「俺、東京でタクシードライバーやるねん」~関西から乗務員、新卒採用、そして未来は?~
ご乗車ありがとうございます。日本交通㈱新卒採用担当です。
2023年4月、新卒で入社した関西出身の社員が、同じく関西出身の新卒先輩社員に、第1弾・第2弾に分けて、対談インタビュー!
第1弾はコチラ
執筆を担当した社員は、入社時点でまだ1種免許を取得したばかり。まだ2種免許を取れないので内勤の仕事をしながら、これから乗務員になるための研修を受ける予定で、とても不安に思っていました。
そこで、仕事の合間に先輩社員に乗務員時代の体験談を聞いていたときに「どうせならこれをnoteの企画にしませんか?」と提案したところから、この企画は始まりました。
どうして東京のタクシー乗務員になろうと思ったのか、実際はどのように働いていたのか、ということを、学生さんにかなり近い立場からバリバリの関西弁で聞いてきました!
第2弾は、この方!
執筆担当人事が学生だった時、入社までのサポートをしてくれていた方です!
話を聞いた先輩人事:
神野
インタビューをした後輩人事:
B
はじめに
B 本当にありがとうございます!
神野 いえいえ、とんでもないです。こちらこそ。
B めっちゃ嬉しいです。えーっと……。
神野 緊張してる? (笑)
B 緊張してますよ、そりゃ! 元々担当リクルーター※の方だったので。(※担当リクルーター:内々定をお出しした学生さん1人1人に付く、意思決定や入社までのサポート役人事)
就職活動について
B 神野さんは兵庫県出身やと思うんですけど、元々関西で就職する考えだったんですか?
神野 そうだね。東京でちょっと働いてみたいな、っていう気持ちもなくはなかったけど、最初は関西しか考えてなかったぐらい。
B 関西に愛着があったから?
神野 そうやね。地元を離れたくないし、関西の方が楽しいと勝手に思ってた。それに、東京って絶対冷たいし、おもんない奴らしかおらんし、絶対自分と合わんって偏見で思ってた(笑)
B それが、なぜ日本交通に?
神野 日本交通=東京って思ってたし、今でこそ大阪にも新卒を配属してるけど、俺らが入社する時(2020年)は、今と違って配属先が基本東京だけやったし、この会社に入るならそういうもんって認識だったな。
それに、会社の規模がどんどん大きくなるってときに、まずは東京でやり始めてそこから広がっていく、と聞いた時に、じゃあ、先を行ってる東京ではどんな風に働いてるんかなっていう興味もあったし。現場を経験するんやったら、東京でやるほうが色々経験できそうだなと思った、という感じやな。
B 実際に東京で働いてみて、どうでした?
神野 すごく面白かったし、これから先も仲良くやっていけるんやろうなって同期にいっぱい会えた。就職活動の時は、なんでしょうもないことを考えてたんやろって思うな。
東京に来てもいっぱい帰省できてるし、帰省するたびに友達とは会ったり遊んだりしてて、全然疎遠になったわけでもない。
お休みの使い方について
B 乗務員時代はどんなスケジュールで働いていたんですか?
A 隔日勤務(※)って、1乗務が日をまたぐから、次の日の朝に仕事が終わることになるんやけど、家に帰ってから夕方くらいまで寝て、夜にライブや飲みに行って、次の日が休みなのは楽やん。次の日が休みじゃないと余韻にも浸れへんし、夜遅くまで飲まれへんし。
B そういうことはかなりありました?
神野 全然ある。乗務員になってから1年経ってコロナの影響が落ち着いてきてからは、ライブに行きまくってた。
同期と仕事終わりに、寝ずにそのまま飲みに行くこともあった。昼からやってる居酒屋は貸し切り状態でよかったね。
B 慣れるまでは大変かなとは思うんですけど、どのくらいで慣れましたか?
神野 俺の場合は結構早かった。大学の時から、夜更かししたり夜にドライブしたりしてたから、夜の運転も、正直そんなに疲れへんかった。1か月経たんくらいで体は慣れたな。
乗務中の休憩について
B 乗務中の休憩は、どうやって取ってました?
神野 3時間おきくらいに15分くらい休憩を挟んでたんよね。
B 休憩はコンビニとか?
