2022年1月1日(金)の新聞各紙――アタマ・ワキ記事と社説を読み比べる
あけましておめでとうございます。高校時代からの習慣で、元旦は各新聞の1面や社説を記録することにしているのですが、大抵はメモがどこかにいってしまったりして、きちんと残っていないのが残念です。というようなこともあり、昨年に続き、noteにアップ、またSNSなどで共有させていただくことにしました。
まずざっと眺めて、「あまりない言葉」に気が付きます。そう「新型コロナ」。昨年に比べると1面における存在感がかなり後退している印象はあります。正直言って、今、収束に向かうと期待するのは軽はずみな気はしますが、(良くも悪くも)だいぶ慣れてきてしまったのでしょう。
新しい資本主義、社会システムの構想
さて、日本経済新聞は企画で「資本主義を創り直す」を問い、朝日新聞はやはり企画「未来のデザイン」でコロナ禍や環境問題などを掲げます。岸田総理が掲げる「新しい資本主義」は、発する立場、受け取る立場によっていかようにでも都合よくぶれてしまうような危うさがあると感じます。一方で、新しい経済・社会システム、構想が必要だという感覚は広く共有されていると思います。
データ社会で脅かされる安全保障、人権
そうした問題意識と同じくらい、あるいはそれ以上に目についたのが「データ社会」です。毎日新聞の企画「荒れる情報の海② 露、ヤフコメ改ざん転載 政府系メディアが工作か」。また産経新聞の企画「主権回復 2030への処方箋①『電子暗号』覇者がAI社会制す ビッグデータ時代の情報安全保障」はいずれもデータ社会時代の安全保障を取り上げています。新しい時代の安全保障、もっと踏み込んで戦争の姿や形が変わりつつあるのは確実で、リアルな恐怖を感じます。また朝日新聞は社説でデータ社会時代の人権を取り上げています。
原子力発電をどう考えるのか?
主要紙で唯一、企画ものでアタマを作らなかった読売新聞。「米高速炉計画 日本参加へ 『もんじゅ』技術を共有」は、大変気掛かりな報道です。3.11の前にも気候変動対策への文脈から原子力発電をクリーンエネルギーとして位置付ける動きがあり、それがいったんは頓挫したかのようにみえました。しかし環境危機の切実さが当時とは比べ物にならないくらいに高まっています。東京新聞は企画「声を上げて・デモのあとさき①『脱原発』叫び強くなれた」で脱原発デモを取り上げています。避けることなく、隠し事なく、公明正大な議論が必要です。
「新聞を読み比べよ」という高校時代の恩師の教えは、基本的に「世の中にはいろいろな立場、物の見方がある――」ということだったと思います。新聞自体の力が衰え、ネットやSNSを通じてみたい情報だけが目に飛び込んでくる、さらにはそれが人権や安全保障を脅かす時代になりました。どのように情報を吸収し、ものごとを考え、そして発信したらよいのか――。試行錯誤の日々が続きます。
みなさま、まずは健康を第一に、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
2022年1月1日(金)の各紙・アタマ、ワキ、社説
<日経>
・ 企画アタマ 成長の未来図①資本主義創り直す 競争→再挑戦→成長の好循環
北欧の新陳代謝 解は「フレシキュリティー」(フレキシビリィーとセキュリティー)
・ ワキ 海賊版 民間連携で抑止 日米などの著作権団体 国際捜査を要請
・ (社説)資本主義を鍛え直す年にしよう コロナ禍でひずみ露呈 国際公共財守れ
<朝日>
・ 企画アタマ 未来のデザイン①未来予想図ともに歩もう ドリカム 「百年の森林構想」
・ ワキ 強い寒気 日本海側大雪
・ (社説)憲法75年の年明けに データの大海で人権を守る プラットフォーマー問題
<読売>
・ アタマ 米高速炉計画 日本参加へ 「もんじゅ」技術を共有
・ 米露、ウクライナ協議難航 首脳電話会談、制裁巡り応酬
・ 災厄越え次の一歩踏み出そう 「平和の方法」と行動が問われる
<毎日>
・ 企画アタマ 荒れる情報の海② 露、ヤフコメ改ざん転載 政府系メディアが工作か
日米分断あおる露 日本読者装い「どうせ米は救ってくれない」
・ ワキ 「復帰っ子」沖縄の50年つむぐ 沖縄が本土復帰して今年で50年
・ (社説)再生‘22 民主政治と市民社会 つなぎ合う力が試される
<産経>
・ 企画アタマ 主権回復 2030への処方箋① 「電子暗号」覇者がAI社会制す
ビッグデータ時代の情報安全保障
・ ワキ 米、露侵攻なら「断固対応」 ウクライナ情勢、協議は継続
・ (年のはじめに)さらば「おめでたい憲法」よ(論説委員長・乾正人)
<東京新聞>
・ 企画アタマ 声を上げて・デモのあとさき①「脱原発」叫び強くなれた
写真家亀山のの子さん(45) 2013年脱原発デモ
・ ワキ 気候変動民主主義にも脅威 ノーベル賞・真鍋淑郎さんに聞く
・ (社説)「ほどほど」という叡智 年のはじめに考える SDGs環境問題
<東京中日スポーツ>
・ 立浪監督 全部答えます 「貧打解消 まずはビシエド。二塁、左翼、右翼は空き」
All for Victory 「楽しみな選手思った以上に多い」(石川、根尾、岡林…)
(第2部)新庄剛志新春激白「このことは初めてしゃべります。立浪さんは憧れでした」