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人事と学生ではない、人と人だからこそわかることがある
ご乗車ありがとうございます。日本交通(株)新卒採用担当です。
企業によっては早期選考などが始まっているため、面接対策に取り組んでいる学生さんも多いかもしれませんね。日本交通も現在、26卒学生さん向けの早期選考を実施中です。
そこで今回は、日本交通の一次選考面接官に直撃取材。日本交通の選考スタンスや採用の背景について伺いました。日本交通の選考を受けようと思っている学生さんは、ぜひ選考前の予習としてご活用ください。今回はシリーズ第2弾です。
今回お話を聞いた人
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日本交通が新卒採用を始めた理由
タクシー業界そのものが変わっていく中で、日本交通はリーディングカンパニーとして業界を牽引しています。近年のDX化(アプリや自動運転など)に対応するため、そしてタクシー乗務員が高齢化している課題に歯止めをかけるため、新卒採用を始めました。
日本交通が新卒採用を始めて変わったことは?
私も入社当初(2018年)は乗務員をしていたのですが、新卒である事をお客様によく驚かれました。「30年前くらいのタクシーに比べると、フレッシュだし接客も丁寧だね」と。昔は乗務員の「かしこまりました」もなかなか聞かない時代だったと言います。「若い人が入ってくることで、乗務員全体の接客の質や雰囲気が変わり、それまでのタクシーのイメージがガラリと変わった」と上司からよく聞きました。
日本交通新卒採用の最終目標
新卒の採用市場の中でタクシーを”普通の選択肢”にしたいです。今だとまだ”珍しい選択肢”と捉えられがちなのですが、実は新卒のファーストキャリアとして、やりがいやチャンスがたくさんある業界だと思っています。だからこそ、働きがいや価値観で選ぶことを当たり前にしていきたいです。
欲を言えば「小学生のなりたい職業ランキング」にいつかタクシー乗務員をランクインさせたいのですが(笑)、その際も「皆の憧れの職業だから」というネームバリューでなく、実際の働き方や会社の魅力を知った上で選んで欲しいと思います。
日本交通新卒採用の目的
いわゆる”就活生”の皮をまとってこなくてもいいよ、と言いたいです。就活をやっていくといろんな情報が入ってきて、真面目な人ほど真に受けてしまうんですけど……。
たとえばアドバイスをする人にも立場があるので、良くも悪くもあなたに「こうしてほしい」という意図が含まれるんですよね。
それが親御さんなら「我が子にはこうなってほしい」という期待かもしれないし、学校のキャリアセンターなら「卒業生の就活実績をよくしたい」という思いかもしれない。就活エージェントさんなら「どの企業に何人の学生を紹介する」というノルマや評価基準がある中でお仕事をしているかもしれない。
いろんな意図や利害関係がある中で、自分の人生を他人の言葉通りに委ねるのは少し違和感を覚えませんか。そのアドバイスが”もっとも”な言葉に聞こえても、実際にその選択が自分の人生に合うかどうかは、自分にしか分かりません。他人の評価軸で自分の人生を決めると、ミスマッチが生まれてしまうでしょう。
つまり、就活は自分の人生を自分で決めるプロセスと言えます。自分で決めるということはその決断の結果に自分で責任を取るという事です。勇気の要る事かもしれませんが、自分の幸せを自力で選び取れるのは良いことだと思います。
だからこそ、日本交通の選考では、あなたの決断の軸はどこにあるのか、どんな物事に価値を見出し、心を動かすのかを引き出していきたいと思っています。
日本交通採用でやってみたいこと
突然ですが、私には「推し」がいます。私が「日本交通に入社する」という意思決定をしたのは、推しの存在があったからと言っても過言ではありません。そのくらい、推しは人生の指針になるような特別な存在なんです。
皆様にも、そんな”自分にとっての特別な何か”があるのではないでしょうか。人生の中で大きなウエイトを占めている活動や、大事にしてきた人たち、守っていきたい場所などなど。日本交通には、そんな風に「自分の大切なもの」を大事にしながら働いている社員がたくさんいるんです。