神野 そうやね。おなかが空いてたら軽く食べて休憩して、を15分休憩でやってた。でも厳密に時間を決めてたわけじゃなくて、例えば、18時に休憩する予定やったけどお客様がいっぱい乗ってきたな、っていうときは、20時くらいにまとめて30分とるっていう感じで自由にやってた。
B 休憩を取っていい時間の累計が3時間とは聞いたんですけど。
神野 3時間以上は取ってね、って言われる。俺みたいに「休憩あんまりいらんな」みたいな人は、その時間すらもったいない日もあるのよ。体力元気すぎて。
B 夜ごはんは基本コンビニで買って、みたいな?
神野 コンビニ、牛丼、ラーメンが多かった。日本交通のインスタグラムの投稿にもなってたけど、乗務員に人気の食べ物ランキング、牛丼とラーメンがそれぞれ2位1位やった。
運転について
B 私も1月から研修に行くんですけど、不安でしょうがないんですよ。神野さんは関西でも運転はされてたんですか?
神野 めちゃくちゃしてた。ほぼ毎日乗ってたな。
B じゃあ運転に不安はなかった?
神野 まったくなかったね。でも不安がってる同期はいっぱい見てきたし、めっちゃ運転に自信ある俺の方が珍しいよ。でも、東京の道を運転してるわけじゃないから、そういう意味ではちょっと不安やった。
B 関西と東京の道って全然違うんですか?
神野 乗務してみて思ったけど、そんな大きな違いはない。大阪はすごい車線がいっぱいある一方通行とかあるけど、逆に東京でそんな大きい一方通行は見たことはないし。
東京もでかい車線はあるけど、車線変更とか一方通行とかは、大阪の方が大変。東京は東京で、道路標識の指示事項が多いのが大変かな。
B それって、慣れるんですか?
神野 運転に慣れてたら周りもよく見れるようになるよ。東京の道に慣れてなかった俺でも違反はしてない。指示事項は道の分かりやすい場所に書いてあるし、ナビにも表示が出るから、注意深く見て運転すれば大丈夫。
地理について
B 地理に不安は?
神野 不安すぎた。地方勢の一番は地理よ。運転は、不安でも大丈夫。めっちゃフォローしてくれるから。同乗研修(※助手席に教育係を乗せながら、実際にお客様をお乗せする研修)が5日ぐらいあって、1日200~300kmくらい走るから、研修だけで1000kmは走るのよ。だから運転は大丈夫。
地理よ、一番苦労したのは。
B どう苦労したんですか?
神野 地方勢の人はよくわかると思うんやけど、六本木とかは聞いたことあるし、一回行けば覚えやすいけど、こっちに来てから知る土地だらけなわけで。洗足駅? どこ?みたいな(洗足の方、すみません)。
そういう点では、関東に住んでる人と差はあるかも。まず、道路とか建物とか駅とか、行き方の前に名称を覚えないといけないしね。
関西勢は覚えないといけないことが多いっていうのが印象的かな。
B どうやって覚えていったんですか?
神野 早く慣れたいから、最初は分からないことを周りに聞きまくって業務外でも勉強してた。同期にそんなことするんやって言われてたけど、仕事終わった後に、Googleマップ上で今日行った場所にピンを刺してた。
2回連続で東京駅に行ったな、みたいな場合は、もうピンを刺さんでも場所は分かるから、お乗せした場所にピンを立てて、こういうところでこの時間は、東京駅に行く人が多いのかな、みたいなのを考えながら見て、メモも取ってた。
同乗研修をしてくれた人が、めっちゃ営収の高い中途のおじさんで、その人が「最初分からないのであれば、お客様がどこで乗ってどこで降りて何円で、みたいなメモを取ったほうがいいよ、通った道も出来れば書いた方がいい」って言ってくれて、最初は真面目にそうしてた。
3か月くらいしてると覚えてきて、地方出身の他の同期と比べると、覚えてる方なんかなって思ったし。道が分かんないことでお客様からお𠮟りを受けるのも悔しいし、ここは最初だけ頑張ったら後で楽になると思って、頑張りましたね。
B 道が分からないことで怒られることってありましたか?
神野 それは正直少なかった。けど、中途半端に「多分こういう道やったよな、前もこうやったし行けるやろう」と思って「大丈夫です、行けます」って行って「いつもと違う道なんだけど」ってお叱りを受けることはあったな。
ただ、お乗せして開口一番「申し訳ございません、新人でございまして……」って言って「なんでやねん!!」って怒られることはなかった(笑)嫌な顔されることとかはあったけど、少ない。
B 慣れてきた時の方が?
