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銀行株1年、金利戻り5割上昇 25年は地銀で選別進む


2024年の銀行株価は、国内の金利上昇を受け大幅に上昇した。12月16日の東証銀行業株価指数は2023年末比47.34%高の368.92ポイント。東証株価指数(TOPIX)の上昇率(15.72%)を大きく上回る。業績改善が先行した大手行を中心に相場をけん引。25年は米国の次期トランプ政権が打ち出す政策への不透明感から国内ビジネスを主体とする銀行に注目が集まり、地域銀行銘柄の選別が加速する可能性がある。

銀行業の上昇率は足元で23年の年間上昇率(29.31%)を上回る。SMBCグローバル・インベストメント&コンサルティングによると、東証銀行業株価指数に連動した上場投資信託(ETF)への24年純資金流入額(12月12日時点)は634億円で23年比2.7倍の規模だった。

大手行で上昇率が最も高いのが、りそなホールディングス(HD)。24年の上昇率(12月16日時点)は66.78%。金利感応度と政策保有株式の売却がテーマとなり、JPモルガン証券の矢野貴裕アナリストは「メガバンクと地銀のいいとこ取りという位置づけで株価は上がりやすかった」とみる。

三井住友フィナンシャルグループ(FG)も同期間の上昇率が63.95%となり、他のメガバンクGを上回る。堅調な業績に加え、業績予想のあり方を見直した点も寄与したとみられる。中島達社長は23年12月の社長就任後、市場との対話を取り入れた経営に注力してきた。投資家との対話のなかで「特に痛感したのは我々が目指す姿をマーケットに正しく伝えることの重要性」という。

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