見出し画像

冬の中禅寺湖

奥日光には中禅寺湖や湯ノ湖、西ノ湖、刈込湖など変化に富んだ湖がある。そのなかで中禅寺湖は男体山の噴火によって出来た堰止湖で周囲約25kmの大きさを誇る。

冬が近くなると強い風の日が多くなり、中禅寺湖は深い碧色の大小の波を岸に叩きつける。©nishiki atsushi
岸辺の流木が凍りつく日もある。©nishiki atsushi
強風で荒れる鉛色の湖は生きもののようにうねる。©nishiki atsushi
雪の降る日は湖が白くけむる。湖面に浮かぶカワアイサなどの水鳥は耐えて待つしかない。©nishiki atsushi
枝に雪氷が付いて静かに湖を飾る日もある。©nishiki atsushi
極寒の朝に薄氷が張ることもある。湖上でスケートが出来た、という信じられない過去の記録がある。©nishiki atsushi
快晴無風の中禅寺湖は、冠雪した日光白根山が映り込み、湖底の小石が見える。遠くで滑るように水鳥が泳ぐと、泳跡波は湖面を切り裂く直線になる。©nishiki atsushi
放射冷却の湖に朝日が当たり、蒸気霧の一種、気嵐(けあらし)が発生して水鳥たちを覆う。©nishiki atsushi
無風あるいは微風の凍てついた早朝には、湖岸にフロストフラワー(霜の花)が咲き、ガラス細工の花畑になる。イカルチドリがいて、硬い氷の上で足を滑らせた。©nishiki atsushi
羽毛のような可憐な結晶は、水面から立ち上がった水蒸気が急激に凍りついて生み出される。無風あるいは微風の凍てついた早朝に見られるが、朝日などで儚く消えてしまう。©nishiki atsushi

冬の中禅寺湖の中で私の好きな風景は、薄氷が湖面に浮いて漂うところだ。気象条件に左右される貴重な風景になる。

日によって、時間によって、氷の音が違ってくることにも惹きつけられる。 ©nishiki atsushi

空nyan!  冬の中禅寺湖を見に来てね。
運が良ければ、オオワシ(大鷲)がいるかもしれないし──

オオワシは中禅寺湖の魚の影を探して動かないことが多い。©nishiki atsushi
オオワシの嘴は大きく目立つ。成鳥は額が白い。©nishiki atsushi

いいなと思ったら応援しよう!