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【読書記録】毒親サバイバル

おすすめ度 ★★★☆☆

前回「親といるとなぜか苦しい」を読んで、そんなひどい親いるんか?と思ったので借りてみた。結果、想像を上回るひどい親のオンパレードだった。

数年前から毒親、という言葉をネットで見かけるようになったが、流行語あるあるで、使われすぎて中身が薄っぺらくなっていると思う。
子どもが親を批判するため、自分の被害者意識を膨らますために使ったり。
といって、「そんなのは毒親じゃない、お前はまだ甘い」みたいな毒の強さ合戦になるのも違和感がある。要はあまり好きな言葉じゃない。

でも、この本の親はどこからどうみても毒親だった。
完全なる虐待で、子どもの心も体もボロボロにしている。本当にひどい。

本には11人の事例が書かれているのだけど、ほとんどが今でも何かしらの生きづらさを抱えている。
親が亡くなっていても、絶縁していても、本人が前向きに生きようとしていても、完全にめでたしめでたしにはならない。
ライトなタッチでかかれた可愛いイラストから、ひしひしと絶望とか怒りとかやるせなさが伝わって、読んでいるこっちも同じ感情にゆさぶられる。
どうして子どもがこんな目に合わなきゃいけないんだ。


どの話にも共通するのは、子ども時代は「自分が普通」だと思っているところ。

子どもにとっての普通は、いつだって家族が基準
だから家がおかしくても なかなか気づくことができないのでしょう

親は殴るものだと思っていた子は、友達が「お父さんもお母さんも好き」といっても「なんでそんな嘘つくんだろう?」と思ったり、ほのぼの家族ドラマはフィクションだと思っていたり。
歪んだ「普通」は、なかなか変わらない。


家族というものは子どもにとっての基準を与えてしまうものだ。いまだに夫と話をしていてお互いの「普通」がズレていてびっくりすることがある。20年以上一緒にいてもなお。

私の子育てだって「普通」ではないことも多々ある。というか、普通なんてないよね。人それぞれだしね、とも思う。

人の子育てをみて「え〜?それはないでしょ」と思うこともあるし、普通や常識のそれぞれの違いに戸惑ったりイライラすることもある。
逆に、私もそう思われることはあるんだろう。
それぞれの違いを許容できる、心の広さが欲しいとも思う。

それでも!
人それぞれだからといって、開き直って何をしてもいいわけではないし、この本のような親は許せない。

はー、子育て、難しい。正解が見つけられない。
とりあえず、よくも悪くも、親としての自分が持っている影響力の大きさをちゃんと意識していこう。



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