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Alternative Data Conference 2019 Spring 開催報告

初めに

3月20日に「オルタナティブデータカンファレンス Spring 2019」を開催いたしました。おかげさまで定員150人を大きく超える申し込みをいただき、盛況のもと閉会することができました。ご来場いただいた皆様、協賛社様、登壇いただいた講師の方々に深く御礼申しあげます。

現在、オルタナティブデータの利活用の広まりとともに、ニューヨークやロンドン、香港などの世界の金融センターでは機関投資家とデータ提供者が一堂に会し、データの投資への利活用に関する議論を行うイベントが頻繁に開催されております。一方で国内では、こうした非伝統的なデータの金融への活用はいまだ進んでいるとは言えません。これは、国内においてオルタナティブデータの利用に関する情報の量が非常に少なく、課題や問題に対するディスカッションが欠けていることが一つの原因です。本セミナーでは国内外の運用関係者やデータベンダーを招き、海外の事例や国内での活用課題について講演、ディスカッションを行い、コミュニティの形成や課題の共有、明確化を図る目的で開催した本邦初の試みでありました。

以下講演内容の概要をご紹介します。

公演概要

1. 基調講演1:データで何を探し、どう運用するか考える

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関西学院大学の岡田克彦教授が登壇し、非伝統的なデータを用いた運用を行う際の課題と、投資を目的とした際の質の高いデータ分析の方法について講演を行いました。講演の中で岡田教授は、運用のためのデータの利活用を行う際には1、既知のファクタをベースにする必要があること。2、すでにあるファクタを新たな断面で定量化すること。3、情報効率性が低い部分を精査しながらオルタナティブデータを用いる必要があることの3点が重要であると述べました。

2. 基調講演2:資産運用におけるオルタナティブデータの可能性

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次の基調講演では、三菱UFJトラスト投資工学研究所(MTEC)の佐藤健一上席研究員が登壇しました。講演ではFOMCボードメンバーの声明や発言録の自然言語処理によるスコアの付与や、各社のESG評価を効率的に行うためのテキストマイニングなどの事例を踏まえながら、時系列データの不足や技術発展によるアイデアの陳腐化などの課題と、技術開発や分析コストの減少による今後の発展への展望についての説明がありました。

3. 講演:オルタナティブデータ活用事例 エン・ジャパンとの共同研究

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活用事例についてアセットはマネジメントONEの株式運用グループアナリストの鐘江健一氏が登壇し、社内のAI関連プロジェクトの歩みと、エン・ジャパンとの共同研究について発表を行いました。社内でAIやオルタナティブデータ関連のプロジェクトが立ち上がった背景と、雇用者による企業の評価スコアに目を付けた理由になどについて鐘江氏の業務体験を交えながら説明がありました。

4. 対談:国内バイサイドにとってのオルタナティブデータ

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休憩を挟んだのちの対談では、Tokio Marine Asset Management USAの三橋威夫CEO 兼 CIO、アセットマネジメントONE株式会社岩谷捗平氏、並びにモデレーターとして株式会社Nowcast の辻中仁士CEOが登壇し、バイサイドがデータやそれを分析技術をどのように実務に結び付けてゆこうとしているのか、そしてその上の課題や、組むべき外部のプレイヤーについての対談を行いました。価値のあるデータを持っているデータオーナーはもとより、そうしたデータを統合し、整備して効率的に提供するデータベンダーの必要性について意見が交わされました。

5. パネルディスカッション:データベンダーから見たオルタナティブデータ市場の将来

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最後のデータベンダーによるパネルディスカッションでは。ファクトセット・パシフィック ヴァイスプレジデントの三本木宏氏、東京証券取引所情報サービス部課長の保坂豪氏、ジェーシービーイノベーション統括部副主事の小沢典永氏、QUICKナレッジ開発本部北本部長の渋谷淳氏、モデレーターとして日経新聞デジタル事業次長の久慈未穂氏が登壇し、データの提供者、いわゆるデータベンダーから見たオルタナティブデータ市場の現在と将来への展望について意見を交わしました。

終わりに

日本経済新聞社は引き続きこうしたイベントを通じて金融におけるビッグデータの利活用や、その基盤となるパブリックな議論の場を提供してゆきたいと考えております。今回のイベント開催は国内で前例のないものでもあり、弊社としても挑戦的なプロジェクトでありましたが、ご来場、ご協賛いただきました皆様のおかげで成功裏に終えることができました。謹んで御礼申し上げます。

日本経済新聞社が提供するオルタナティブデータに関するご質問は以下のリンクからお問い合わせください。



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