神野 怖い。でも、3か月くらい経つと怒られる回数が減ってくるんよ。堂々としてくるんやろうし、言い方とかも変わってくるんかな。「葛飾のタクシーで、この辺は初めて来て分からないんですよ」みたいな言い方やと「新人で……」って言うよりも「じゃあ仕方ないね」って教えてくれることも多かった。
大変だった思い出
B 一番大変やった思い出は?
神野 3か月目くらいの頃に、大きめのT字路で、T字路の邪魔にもならん、どこへでも向かえるようなところで停まったんよ。
そしたら、お客様に「いつもと違うところに止まってる」ってお叱りを受けて、「すみません、じゃあUターンしますね」って言ったら、またもお叱りを受けて(笑)
B どうしてなんでしょうね……?
神野 もうちょっと深く謝れば違ったのかな。そういう人は少ないけどいる。でもそれくらいかな。がっつり怒られたこと、あんまりないんよね。
ゴールド乗務員について
B ゴールド乗務員ってどのくらいでなったんですか?
神野 同期の中で第一号くらいの早さでなったんよ。大きい事故・違反やクレームがない人は、講習会を受けられるようになるんよね。で「うちの蔦交通からは、神野はまず文句なしで行けるから」って。
B え~!!
神野 入社して最初の1,2か月はコロナ禍で乗られへんかったから、5月くらいから同乗研修を受けて、独り立ちが6月くらいで、ゴールド乗務員になれたのも、次の年の6月くらい。これは唯一自慢してるところ(笑)
B ほんとにすごいと思います! 事前に、1年経ったらゴールド乗務員の講習を受けられるっていう話はあると思うんですけど「自分やったらいけるな」と思いました?
神野 何も意識してなかった。普通にやってたらいけた。
B 他に蔦の同期で最速でいった方っていたんですか?
神野 いや、それは俺だけやな。
B すげえ!! ゴールド乗務員になってから、何か変化はありましたか?
神野 大きく変わってはない。ただ、ゴールドを指定して呼ばれる場面は増えたかな。料亭とか接待の場に呼ばれるようになった。
B 無線センターにいたころ、黒指定(※ゴールド乗務員を指定するご注文)のお客様のご注文はよくお受けしました。
陣痛タクシーについて
B 陣痛タクシー(※事前に妊婦さまの情報を登録いただくことで、陣痛時にお客様を病院までお送りするサービス。)をめっちゃ経験したって聞きました!
神野 めっちゃ経験したよ!2年間でダントツちゃう?(笑)やりがいには感じて嬉しいけど、緊張するやん、もうちょっとで産まれるかもしれない方たちで。絶対に事故を起こしたらあかんし、素早くは着いてあげたいし、でも乱暴な運転は絶対あかんし。
楽しかったことについて
B 印象に残っている楽しかったことはありますか?
神野 毎回違う方が乗ってくるし、話しかけてくれる方もいるし、それは個人的に楽しかった。
知らない方の経験談とかアドバイスとかも、聞く分には面白かったし、それが、毎回違う方っていうのが面白かった。俺が関西人やからかなって思うのは、東京でも結構関西の方もいて、なんでか知らんけど、乗ってきた段階で言われんのよ、たまに。
お客様が乗られて、こちらが名乗って「かしこまりました」とか言ってるだけやのに「お兄ちゃん、関西?」みたいな。「俺も関西人やねん」みたいに言われて、盛り上がるのはめっちゃあった。
B すごく遠くまで行ったことはありました?
神野 そんなにないね、茨城県くらいまで。
B 成田空港行ったことありますか?
神野 一回もないんよ、すごくない? 逆に。同期は成田空港行ってた人もいたみたいやけど、俺だけ行けなくて「成田空港行ってから新卒採用行きたいな」と思ってたのに、最後まで無理やった。なかなかいないんちゃう、そんな人も。
キャリアチェンジについて
B 新卒採用をやるということは、入社前から考えてたんですか?
