてその年の国民健康保険税は異なって決ますが、収入がない就農直後からの家計にとって、毎月支払わなければならない月々の国民健康保険料も大きな出費の一つ。
そして夫婦で二人とも国民年金となったら月々の年金保険料だけで三万越え・・これまた大きい出費となっていました。
それまでは会社員として私自身も社会保険で子供たちを扶養にできていたし、給料から差し引かれていた厚生年金は特にあまり負担に感じることはありません。
それからの無収入期間に毎月払う、こういったお金はかなり家計への負担が大きいものでした。
そして、農作物の収穫時期、野菜を売って収入が入ってもそれまでに購入した必要経費の代金支払い等であっという間に羽ばたいていく。
溜まるのは不安とストレスばかりで、 手元に残るものはほとんどない。
本当にそれが現実でした。
出産、就農してから育児、家事に農作業。
どれもエンドレスに毎日終わらないものばかり。
時間がない!余裕がない!休みがない!お金もない!!
なーんにもないじゃないかー!! (心の叫び)
精一杯仕事してくたくたでも、家帰ったら当たり前のように出されたご飯食べてお風呂入ったらすぐ眠れる。
お父さんはそうできるかもしれませんが・・・
お母さんである女性はなかなかそういかない。
仕事してくたくたなまま保育園お迎え行って帰ってからが忙しい。
授乳してご飯出して片付けて洗濯に掃除にお風呂に寝かしつけetc・・○×※▽◆!!
家計も必死で切り詰めてピリピリ。
就農直後は、こういう水面下での家の中での大変さが理解してもらえず(それが一番ツライ)、 夜中の授乳で寝不足のままだろうが、ご飯食べる時間もなかろうが、私は農作業のダメだしばかりされる始末。
気の休まる余裕も、休まる場所も、休まる時間もない。
本当に、なーーーーんにもない!!!(心の叫び2回目)
おかげで、農業に苦手意識を持って農業界に飛び込んだ私、ますます農業なんて大嫌いだ――――!!と心底感じていました。
当時のブログも面白いほど愚痴ばかり(笑)。
でも、この時一年目のどん底で失うものはあとなんにもない!という経験をしてからは、神経もだいぶ図太く鍛えられました。
その後は経過年数と共に自分の農業経験も増えていき、子供たちも成長するにつれて自分でできることも増えてきて、毎年「去年よりきつくない!」と思えるようになったし、多少ツライ事があっても「一年目よりはるかにマシ!」と思えば大抵のことは乗り切れるようになりました。
あんなに大嫌いだった虫とも今はお友達に!
・・・は、さすがになれていませんが、だいぶ免疫はついてきて無心に作業をこなせています(笑) 未熟者なりにも毎年少しづつ経験を重ねることで、前よりも心の準備や覚悟を持って農繁期に挑める。
これだけでもすごく心構えが違うと思います。
離乳食時期を駆け抜けて今は子供たちも野菜が大好き。
うちの野菜だとなおさら美味しいー!と喜んで食べてくれるので作り甲斐もあります。
さらに、休みの日は部分的にだけれど一緒に種まきしたり、収穫したりすることで、子供たちはさらに美味しく感じるようで、「これ、私が植えた(とった)んだよね!?」などといいながら、会話も弾むことが多くなりました。 経験値を積んで、ちょっと農業アレルギーが治り始めたのはこの辺りかもしれません。
続く。
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