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コロナ禍で消費行動のデジタル化が加速影響と企業の取り組みについて考える

スマートフォンの普及が消費行動のデジタル化に大きな影響を与えたと言われています。スマートフォンを使ってECで買い物、買った商品のレビューをSNSでアップする、といった行動が広がりました。日経ピーアールで20年以上営業をして間もなく50代のおっさんになる私は、こういった行動はとらないタイプの人間なのですが、仕事上関りのあるテーマでもあるので「消費行動のデジタル化」と企業側にもたらす影響について、おっさんなりに考えてみたいと思います。

スマートフォンとコロナ

スマートフォンの普及により、いつでもどこでも様々なコミュニケーションができるようになりました。電車の中でも、洋服を見ている女性、ニュースを読むビジネスマン、ゲームに没頭する学生など、多くの人がスマートフォンを使用しています。時々観察すると、向かいのシートに座っている全員がスマートフォンを見ていることも・・・。

パーソナル端末として手放せないスマートフォンですが、買い物をするにも欠かせなくなっています。洋服や家電などを買う場合、どんな商品があるか、その特徴や他の商品との違いは何か、どんな口コミがあるか、まずはスマートフォンで情報収集します。

その後、店頭で商品を直に見て触って購入を判断。その場もしくは帰宅後にECで購入。特に大きなものであれば自宅に届けてくれるECは大変便利です。またECで買う場合、どのECサイトで買うのが一番安いかを調べてから買う人も多いと思います。このように消費者のニーズに応えるかたちでEC関連のサービスは充実してきました。

そして新型コロナウイルスの影響により、ECシフトが一気に進みました
外出が制限され、今まで店舗で買っていたモノの多くをECで買うようになり、今までECを活用していなかった層もECを利用するようになりました。また自宅にいる時間が増えたことで、買い物の内容も“自宅をより良い環境に” “いつもの食事よりちょっと贅沢” “アウトドアなど趣味の変化”といった傾向の変化が出ていると言われています。

拙宅でもこの機に発泡酒からビールに切り替えることができました

店舗での買い物

このECシフトは一時的なものなのか、店舗での買い物は減る一方なのか――。ECシフトの傾向は続くとは思いますが、店舗での買い物がなくなるということはないと考えられます。

ECでの買い物に慣れた人々も、2021年の秋、ワクチン接種が進み第5波が落ち着いた頃にはだいぶ店舗に戻ったように思われます。小売店や飲食店も久しぶりに活気を取り戻しました。
あれほど便利なECがあっても、人々は、実際に商品やサービスに触れる実感、店舗で買い物をするという行為自体に価値があると気付いたのではないでしょうか。

ただ、店舗のあり方は変わりっていくのかもしれません。商品やサービス、または店舗スタッフとのコミュニケーションも含めて体験の場という要素が強くなっていると言えます。

その象徴と言えるのが近年少しずつ増えている「売らない店舗」です。
店舗をショールーム的な位置づけとして商品を体験してもらい、気に入ればECで買ってもらうというものです。
商品出店・出品している企業のメリットとしては、売上への誘導以外に、
『消費者の声やデータを商品開発やマーケティングに活かせる』
『顧客との接点作りができる』
といったメリットがあります。

消費者側には、
『店舗スタッフの接客が苦手な人でも商品をじっくり体験できる』
『荷物にならない』
といったメリットがあります。

仕事上、こういった情報は記事等でよく読むのですが、私自身は「売らない店舗」を利用したことはありません。その前後の情報収集リテラシーが不足しているため、今はまだ、口コミを見て参考にして利用の仕方を勉強しているところです。

今後は・・・

EC関連サービスは事業者の努力によって便利な仕組みが構築され、消費者はこの便利さを手放すことはないと思われます。企業はECを重要なチャネルとして考えるでしょうし、企業間の競争はますます激しくのでは、と考えています。店舗の位置付けも重要で、販売チャネルだけでなくコミュニケーションや体験の場として様々な取り組みとともにコト消費が増えていくとも言われています。

さらに体験ということでは、メタバースの普及によってバーチャル世界でも様々な体験の場が出てきていますし、物理的なモノの売り買いではなく、NFTによりデータを商売の対象とした新しいビジネスも盛んになるかもしれません。

オムニチャネル、O2O、OMO・・・。
様々な手法が注目され、こうしたキーワードを活用した企画を実施してきました。デジタルツール・サービスを提供する企業にご協賛を頂き、課題をもつ流通業との橋渡しができればと思い取り組んでまいりましたが、大事なのは自社の強みや商品の特長を理解して、どのような戦略を描きどのように伸ばしていくのか、ということだと感じています。
私は別として、消費者のデジタル化は進んでいるので、企業はデジタルを前提として戦略を立てていくべきかと考えています。戦略は、消費者のニーズと時代や技術の動向を背景としてその企業が生み出す二つとないストーリーになるのだと思います。

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