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学校で教えて欲しかった「生理前の話」

大人になってから困りごとについて調べていると、ちょくちょく「これ、学生の頃から知っていたかったなぁ」なんてことがある。その最たるが身体のこと。

特に月に一回直面する問題が、「生理」。

Twitterなんかを見ていても、だいたいみんな月に一週間くらいうんうん唸ってる時期がある。症状の出方は様々で、「吐き気がして動けない」という人もいれば「ちょっとお腹が重い」という人、「腰が痛い」「頭が痛い」「別になんともない」まで本当に幅広い。

わたしたちが「生理」に初めて直面するのは、だいたい「小学生」の頃だ。なにも知識がないままある日突然、っていう子もいれば、授業で初めて知るという子もいる。そのまま小学生の間は生理が来ず、中学生くらいになって始まる子もいる。学校の授業で知る「生理」は、女子だけ集められた部屋で「赤ちゃんを産む仕組みとして生理があること」「ナプキンの使い方」「ナプキンを扱う際のエチケット」くらい。ナプキンのサンプルをもらって、教室に戻ると男子が「なにもらったん?」なんて訊いてくるのに「お菓子もらった」とか、わざとふざけて答えたりしてた。

私が学生の頃は、中高生になっても、保健体育で扱う身体のことは男女の性差とかに少し触れるくらいだった。あとは早寝早起きをしろとか、栄養バランスを考えて食事することが健康のためとか、そういうこと。性感染症についても少しやったかもしれない。「生理」すらそんな扱いだったから、「生理前」なんてほぼ触れやしないし。「どうせなら、もう一歩踏み込んでいろいろ知りたかったなー」「なんで三十歳過ぎて今更こんなふうに、生理との向き合い方を調べてるんだろうな」「栄養素の役割とか含まれてる食材とか、これみんな自分で調べてようやくなんとなく理解して、食事を用意してるもんなのかな」、なんて思ってしまう。

いや分かってる。私も学校に勤めていた身だからよく知ってる。学習指導要領とか、まぁいろいろあるんだ。ただ、今は愚痴のようにそんなことを考えながら、生理でうんうん痛いお腹をさすりつつごろんと横になり、スマホで「生理 痛み 軽くする方法」とか「生理前 イライラ」とか調べている。

出産前、「出産すると生理が軽くなる」なんて話を聞いていた。私にとってそれはデマでしかなく、むしろ悪化した。一時期は、身体の疲労も重なり、生理になると横になって過ごさざるを得ないくらいだった。

そしてここ最近悩んでいるのが、「生理前のイライラ」。これが非常につらくて、最初は自分がイライラしていることにすら気づかず、やたら家族(特に夫)に反発していた。そのうち家庭を壊しちゃうんじゃないかとまで危惧し、そこでようやく「今の自分は本来の自分の状態となにか違う」「わたしはこんなに怒りっぽい性格だったか?」と思い至った。よくよく自分の身体を見つめ直し、「あ、そう言えば生理前にイライラがひどい気がする」と気がついた。

「生理痛」はよく聞くけれど、「生理前の不調」というものがあることを、このとき初めて知った。そういえば、親知らずのあたりがジンジンすることが多いのも生理前だ。いろいろ調べて、「PMS(月経前症候群)」という言葉に行き当たる。

女性の身体は一か月の中でホルモンバランスが変化する、それによって身体も変化するというのは知っていたけれど、なるほど、その乱れが生理前の不調につながるのか。原因は分かった。じゃあどうすれば良いの? あまりにも気持ちがしんどすぎて、すぐにでも改善したい。――それで私が最初に採用したのが、薬によるコントロールだった。

産婦人科に行くのは面倒だし、すぐに薬局で買えるものが良い。そしてちゃんと効くものを。価格や効果、いろいろ調べ買ったのが「プレフェミン」という「PMS治療薬」だった。これは治療薬とされているため、薬剤師さんがいる薬局でしか買えないし、できれば三か月以上は続けて飲まない方が良い(飲むならお医者さんに相談を)とのことだった。結果を言うと、めちゃくちゃ効いた。

一か月目からすごく快適で、イライラもほとんど起きず平和な家庭を過ごすことができた。生理前の口内炎もなくなった。三か月間飲んで次どうしようかと薬剤師さんに相談したら、「状況が改善されてるなら無理して飲み続けなくても大丈夫」「また症状が出た時飲めば良い」と言われたので納得し、そのままフェードアウト。口内炎はそこからずっと起きていない。

口内炎は起きていないのに、数か月経ってふと、生理前にイライラしている自分に気がついた。夫はもっと早く気がついていて「前の薬また飲めば?」って言ってくる。よっぽど違ったんだろうなと、少し笑ってしまった。

さてどうするか。このままずっと薬を飲み続けるのもなんだかな、そもそもPMSが起こらない人もいるのだし、もっと根本的な改善はできないのかと思い、またネットの海に潜ることにした。

PMSにはピルなんかも良いと聞く。だとすれば、と思い調べてみると、ピルがPMSに有効なのはどちらかというと身体的な症状に関してであって、メンタル部分にはそこまで有効でなさそうということがお医者さんのサイトを見て分かった。

更に深堀すると、どうやらメンタル面での不調が強いのはPMSの中でもPMDD(月経前不快気分障害)という診断がつくと分かった。なんだそれは本当かいなと見ていくと、イライラ・感情的になる・対人関係にトラブルが出てくるなど、まぁあてはまる。

PMDDなのは分かった、じゃあどうすればそれに対処できるのか――となると、PMDDは心療内科や精神科を受診するのが良いとのこと。正直「そこまでしないと対処法がないのか?」とかなりムムムっとなった。

つまり、前回飲んで効果のあったプレフェミンを飲むか、心療内科などを受診するかの二択ということ? 薬は否定しないけれど、なんか他にないのか!!――と、調べに調べ。

最近、生理前に憂うつな症状のでる月経前症候群の人では、体内でビタミンB6不足がみられたという報告もあります。

なんと! グリコのホームページに答えが!!!

なんでも、ビタミンB6は「幸福ホルモン」とも呼ばれるセロトニンを合成するのに必要な栄養素であるというのが鍵のようです。(ただ、必ずしも効果的であるというエビデンスばかりというわけでもなく、「ビタミンB6がPMS改善に有効である」「有効でない」の両方の研究結果があるそうです。)

そう言えば、プレフェミンを飲み終えた後、しばらく症状がなかった期間、ビタミン剤を摂取していたなと思い返し、じゃあ次の生理前に実験してみようと思いました。

と、それが今現在の私なのですが。

生理予定日二週間前からマルチミネラルとビタミンB(もちろんビタミンB6入り)のサプリを摂取し始め、一週間と数日。生理前の黄体後期まっただなかなのですが、自覚する限りあの激しいどうしようもないイライラがありません! すごい!! いつもなら、「もう生理前のこの気持ちの方がしんどいから、さっさと生理きてほしい……」というくらいだったのに!

もちろん、ビタミンB6のおかげ! と言い切ることはできないけれど、きっといくらか体内で役に立ってはくれているのでしょう。これで、毎回の生理前を乗り切れると良いな……と思いつつ、しばらく試していきたいと思っている。

それにしても、このビタミンB6に至るまでが実際すごく長く、大変だったのです。同じような症状で悩んでいて、このことを知らない人も多いかもしれない。そう思うとやっぱり、学生のうちにこういうことを教えて欲しかったな……と思わずにはいられないのです。

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