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筑邦銀、株式永久保有先 黒字に 知見生かしFA拡大へ
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筑邦銀行は、承継先の株式を永久保有して経営支援する事業承継に力を入れる。初めて取り組んだ、システム開発業の第三セクター「久留米・鳥栖広域情報(KTT)」(現KTT株式会社)の株式取得から3年が経過。行員が社外取締役として経営参画し、黒字転換を果たした。事業統合作業(PMI)を含む支援で得た知見を生かし、M&A(合併・買収)専門チームも設立した。
「売った、買ったよりも企業を残すことが大切」――。筑邦銀の林昭信執行役員は取り組みの意義を語る。同行は20年に事業承継機構と「ちくぎんビジネスエターナルサクセッション(C‐BES)」を設立。株式永久保有型事業承継では、新設するSPC(特別目的会社)が売り手企業の株式を取得。その後両者を合併させ、C‐BESの傘下に入れる。筑邦銀はSPCのFA(ファイナンシャルアドバイザー)として契約。手数料や融資利息収入が期待できる。
事業者にとっては、銀行が関与する会社が承継することの安心感や、統合・売却を想定しないため、経営に支障がない株数であれば承継できる利点がある。
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