ながら日経

「ながら日経」、スタートから1カ月!ニュースデスクの打ち明け話

こんにちは。Voicy日経チャンネル「ながら日経」がスタートして8月22日でちょうど1カ月になります。大変ありがたいことに、フォロワーが順調に増え、8月22日午前時点で約2400人。
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リスナーの皆さまの支持は、放送を作り出す立場にとって、よいニュースやサービスを送り出そうという原動力となります。今回はこの1カ月間の現場の歩みなどを打ち明け話としてご紹介します。


私は次の日経を考えるチームの「長良川日経」と申します。かつて長良川のほとりに暮らしていたので、こんな名前を名乗っています。私の仕事はニュースデスク。6人のパーソナリティとともに、毎朝お届けするニュースを選び出します。デスクは私も含めて複数いて、交代で務めています。

ニュース選びのキーワード

「朝のニュースの項目はどうやって選ぶの?」。そんな質問がリスナーの皆さんから聞こえてきそうです。ニュース選びのキーワードとして①オリジナリティー②鮮度③意外性④多様性――があげられます。

オリジナリティーの意味するのは、日本経済新聞が取材力を駆使して、他のメディアに先駆けて世に送り出したニュースです。デスクとして印象深かったのが、8月2日放送の「就活生『辞退予測』情報、説明なく提供 リクナビ」でした。

就職情報会社が、就活する学生の内定辞退率を本人の十分な同意のないまま予測し、企業に有償で提供していた問題です。就活生にとってはいつの間にか内定の辞退率の予測がはじき出され、これを購入した企業が採用を判断する材料にしていた可能性があり、問題となりました。その後も多くの有力企業が辞退予測を購入したことが次々に報じられ、問題の根深さが浮き彫りになりました。

2番目の鮮度はニュースに欠かせないものです。「ながら日経」は朝のニュースですから、未明の米国市場の動向を織り込んだ準備が午前7時の放送開始ギリギリまで続くこともあります。

3番目の意外性はリスナーの皆さんに「へぇー、そうなんだ」と思っていただけることです。これも印象的だったニュースは、7月25日放送の「『ビートルズ大学』開講、金沢大学が8月から」です。社会人向けにビートルズの曲の楽しみ方や歴史を紹介する講座を駅前で開講するという内容でした。私はビートルズが大好きなのですが、地方の国立大学が今なお人気の伝説のグループの講座を開くという意外性が面白く思えました。

4番目の多様性は、幅広いニュースを紹介することです。日経新聞や日経電子版で紹介する記事ですから、経済記事が中心になるのは当然です。そうした中で、物流など経済活動に影響しそうな台風などの情報を盛り込んでいます。東京だけに偏らない、地方のユニークな経済活性化の取り組みも題材として選んでいます。

未来に期待できるニュースを

貫く思いは、未来に期待できるニュースを送り出すことでしょうか。時には深刻で厳しい話題をお伝えしなくてはならない日もありますが、それでも、日曜日を除く朝、リスナーの皆さまに元気に仕事や暮らしに向かっていただけるニュースも添えていきたいと考えています。

そして欠かせないのが、パーソナリティのニュース終わりのトークです。日パーソナリティの皆さんが日ごろ考えていることや、日常生活、これまでの経験が満載です。活字メディアでは味わえない人間味が広がるコーナーです。デスクは、誰よりも早くパーソナリティが録音したばかりの言葉を耳にできます。放送の準備をしていて「ああきっと、この話はリスナーの皆さんの心に響くだろうな」と思うことがあります。わくわくする瞬間です。

新聞記事との違い

デスクの仕事に、新聞や電子版用に書かれた原稿を読みやすく書き直すという作業があります。例えば、硬い表現、回りくどい表現は、言葉にしやすいように改めます。パーソナリティの収録を耳にすると、さらに読みやすく手直しがしてあることもあり、元新聞記者としては自分たちの文章表現がいかに滑らかではないかを思い知らされます。また、新聞原稿では「安倍晋三首相」と表記しますが、放送用には多くのテレビ・ラジオなどのように「安倍総理」と改めます。放送も新聞もともにマスメディアですが、使う言葉が少しずつ違います。私は若い頃、日経グループのテレビ局に出向したことがありますが、当時「新聞では拳銃と書くが、テレビの原稿ではピストルと呼ぶんだよ」と教えてもらったことがあります。耳にして分かりやすくすることが、音声媒体では大切なのです。

この単語、どう読んだらいいですか?アクセントはどこにありますか?――。そんな問い合わせがパーソナリティからデスクに寄せられてくることもあります。私たちデスク陣も一生懸命調べます。読み手とデスクの共同作業から毎朝の放送が誕生します。

個人的なことを書きます。私は今から何十年も前、ラジオが大好きな少年でした。そのころから音声メディアは素晴らしいとずっと思っていました。思春期の私を育ててくれたのはラジオといってよかったです。

私にビートルズを覚えたのもラジオでした。DJと呼ばれたパーソナリティのトークに笑い転げつつ、人生とは何かも教えてもらいました。短波ラジオを持っていたので、海外の放送を聴いて、報道の自由のない独裁体制の国がいかにつまらないものかを具体的に知ることができました。ラジオ局で働きたいという憧れを持っていた時期もあります。そんな思いが巡り巡って、今につながっていることに縁を感じます。

「ながら日経」は生きたメディアです。日々、パーソナリティやスタッフが考えながら魅力ある内容をお届けしています。そしてリスナーの皆さまの思いやお言葉も、私たちを育ていきます。派手なイベントやPRを展開したわけではありません。それでも日々多くの方がフォロワーとなって下さっていることに、よいものをお届けする責任を感じています。

若年層向けに「これだけは知っておきたい」ニュースを月〜金曜の21時から配信するVoicy日経チャンネル「ヤング日経」も8月12日から開設しています。

それぞれこれからも是非お聴きいただき、ご意見をお聞かせ下さい。これからもお手元はそのまま、で。




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