マガジンのカバー画像

内容公開中!『日経ビジネス人文庫 整える習慣』

18
『整える習慣』が2021年2月に発売されました。自律神経の第一人者が、身の回り、時間、人間関係の整え方から、食生活、心身、メンタルの整え方まで解説しています。 noteのマガジン…
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

【整える習慣】ご案内&もくじ

『整える習慣』が2021年2月に発売されました。自律神経の第一人者が、身の回り、時間、人間関係の整え方から、食生活、心身、メンタルの整え方まで解説しています。 noteのマガジンでは、「文庫化にあたって」と108の習慣から15項目を公開しています。のぞいてみてください。 文庫化にあたって 1・2 (全文公開中!) はじめに 自律神経を意識するとなぜ仕事がうまくいくのか? 第1章 まず、モノを片づけて、心を安定させる──身の回りの整え方1 鞄の中を探した瞬間に、あなたは乱れ

【文庫化にあたって】1

2020年、世界を襲った新型コロナウイルスの感染拡大。 私たちはこの大きな試練に、どのように向き合えばいいのでしょうか――。 私は医師として、それも自律神経の専門家として、はっきり伝えておきたいことがあります。 それは、本当に恐れるべきは「感染ではない」ということです。 三密(密集・密接・密閉)を避け、新しい生活様式を実践する中で、感染を回避する最低限の注意は必要です。それは間違いありません。 しかし、新型コロナウイルスの実態があきらかになってくるにあたり、医学的な意

【文庫化にあたって】2

●「新型コロナウイルスから人類への手紙」 世界中に新型コロナウイルスが蔓延した2020年春、ヴィヴィアン・リーチという人が書いた「新型コロナウイルスから人類への手紙」という一通の手紙(一編の詩)が話題となりました。ご存じの方も多いでしょう。 これまで人類がさまざまな「間違った行為」を行い、「間違った方向」へ突き進んできた。それに対して、地球が悲鳴をあげ、人類に警鐘を鳴らしてきたにもかかわらず、人々はまったく耳を貸そうとはしなかった。だから「私」(すなわち、手紙の書き手で

【1鞄の中を探した瞬間に、あなたは乱れている】

モノを取り出すために、鞄の中を探し回る。 じつは、そんなささいなことで私たちの自律神経は乱れ、仕事への集中力は大きく下がってしまいます。 スマホが鳴って、取り出そうとしたのにすぐに見つからない。持ってきたはずの資料が見つからず「もしかして、忘れたのか!」と焦る。オンライン会議で使うイヤフォンを鞄に入れたはずなのに、どこにも見当たらない。 そんなちょっとした瞬間に、交感神経は跳ね上がり、血流は悪くなり、集中力は下がり、結果として仕事のパフォーマンスは著しく低下します。

【16「内容で区切る仕事」と「時間で区切る仕事」を分ける】

前の項目では「時間的なデッドラインを設けることが大事」という話をしました。 それは紛れもない事実ですが、仕事には「内容で区切るべきもの」と「時間で区切るべきもの」の2種類があることも忘れてはいけません。 あなたにも「何よりもクオリティを大事にしなければならない仕事」があるでしょう。 たとえば、私なら書籍の原稿や論文を書く場合、あまり時間に追われていると、どうしても仕上がりが雑になってしまいます。 この手の「内容で区切るべき仕事」を、終了間際の1時間で「絶対にあと10ペー

【21 アクシデントが起こったら「次の予定」をあきらめる】

どんな仕事をしている人にも予想外のアクシデントは起こります。 すぐに対処しなければならない緊急の用事が飛び込んでくることもあるでしょう。 緊急の用事というのは、忙しいときにこそ入ってくるものです。 さて、その際に最初にやるべきことは何か。 それは間違いなく「次の予定をあきらめる」ことです。 そもそも緊急の用事というからには「すぐにやらなければいけない」ということはすでに決まっています。後回しにできる程度の用事なら、あとでやればいいだけの話。 緊急性が高く、重要

【24 休日を充実させるコツは「ゆるやか」な計画性】

休日の過ごし方はまさに人それぞれです。 平日、滅茶苦茶忙しく働いているのに、休日になっても、喜んでマラソン大会に参加したり、スキーやスノーボードに出かける人もいます。そうかと思えば、休みの日は昼まで寝ていて、ダラダラ過ごすという人も少なくありません。 ちなみに、私は「完全に休む」というより、少しでも仕事をして、あまり休日と平日の差をつくらないのが自分に合ったコンディショニング法です。 どれがよくて、どれが悪いということはありません。 ただし一日中ダラダラ過ごす人の場合

