見出し画像

【新春特別調査 利上げ交渉の今】(下)支店長編 短プラ運動、7割超が満足


上編(地域銀本部編)はこちら

「計画通り」が8割 交渉力「満足」68%

利上げ交渉が「計画より前倒しで進んでいる」「計画通り」と回答した割合は合わせて80%に上り、難航するケースは少ないようだ。複数の支店長が「毎月の返済額を実額で説明すると、想定金額より少ないと感じる顧客が多く、交渉がスムーズだった」とした。

また、「財務状況にかかわらず0.2%の利上げを実施しているが、事業主もやむを得ないと考えている」(関東地区信組支店長)など、企業側も一定の理解を示している。顧客への説明では、金利環境の変化や、預金金利も上昇する点を強調しているという声が多かった。

行員の交渉力に対する評価は「とても満足」「やや満足」「満足」を合わせて68%に達し、懸念された経験不足は、今のところ大きな問題になっていない。交渉力向上に向けた事前の「店内研修を実施」(73%)や「ベテラン行員による個別支援」(38%)の効果がでているとみられる。

利上げ交渉が必要な取引先全体に占める支店長の帯同割合は「5割未満」が最多の44%、「5割以上~7割未満」が27%、「9割以上」が15%となり、スタンスの違いがでた。「5割以上~7割未満」と回答した東北地区信金の支店長は「若手には荷が重く、支店長がやるしかない」と漏らす。

ただ、2025年も日本銀行の利上げが予想されるなか、金利交渉研修で講師を務める「つむぐ人たち」の猿樂昌之代表社員は「支店長のカードは温存すべき」という。

ここから先は

1,936字 / 3画像

¥ 330

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?