連日急騰のソフトバンクGについて考える
ソフトバンクG(9984)株が24日(火)も急騰しました。そもそも日経平均株価は1204円高(7.1%)の1万8092円と爆謄。欧米株安の中での日本独歩高。ある意味ではその主役とも言える場所にソフトバンクG株があります。24日は604円高(18.9%)高の3791円でした。24日は日経平均株価全体の上昇が1204円に及びましたので、ソフトバンクGのみが突出しているわけではありませんが、130円分はソフトバンクG株で押し上げた格好です。ちなみに23日(月)は日経平均株価の上昇分(334円)の約3分の1をソフトバンクGが稼いでいました。
きっかけは23日(月)の13時50分に発表した4.5兆円の資産売却と最大2兆円の自社株買いです。空売りの買い戻しに短期筋の流入が相まって上昇が加速しているようにみえますが、これを評価した買いがどこまで続くのか、僕自身は疑問です。
24日付け朝刊の日本経済新聞から引用しますが、ソフトバンクGの主な保有株には以下のようなものがあります。
ソフトバンクGの主な保有株
社名 価値(兆円)
中国アリババ集団 13.4兆円
ソフトバンク 4.7兆円
米スプリント 2.8兆円
英アーム 2.7兆円
ビジョン・ファンド 3.2兆円
その他 1.1兆円
(注)23日午前8時時点
誰もが考えたくなるのは「アリババ株をどのくらい売るのだろう?他には何が売りの対象になるのだろう」といったことです。もちろんそれ以外の資産、公開株以外の資産もあるわけですが、全体の売却金額が大きいだけに、そう簡単ではありません。
さて、ソフトバンクGは今や投資会社なのだと標榜しています。現金を作るために、資産を売ることをわざわざ事前に表明することはあまり一般的とは思えません。一定以上の規模の売却が必要になれば、市場に悟られないように、粛々と分散して売るのが普通です。表明する必要があったとすれば、株主や銀行か、あるいはファンドの出資者からか、新たな計画を表明するように迫られたようにさえ思えます。格付け会社S&Pが、これに先立つ5000億円の自社株買を受けて、長期発行体格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更したことももちろん意識したでしょう。
この資産売却と自社株買いが長期的な経営評価につながるとすれば、それは長い時間(プレスには「これらの取引は今後4四半期にわたって行われます」とあります)をかけて売却価格の低迷を避けつつ、借金に過度に頼るレバレッジ経営的な路線を修正、投資会社として新しい成長の姿を見せることだと思います。
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