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霧降高原の天空回廊1445段を登る

日光市の霧降高原に「天空回廊」と呼ばれる長い階段があり、最上階の小丸山展望台(標高1582m)まで1445段続いている。かつて賑わった日光市営の霧降スキー場(1966年〜2003年)のリフトが廃止され、2011年に遊歩道(天空回廊)として生まれ変わった。

ここには、かつて見晴のよい最大斜度36度の滑降コースがあった。そのリフトのあった箇所に階段が設置された。 ©nishiki atsushi
階段には案内板があり、登った段数と励ましのコメントが書いてある。 ©nishiki atsushi 

天空回廊には横に伸びた展望台があり、朝早くから日の出を眺める人が集まって来る。また、この少し上にも見晴らしのよい小丸山(標高1601m)がある。

小丸山から見た登山道 ©nishiki atsushi
あっという間に霧に包まれる。 ©nishiki atsushi

小丸山には女峰山(標高2463m)に続く登山道があり、最初のピークは赤薙山(あかなぎさん標高2012m)だ。その先には長く厳コースが待っていて、小丸山から女峰山まで約4時間の行程になる。

女峰山登頂にはアップダウンの激しい山道を克服しなければならない。 ©nishiki atsushi
晴れた日には会津駒ヶ岳が望める尾根道を女峰山まで進む。山頂からは男体山をはじめ燧ヶ岳や富士山なども見ることが出来る憧れの山だ。 ©nishiki atsushi

霧降高原キスゲ平は、6月末から7月にニッコウキスゲが咲き誇り、見晴が素晴らしい。途中までは階段を迂回して山道を進むことも出来る。
ところで、昨年からSNSで、霧降高原から見る朝焼けが最高!と拡散され、週末は暗いうちから渋滞がおきたりしている。ブームはいつかは収まるだろうが、当分の間、元旦の初日の出を拝むには相当な覚悟が必要になる。

高原山(鶏頂山1756m、釈迦ヶ岳1796m)の波打つスカイラインと朝焼けが美しい。栗山ダムが湖のように輝く。 ©nishiki atsushi

帰りには霧降の滝駐車場に立ち寄って、観瀑台まで紅葉の道を歩いて行く。遠くからの眺望になるが、落下する水の音を聞きながら風景を楽しもう。
霧降の滝は二段に分岐して流れる段瀑で、葛飾北斎の「諸國瀧廻り」の八滝のひとつとして描かれている。数人の旅人が流れ落ちる水をしぶきの近くで見上げている縦長の構図には迫力と存在感ががあり、このような位置で滝を見てみたいとつい思ってしまう。北斎はこの版画に「下野黒髪山きりふりの滝」と名付けている。黒髪山(男体山の別称)から流れ落ちる滝をイメージしたのかもしれない。

観瀑台から紅葉始めの霧降の滝を眺める。 ©nishiki atsushi
霧降の滝の上流にある丁字滝。他にマックラ滝、玉簾滝がある。苔生した岩が美しい場所だ。 ©nishiki atsushi

空nyan! 葛飾北斎は多色刷浮世絵『富嶽三十六景』で有名、「下野黒髪山きりふりの滝」も傑作だ!


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