小田代ヶ原を彩っていたノアザミが茶褐色の綿毛になって飛んで行く。植物は季節に合わせて花を咲かせ、昆虫を呼び寄せ、確実に種に変化する。
小田代ヶ原は草紅葉の頃から秋が深まり、カラマツが金屏風のように色づき、ノビタキが旅立つ頃に冬へと移っていく。
9月26日、小田代ヶ原は草紅葉になっていない。この時期は、草原が複数のペール色になり「夢草原」と呼びたくなる美しさだ。 ©nishiki atsushi昨年度は雪が積もらず、今年の春の雨量も少なかった。
中禅寺湖の水位は1m近く低下して、奥日光の聖地・上野島(こうづけしま)は、歩いて巡拝に行けるくらいになっていた。
5月5日撮影、水位低下の中禅寺湖と上野島。 ©nishiki atsushi今年の春は森の土や山道が乾燥し、夏になると異常な暑さが長く続き、戦場ヶ原は野鳥の声が例年より少なかったのではないだろうか。
7月に、親から離れて歩く痩せたキツネを見た。自然の中で独りで生きることは苦労の連続に違いない。 ©nishiki atsushi動物や昆虫、植物は変動する自然に影響されながら生きている。私たちも自然や生きものたちと相互に影響を与え合って生きている。
今年は野鳥の姿と同じように、大好きなカミキリムシも少なく寂しかった。カミキリムシたちよ、奥日光の森を飛び回って美しい装いを見せてほしい。
1 カエデノヘリグロハナカミキリ
カエデ類の花に集まるからカエデノと付いたのだろう。産卵ではウコギ科の樹木ハリギリなどに集まる。明るい黄褐色が美しく、大きな複眼と触角及び上翅の縦紋の黒で引き立っている。腹部も黄褐色に統一されている。 ©nishiki atsushi2 ヘリグロベニカミキリ
上翅は独特な紅赤色で、頭や胸、腹部の色は黒色。下翅も腹部の色に合わせて半透明の黒になっている。 ©nishiki atsushi
こちらはカミキリムシではなくベニヒラタムシ。上翅は赤茶系の色で、頭部と腹部が黒色で下翅の色は黒っぽい。この組合せはヘリグロベニカミキリと似ている。 ©nishiki atsushi3 キスジトラカミキリ
黄色と黒色の紋様をもつトラカミキリ類は、スズメバチ類やドロバチ類に擬態しているとされている。腹部の色は淡い茶褐色で、下翅もそれに合わせた色合いになる。ところで、このキスジトラカミキリは上翅(鞘翅)を閉じ気味にして飛ぶ、と聞いたが本当だろうか? ©nishiki atsushi4 チャイロヒメハナカミキリの仲間
1cm程度の小さなハナカミキリ類で、腹部に黒色があり、それに合わせて下翅の先半分も黒っぽい。 ©nishiki atsushi5 カラカネハナカミキリ
このカミキリムシの上翅は、輝く銅色や青緑色などの変異が見られる。脚の一部と頭胸部と腹部の上が黒い。下翅も光の具合で黒く見える。©nishiki atsushi6 ケマダラカミキリ
ケマダラカミキリだろうか、小さなカミキリムシが草に飛んできて、また飛んで行った。ストライプの長い触角が目立ち、上翅の黄色と黒の斑紋様が美しい。翅を広げると腹部と下翅の黒色が加わり、更にオシャレな装いになる。 ©nishiki atsushiカミキリムシは種類が多く名前や特徴を知る楽しみがあり、色合いも様々で飛び立つ姿も美しい。
まりとちtanへ
カミキリムシはあまり速くは飛ばないョ
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