【34「認められない」なら「あきらめる」】

上司に認められたいけれど、認められない。 そんな状況に悩み、苦しんでいる人も多いでしょう。この状況において、最初にやるべきは「あきらめる」ことです。 「上司に認められない」という状況をバネにして、よりがんばれる人はもちろんそれで構いません。 しかし、「認められたいけれど、認められない」と悩んでいる人は「それをバネにがんばる!」のステージはすでに終わり、やる気を喪失しているケースが多いものです。 自律神経的に言えば、交感神経、副交感神経がともにダウンし、体の中からエネル

【38 ゆっくり静かに伝える】

自律神経を整え、自分のコンディションを保つコミュニケーション法として「ゆっくり静かに伝える」はオススメです。 これを意識するだけで、ストレス要因は圧倒的に少なくなり、自律神経が乱れる機会を減らすことができます。 ゆっくり話すとなぜいいのか。 まずは感情が入らないことです。 人は感情が入れば入るほど、話すスピードが速くなります。何かイヤなことを言われたら、すぐに反応する人、猛烈な速度で反論する人がいるでしょう。 完全に自律神経を乱し、コンディションを下げている状態です

【40 夫婦の理想型はラブラブではなく「家族」になること】

恋愛の話をしたので、夫婦関係についても触れておきましょう。 人間関係の問題はストレスの最大要因なので、当然、夫婦間のコミュニケーションでも自律神経を乱し、コンディションを崩すケースはたくさんあります。 ただし、夫婦の関係性が、いい意味で、親子や兄弟のように「本当の家族」となれているとしたら、自律神経を乱すより、安定させる効果が得られることも多いでしょう。 家に帰って、奥さんや旦那さんの顔を見て落ち着く、気が休まるという人は、あきらかに夫婦という関係がコンディション維持

【53 リモートワークの合間に5分だけ「体育の時間」を入れる】

リモートワークが多くなって一番の問題は「動かなくなること」。 通勤して、オフィスで仕事をしているだけでも、じつはけっこうな運動量になっています。 駅まで歩く、駅の階段、職場でも会議室へ移動したり、人と会うためにちょっとした移動をするなど、案外動き回っているものです。 しかし、リモートワークになると、これがごっそりなくなります。 そこでオススメしたいのが、一日のスケジュールの中に「体育の時間」を設けることです。 それも30分、1時間たっぷりやるのではなく、「5分の運動

【58 一日を逆算して食べる】

コンディションを整えるために「暴飲暴食はしない」は基本中の基本。 とはいえ、パーティでコース料理を食べなければいけないとか、焼き肉に誘われていて「食べないわけにはいかない」ということもあるでしょう。 体のコンディションを整えるといっても、一流のスポーツ選手がオリンピックの競技前にするような、徹底した食事管理をする必要はありません。そもそも、そんなことは無理です。 そこで、少しだけ気を配ってほしいのが「一日を逆算して食べる」ということ。 「今夜は食事会へ行く」「友

【63 ヨーグルトは種類を変えて「腸内の多様性」を高める】

腸内環境を整えるのにヨーグルトがいい。 これは以前から言われていることですが、最近の研究では、同じ種類のヨーグルトを食べ続けるのではなく、ときどき種類を変えて、いろいろな菌を腸内に入れることが大事だと発表されています。 かつては「自分に合ったヨーグルトを探す」「自分に合った菌を選ぶ」というやり方が主流でしたが、研究が進んでいくにつれて、腸内の菌の多様性は腸内環境のよさと比例する――そんな結果が出てきています。 市販のヨーグルトにもさまざまな種類があるので、食べることで

【72 ミスは必ずその場でメモ】

夜の習慣で「失敗を成功パターンに上書きする」という方法を紹介しました。 そこで大事になってくるのが、その日の失敗を覚えておくことです。 しかし、人間の記憶はそこまで万能ではありませんから、一日のうちミスとして覚えておけるのはひとつかふたつ。それも「これはやってしまったなあ」「これは恥ずかしかった」など、インパクトの大きいミスしか覚えておけません。 すると、夜に振り返ろうとしても「あれ、なんかあったっけなあ」となかなか思い出せなくなり、そのうちに「一日を振り返る」という