
【本紙調査】首都圏信金、広がる中途採用 前職の経験生かし活躍

「地域に寄り添った仕事がしたかったので、今の仕事に転職しました」――。笑顔で語るのは、西武信用金庫武蔵境支店で渉外係を務める樋口恵里須さん(32)。2023年4月に入庫し、第一線で活躍中だ。人材不足の今、信金でも中途採用で働く職員の存在感が増している。今回、首都圏信金の人事担当者へアンケートを実施して中途採用の現状や課題、取り組みを聞いた。
調査概要:首都圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)に本店を置く40信用金庫へアンケートを実施した。中途採用比率や中途採用者の前職、募集した人材や期間、実施研修などに関する現状や課題を調査。28信金から回答を得た。
8割以上が「実施」と回答
中途採用は、首都圏の信金で一般的な人材確保のルートとなりつつある。28信金中24信金と8割以上が実施と回答。中途採用比率も上昇傾向にあり、13信金が前年度より比率が高かった。23年度の比率は最高で33%。次いで昭和信金が29%だった。未実施の信金でも、「将来的には検討する必要がある」「今後、中途採用への積極的な投資も必要だと感じる」と回答。新卒一括採

用だけでは人材の確保が不十分であるという現状が反映された。
なかでも多いのは、金融機関経験者の採用だ。中途採用者の前職で最多が「信用金庫」、次いで「その他金融機関」。埼玉県信用金庫は、中途採用は即戦力と位置付けており、「金融機関実務経験3年以上」が募集条件と定めている。小松川信用金庫では支店長経験者が現役支店長として活躍中。亀有信用金庫も信金経験者が融資役席として勤務するなど「即戦力」のニーズは高い。
ここから先は
2,340字
/
2画像
¥ 330
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?