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ブロガーが選ぶ“よい投信”は?  eMAXIS Slimシリーズ圧勝

小雪もちらついた2020年1月18日(土)、今年で13回目となる「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2019」の取材に行ってきました。投資信託に詳しい個人ブロガーさんが、持ち点5を評価する投信1つから5つに振り分けて投票するというもの(詳しくは運営委員会のHPを)。運用評価機関などの投信ファンドオブザイヤーはいくつかありますが、この賞は完ぺきに個人目線、個人投資家目線という点が特徴的です。

早速ですが2019年の上位10ファンドをご紹介しましょう。

投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2019
 ファンド名/運用会社          (資産クラス)ポイント
1 eMAXIS Slim全世界株式/三菱UFJ国際投信(世界株式)145
2 eMAXIS Slim米国株式(S&P500)/三菱UFJ国際投信 (米国株式 )97
3 eMAXIS Slim先進国株式インデックス/三菱UFJ国際投信(先進国株式) 86
4 ニッセイ外国株式インデックスファンド/ニッセイアセット(先進国株式) 82
5 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)/三菱UFJ国際投信 (バランス)71
6 楽天・全米株式インデックス・ファンド/楽天投信投資顧問(米国株式)     45
7 セゾン・バンガード・グローバルバランス/セゾン投信(バランス) 43
グローバル3倍3分法(1年決算型)/日興アセット(バランス) 43
9 バンガード・トータル・ワールドETF(VT)/バンガード(世界株式)42
10 SBI・バンガード・S&P500インデックス/SBIアセット(世界株式)40
※獲得ポイントの多い順。ポイントが同じ場合は投票人数の多い方が上位

2018年に初めて、上位10ファンドが全てインデックス型になったとのこと。2019年も顔ぶれの変化はあるものの、上位10ファンドは全てインデックス型でした。中でも三菱UFJ国際投信のeMAXISシリーズは信託報酬などの手数料について「常に業界最安値」を標榜し、上位3本を占めるなど圧勝の感がありました。そして前年の2位から4位に後退したニッセイ外国株式インデックスファンドが、2月からの信託報酬引き下げを会場で宣言するなど、価格競争はまだまだ続く模様です。

今年は特別賞が2種類発表されました。一つは「最多入賞賞」で、これまで13回のうち最も多い頻度でトップ10に選ばれたファンドのこと。2019年もトップ10入りを果たしているセゾン・バンガード・グローバルバランス(セゾン投信)とバンガード・トータル・ワールドETF(VT)(バンガード)がともに11回目ということで表彰されました。

もう一つは「ジャンプアップ賞」。20位以内で、最も前年からの順位上昇が大きかったファンドで、こちらは農林中金<パートナーズ>長期厳選投資“おおぶね”(農林中金全共連アセットマネジメント)が表彰対象。前の年の19位から12位に順位を上げたわけですが、インデックス全盛の中で、米国株式に厳選投資するアクティブ型である点も注目されます。手数料面ではインデックス投信より高くても、運用哲学を競い、高い成果を狙うアクティブ投信にはもっと頑張ってほしいと感じています。

さてさて信託報酬の引き下げは象徴的ですが、投資家、お客様の声が販売会社、運用会社にフィードバックされて一段の商品性改善が進む――といった点で、この賞の果たしてきた役割は極めて大きいと思います。

そのことは踏まえたうえで、投信業界、金融業界などに望むことが大きく2つあります。一つには、もっと初心者などにも分かりやすく、投資信託や資産形成の方法について紹介してくださいということ。二つ目に、せっかく始めた投資信託などによる資産形成を、きちんともともとの目的に沿って続けられるように(何といっても続けることが難しい!)アドバイスする人が身近に増えてほしいということ。

2019年の公募株式投信(ETFを除く)は、実に1997年以来、年間ベースで22年ぶりに資金流出となりました(投資信託協会)。世界的に株式相場が好調だったこともあるでしょう。利益確定売りをする人が多い一方で、投資信託が広く個人の間にすそ野を広げているとはとても言えない状況だと思っています。

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