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特許庁・中企庁、中小の知財活用後押し 連携強化し課題把握へ


特許庁・中小企業庁は、中小企業の知的財産活用を後押しするため連携を強化する。特許庁が、工業所有権情報・研修館(INPIT)などと構築する「地域知財経営支援ネットワーク」に中企庁が12月4日から新たに参加。中小企業による知財活用の拡大に向けた課題把握のほか、同ネットワークが一体で事業者を支援するための仕組みの検討を進めていく。

特許庁、日本弁理士会、INPIT、日本商工会議所の4者は2023年3月、同ネットワーク構築への共同宣言に署名。各地の商工会議所や地域金融機関などと連携し、事業者への支援を展開している。一方で、中企庁は「知財Gメン」を配置して全国の中小企業に対するヒアリングを年間1万件以上実施。それを踏まえ、24年10月にガイドラインを改正するなど、知財活用の促進に向けた環境整備に力を入れている。

中企庁も今回ネットワークに参加。今後は構成する各組織の要望を集めながら、INPITの知財総合支援窓口の担当者、中企庁のよろず支援拠点のコーディネーター、日本弁理士会に所属する弁理士らが一体となり、事業者にシームレスなサポートを提供できる体制を整備していく。

両庁の連携の背景にあるのは、事業者間の「下請けいじめ」に対する問題意識だ。例えば、親事業者が下請け企業にCAD(コンピューター支援設計)データの作成と、データ提供を依頼。その後、親事業者が中国などに安価な発注を行い、CADを制作した企業への発注を取りやめる事例などがある。CADデータ自体を特許で保護することができず、「泣き寝入りするケースが多い」(特許庁関係者)という。

ただ、中小企業が自社の技術やブランドを生かした経営を行うために知財の活用は有効な手段。そのため、特許庁を中心としたネットワーク参加機関と、中企庁の知財Gメンによる情報共有を強化。活用に向けて課題となっている点を探り、解決を目指す。

掲載元:https://www.nikkinonline.com/article/238209



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