神野 全く思ってなかったかな。どっちかっていうと、なりたいのは観光タクシー※やったし。(※観光タクシー=EDS(エキスパート・ドライバー・サービス)®の1つ。)
コロナ禍で観光需要が少なくなってるっていうのと、普通の乗務員が楽しいのとで、次第に薄れていったんやけど。自分の担当リクルーターだった人と喋ってると、こういう人事の仕事もいいなと思うことはあったから、もし声がかかったら、挑戦したいなと思って入社はした。けど全然行けるとも思ってなかったし、めっちゃ行きたいとかでもなかった。
B いつからリアルに考え始めましたか?
神野 当時※、キャリアのことを聞いてくれるアンケートの、新卒採用の欄にチェックを付けた時かな。(※現在はWebで実施)
その理由を書きなさい、みたいな項目があって。その時、入ってくる後輩にも関西の人って全然少なくて、結構おもろいねんけどな、東京とか関東以外の人にも入ってきてほしいな、って偉そうに思ってて。
それ、自分やったら伝えられるんちゃうんかなって思って書いたんよね(笑)
B 私はすごく助かりました。神野さんが担当で。私は住む場所とかも分からなかったので、それを関西の方に聞けたのはかなり大きかったです。
新卒採用でのやりがいについて
B 新卒採用のやりがいは、やっぱり関西の学生さんが選んでくれる、みたいなことですか?
神野 それは嬉しいな~。関西出身で、面談付きの説明会に来てくれた人が、「あのとき説明してくれたのが神野さんで、面談してくれたのも神野さんで、最終選考も応援してくれたし、東京の本社の方に行ってみたい」って、関西から東京の本社の方に来てくれて。
それを知ってたから、俺も出社して挨拶して。その人の担当になって、承諾もしてくれて。「最初の出会いが神野さんやったから決めたんですよ」って言われると、めちゃくちゃ嬉しいよね。
B めっちゃいい話ですね!
神野 1年半前くらいに新卒採用に来て、23卒学生から担当するようになって、自分の元担当が成長して、最近の状況を教えてくれるっていうのはまだ経験してないから、これからそれがやりがいになっていくのかなって。……ね?(チラッ)
B 頑張ります!
神野 うそうそ(笑)働きやすいように働いてほしいし、頑張ってほしいなっていうのは思ってます。
B これからも新卒採用にいる予定ですか?
神野 うーん、この部署にきて何か出来たかっていうとまだ何も出来てないし、周りもすごいから、もうちょっと頑張りたいなって思うけど、また声がかかったり、自分がどこかの部署に行きたいなって思ったりするようになりだしたら、そこで頑張りたいなと思うけど。
ゆくゆくは関西に帰りたいなと思ってる。俺が関西に帰りたいと思ってる人の実例になれたらいいやんって思う。逆も来てほしいね、大阪配属で運行管理者になった人が東京にくる、とかも面白そうやし。
さいごに
B 関西の学生さんに一言お願いしたいです。
神野 大前提、東京とそれ以外の地方のタクシーって、全然違うと思ってて。進んでる具合が違うなって思うし、東京だと若い人も意外とおるなって思うし。
タクシーの運転手さんって、めっちゃ喋ってくるし、おじさんばっかやし、たばこ吸ってるし、目的地が近かったら文句言われるし、みたいなイメージが強いと思うんやけど(笑)
業界の最先端を行ってる日本交通やからこそ、東京のタクシーも1回は見てほしいなって思う。自分も、実際に見てイメージが変わったから。
地方から東京に出るのは結構勇気がいると思う。でも、どんな仕事をしても最初は大変で不安なことだらけやから、その点は東京でも関西でも変わんない。
逆に、地方勢という強みを活かして、乗務員を頑張って、会社がどんどん大きくなったら、そこからのキャリアチェンジで、活躍できるチャンスが回ってくることはまだまだある。
企業のうたい文句で、若手が活躍するっていうのはよく聞くけど、日本交通が一番当てはまると思う。関西の人にも来てほしいし、関西じゃない人にも来てほしいなと思ってる。
一緒に盛り上げて、どんどん大きくしていって、貢献して!(笑)日本交通はキャリアが決まってる、というよりは、構築できる可能性がある会社だから、地方の人もチャンスがあるし、いつか地元で日本交通での経験が活かせるかもしれない。
なので、地方の方、入社待ってます! 一緒に頑張りましょう!
取材協力:新卒採用・神野
Text , Interview:23新卒B