人間、立場が異なると言葉や態度も変わってくるものです。例えば、”上司と部下”、”乗務員とお客様”、”採用担当と学生”などなど……。両者には一見超えられない壁があるように思えますが、「自分にとっての大切な何か」、例えば……共通の「推し」を持つ人同士が言葉を交わすと、それまで横たわっていた壁が嘘のように消える瞬間があるんですよね。熱量をもって同じ誰か・何かを愛している人同士だからこそ伝わる、共通言語のようなものがあるのだと思います。
そうなるともう、そこで熱い会話を繰り広げるのは”肩書や立場で語られる関係性”ではなく、”同じものを愛する人と人”になるんです。私はもう、この瞬間がとても愛おしくてたまらないんです。
これは「推し」に限った話ではありません。私が採用担当として、学生さんと対峙した時に、お互いに共有できる「大切なもの」に触れあって、”就活生の皮”から脱皮した学生さんと心を通わせられるような採用の在り方が一番理想的だと思います。そして、入社後にはそんな先輩・後輩の関係性を築いていきたいと思っています。
その一歩として、内定者交流会「推しフェス(※)」を開催したり、プライベートに重きを置く就活生のための「ライフデザイン説明会」を新設したりしています。ここからもっと発展して、日本交通で仕事を頑張りながら自己実現をしたり、大切なもののために新しい働き方を生み出したり、誰かにとっての大切な価値観をもっとオープンに、多様な形で尊重していける会社にしていくことが、私が日本交通で成し遂げたい事の一つです。
※推しフェス…日本交通の内々定者限定イベント。「社会人になっても推しを推し続けたい」という方に向けて、趣味と仕事を両立するための「時間」と「お金」の使い方を考えるワークショップを行う。各自の推しのプレゼン大会も。
乗務員経験が活きているなと思う瞬間
就活生時代を振り返ってみると、正直「社会に出て社会人をやる」というのはしっくりきていませんでした。でも乗務員の働き方を知ったときは不思議としっくりきたんですよね。働き方や給料が明確なので、自分にとって働く想像がしやすかったんだと思います。
思えば私は学生時代の方が忙しかったです。自費で留学をするために奨学金を取得する必要があって、かなり”真面目に”勉強をしていました。時間とお金に追われていて、留学のための事以外には目もくれず、結果として将来に対しても漠然としたイメージしか持てないようになっていたんです。
でも、日本交通と出会って、運転と接客がうまくなっている自分の姿がはっきりと浮かんできました。
タクシー乗務員は自分の頭で戦略を立て、自分自身で売り上げやお客様からの評価に責任を持つ個人事業主のような働き方です。「日本交通」という会社の看板を借りながらも、”個”として社会と密接に関わりながら働くことができます。日本交通の理念をしっかり捉えていれば、プロセスは自分なりにカスタマイズできるので、自分の頭で考える力が鍛えられました。経験が浅い中で採用担当にチャレンジする事になった時も「まずはやってみよう」という根性がついたと思います。
人と向き合う事も学ばせてもらいましたね。会社をパンフレットだけ見て選ぶ人はいないと思います。人が伝えることで初めて伝わることがある。採用担当として働く中で、人や社会が変わっていく瞬間に立ち会える事は、かけがえのない貴重な経験です。また、女性という立場だからこそ伝えられる事もたくさんあると思っています。私がこの会社で働く意味を、これからも追求し続けていきたいです。
就活生へのメッセージ
就活を始める前、会社というのは”無機質でシステマチックな組織”というイメージがありました。でも、実際に会社に触れてみたときに、意外と人力だな、人間の血が通っているなと感じたんです。
工場のレーンのように、仕事をマニュアル通り捌いていくのではなく、社員一人ひとりが本気で考えて仕事を創っている。その光景を見て、「社会人も人間なんだ」という当たり前の事を知りました。その考えに至ってからは就活が楽しくなりましたね。
そして日本交通と出会ったとき、この会社は「自分が一番自分らしくいられる」場所だと思ったんです。その理由は……ぜひ、あなた自身の目で確かめに来てください。「就活では背伸びをしなきゃ、良い自分をアピールしなきゃ」と思っている方にこそ、日本交通の選考に来てほしいです。ありのままの自分を見つけるためにも。
就活の正解は100人いたら100通りあります。今私が話している内容もあなたに当てはまるとは限りません。就活を通して受け取るいろいろな情報は、自分自身で取捨選択してほしい。「自分にとって最良の選択を掴み取れるのは、自分だけ!」そんな風に思っていてほしいです。
Interview:S.Sakamoto
Text:To Be