2023年、元旦の紙面から 地政学リスク、民主主義――高まる危機感・焦燥感
みなさま、新年あけましておめでとうございます!
今年も世界のみなさんにとり、より良い年でありますよう、心よりお祈りしています。
さて、元旦の新聞各紙を集めてきて、目立つ記事と社説をざーっとメモすることを長年の習慣としてきました。以前のメモはどこかに散逸してしまっているのですが、せっかくだからnoteに記録しておけばいいじゃないか!ということで、新年のごあいさつ代わりにアップします。このnoteの終わりには、各紙のアタマとワキの記事、社説の見出しを羅列しました。
当たり前のことながら、今年の紙面は地政学リスクや、民主主義への危機感、焦燥感であふれています。2022年の初めには、2月24日にロシアがウクライナに侵攻するとはなかなか予測できなかったですね……。
今年は、読売新聞以外のすべての全国紙が企画で1面アタマを作っていて、そのテーマはやはり広くいって地政学リスクや民主主義への危機感です。読売新聞は「日韓レーダーを接続」との見出しで、「北朝鮮のミサイル攻撃への探知・追求するための情報を両政府が即時共有する方向で検討を始めた」ーーと伝えています。毎日新聞の企画「平和国家はどこへ」では、中国の台湾侵攻に備え、日本と台湾に軍事連絡ルートがすでにあることを伝えています。
何とも難しい時代ですが、僕としては「勇ましい論調」に違和感を覚える一方で、「民主主義の英知を結集しよう」というだけではあまりにも無力で、展望がないと感じてしまいます。模索すべき可能性はいくつかあり、手前味噌ではありますが、日本経済新聞が企画「Next World 分断の先に」で論じているフェアネスを含む経済合理性というのは、探るべき価値がある道だと思います。
もうひとつ興味深かった視点は、東京新聞の企画「まちかどの民主主義」関連のインタビューで東京大学大学院准教授の斎藤幸平さんが指摘する「初めの一歩は家庭で、職場で」というもの。まずは身の回りでできることをきちんと手を抜かずにやる、話し合う――というのは迂遠なようでいて、欠かせないことだと思います。朝日新聞は企画インタビューで、ノーベル賞作家のアレクシエービッチさんを取り上げていて、彼女の「絶望を救うのは日常そのもの」という言葉にも共感します。
危機感や焦燥感にとどまらず、ともすると無力感にまでさいなまれるのは現実に起きていることの悲惨さに対して、自分ができることがあまりにも小さいという感覚があるからでしょう。それでもまずは家庭の中、職場、隣の人、地域――。ミクロの視点を忘れずに、その集積としてマクロ、大きな視点を持つ。簡単ではないですが、そんな感覚でいたいものだと考えています。
(おまけ)――なぜこれが習慣化しているのか?
高校の時の先生が何かの折に話していたのを「面白そうだなぁ」と思って続けていたのが、習慣化しました。その後、新聞社で働くようになって今に至るわけで、まあ、何と言いますか、自分がまだ何ものかまったくわからないころから志望していた仕事を、今でも続けていること自体は幸せなことだなぁと感じます。
ちなみに昨年の紙面を写真で紹介するとこんな感じです。
23年1月1日の紙面から(アタマ、ワキ、社説の見出し)
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