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百十四銀、「後継ぎ」支援の幅広げる ファンド活用を積極化
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百十四銀行は、取引先が経営課題として抱える「後継ぎ」不足への支援の幅を広げている。2024年に入り、ファンドを活用した取り組みを積極化。千差万別なニーズをくみ取り、円滑な事業承継の実現を目指す。
従来から親族や従業員、M&A(合併・買収)による承継を支援してきた同行。一方、後継者不在率が高まるなかで承継に関する悩みが多様化し、既存の支援メニューだけでは十分に対応しきれないケースが出てきた。
そこで注目したのが、サーチファンドだ。後継者不在の企業に経営者候補の人材(サーチャー)を紹介するほか、株式取得の費用を投資。後継者との相性を確認したり企業の独自性を維持したまま、人材面と資金面の課題を解決できる利点を持つ。
同行は22年、山口フィナンシャルグループが設立したサーチファンドに出資した。「空いたパズルのピースを埋められる」(西坂章・コンサルティング部長)と、これまでの支援でカバーできなかった企業に新たな選択肢として提案。24年に入って同行のある取引先に初めて活用され、経営者候補を紹介した。
今後の活用拡大に向けた課題は、サーチファンドの認知度不足。支援の仕組みや体験談を紹介するセミナーを開くほか、3人程度のサーチャーがファンド活用に関心を持つ企業6~8社を巡る企画も打ち出す。
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