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【新春特別調査 利上げ交渉の今】(上)地域銀本部編 「経験不足」影響は半数
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市場金利型増える兆し
日本銀行が2024年8月から政策金利を0.25%に引き上げたことを受け、金融機関は17年ぶりに短期プライムレートを改定し、貸出金利の引き上げ交渉が本格化している。ニッキンは金利引き上げ交渉の実情を探るため、地域銀行99行(24年11月時点)と現場の支店長を対象に特別調査を実施。短プラ連動貸出は順調に利上げが進んでいる一方、固定金利型貸出では難航する先が少なからずある実態が浮かび上がった。また、4割近い銀行が、日銀の追加利上げを見越し、市場金利連動の融資契約へシフトさせていく考えがあることも分かった。
65%が9割以上実現
大半の地域銀は、短プラを24年8月下旬~10月初旬に引き上げた。24年10月末までに短プラ連動の融資契約のうち金利の引き上げを実現できた割合を尋ねたところ、65%の銀行が「9割以上」と回答。「7割以上9割未満」は20%だった。進捗状況に対する自己評価も52%が「おおむね満足」、24%が「満足」としており、交渉が順調な様子が伺えた。
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日銀が24年3月にマイナス金利を解除した後から、利上げを見越して準備してきた効果もあったようだ。十八親和銀行は、顧客に対して「丁寧な事前説明を行ってきたため、スムーズに交渉に臨むことができた」という。他方で、「当初想定では6割程度」を見込んでいたものの、営業店への事前周知などが奏功し、引き上げを実現できた割合が「9割以上」と回答した関東地区の地銀もあった。
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