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カワガラス 竜頭ノ滝の忍者鳥

「カワガラス」(河烏、カワガラス科、全長22cm程度)は留鳥で、春でも冬でも観察することが出来る。4月後半は「カワガラス」の子育ての時期になり見る機会が少し多くなる。渓流に似合う鳥で、見れば見るほど興味が増してくる鳥でもある。

最初の段階で、「カワガラス」だからカラスだろうと誤解することもある。カラスの仲間ではなく、渓流や水辺を好み、水生昆虫や小魚を食べている鳥になる。英名は「Brown Dipper」(茶色の水中に潜る鳥)、こちらのほうが特徴を表した名前と言える。
また、カラスの連想から、大きな鳥だと思わないようにしたい。身近にいるハシブトガラスと比べると、体長は半分以下で、実際はムクドリやツグミよりも少し小さい。

「カワガラス」には面白い生態や特技がある。
例えば、竜頭ノ滝渓流の「カワガラス」は、激流に果敢に飛び込んだりする。そして驚くことに、川底の石や岩を足の爪で掴んで水中を移動する、と言われている。また、水に潜って必ず複数の水生昆虫を捕獲してくる能力にも感心してしまう。

渦巻く水に飛び込む。しかも、忍者に喩えれば「水中歩行の術」で川底を歩く。©nishiki atsushi
水生昆虫を沢山くわえて顔を出す。©nishiki atsushi
ある時は急流に鋭い爪で踏ん張り、水生昆虫を探す。体に強い撥水力があるため、水が転がるように流れる。©nishiki atsushi
「カワガラス」の最大の謎は、真っ白いまぶた。目が不意に真っ白になるからとても目立つ。何か都合の良い理由があるのだろうか?私は驚くよりも惹きつけられてしまう。©nishiki atsushi
枯れ葉を見つけ「葉隠れの術」で遊んだりする。©nishiki atsushi
水苔を岩穴に運び巣を作る。子育てが終わると、水苔の巣をきれいに取り除く習性があり面白い。「カワガラス、跡を濁さず」©nishiki atsushi
巣立ちした幼鳥は丸々とした体で、まだら模様があり、嘴は黄色い。©nishiki atsushi
幼鳥は口を大きく開けて、高い鳴き声で餌をねだる。親鳥は巣立ちした幼鳥にも餌やりを繰り返し、一定期間が過ぎると餌をねだられても与えなくなる。無事に育ってほしいし、同時に独り立ちを促したいという気持ちは人間と同じだ。©nishiki atsushi
カエルは竜頭ノ滝渓流で「カワガラス」やキセキレイと一緒になるときがある。しかし大丈夫だ。もしもカラスやチョウゲンボウなら、カエルは逃げる必要がある。©nishiki atsushi

空nyan! 「カワガラス」は忍者みたいで面白い。

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