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2023/03/15(水)=2月米CPI予想通りだが依然高い/SVBへの米政府の対応などで銀行株など急反発、米主要指数、日本株とも反発して終了

◆前営業日2023/03/14(火)の経済指標結果~2月の米CPI、市場予想とほぼ同じだが、依然高く、粘着性顕著 #日経225先物 #日経平均 #投資 #株 pic.twitter.com/e4onYGMVA3

2023/03/14(火)の経済指標結果

posted at 02:08:16

◆2023/03/15(水)の経済イベント予定 #日経225先物 #日経平均 #投資 #株 pic.twitter.com/FrfpsorSwS

2023/03/15(水)の経済イベント予定

posted at 02:09:26

日経225先物ミニ6月限、一時27030円まで急落。02:20現在の1分足チャートは以下参照。 pic.twitter.com/jB5PFv1wSI

posted at 02:20:58

RT @jijicom: 【速報】 米軍によると、米軍の無人機が黒海上空でロシア軍機と衝突した(ワシントン時事) www.jiji.com

posted at 02:24:32

◆シリコンバレー銀行破綻で全預金者保護という異例の、しかも米国らしからぬ策を講じるから逆にやっぱりすげーあぶねー案件なのかしらと思ってしまう。マーケットがどう判断するのかは相場に聞くしかない。~米当局、SVB破綻受け預金者保護策打ち出す-新融資制度設 www.bloomberg.co.jp/news/articles/…

posted at 04:27:07

◆欧州市場サマリー(ロイター)記録用2023/03/15(水)04:14配信分=英株、欧州株ともに株は反発 Read: twitlonger.com/show/n_1ss8peq

◎欧州市場サマリー(14日)
[14日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反発して取引を終えた。金融銘柄が買い戻されたことに加え、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めペースの減速期待も高まったことも相場を押し上げた。
FTSE100種指数<.FTSE>の上昇率は、2カ月超ぶりの大きさとなった。
暴落していた米国の金融株が買い戻されて米国の主要株価指数が上昇。また、2月米消費者物価指数(CPI)の伸び率がわずかに鈍化したため、FRBによる今月の利上げが小幅になるとの見方も広がった。
インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「(投資家は)金融システムに対する圧力緩和とCPIの数字に米国がどのように反応するかを見て、それに追随した」と述べた。
中型株で構成するFTSE250種指数<.FTMC>は1.62%高。
FTSE350種銀行株指数<.FTNMX301010>は1.78%上昇。前日は、米シリコンバレー銀行(SVB)破綻の影響が懸念されて大幅下落していた。
また、英国の2022年11月─23年1月の賃金増加率は鈍化。投資家は、イングランド銀行(英中央銀行)が来週の会合で利上げを一時停止する確率は40%とみている。
個別銘柄では、エンジンメーカーのロールスロイス<RR.L>が7.0%上昇。オーストラリア向けの原子力潜水艦の建造計画が好感された。
格安航空会社(LCC)ウィズエアー<WIZZ.L>、イージージェット<EZJ.L>はそれぞれ7.3%、4.5%上昇。JPモルガンとシティグループが欧州の旅行需要の見通しを引き上げたことが材料視された。
ロンドン株式市場:[.LJP]

<欧州株式市場> 4営業日ぶりに反発して取引を終えた。米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻後も欧州の銀行部門は耐久力があるとの見通しと、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ減速への期待が高まって買い注文が優勢となった。
STOXX欧州600種指数<.STOXX>の上げ幅は、今年に入って最大となった。銀行株指数<.SX7P>が2.49%と反発した。
UBSの欧州株式戦略責任者、ゲリー・ファウラー氏は「欧州の銀行部門の耐久力は考えられていたよりも大きい」との見方を示した。
ドイツのショルツ首相はドイツ国民はSVBの波及について大きな懸念を持つ必要はなく、規制当局は2008年の世界金融危機から教訓を学んだと表明した。
米労働省が発表した2月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)の伸び率は前年同月比、前月比ともに市場予想と一致。FRBが来週開く連邦公開市場委員会(FOMC)で決める利上げが小幅になるとの見方を後押しした。
工業株指数<.SXNP>は2.69%高。エンジンメーカーのロールスロイス<RR.L>が7.0%上昇し、英防衛大手BAEシステムズ<BAES.L>も3.3%上げた。
一方、英金融会社のクローズ・ブラザーズ・グループ<CBRO.L>は6.0%下げた。
欧州株式市場:[.FJ]

<ユーロ圏債券> 国債利回りが上昇した。これまで米シリコンバレー銀行(SVB)破綻を受け欧州中央銀行(ECB)の利上げの道筋に影響が出るとの観測が出ていたが、こうした観測は行き過ぎたものだったとの見方が出ている。
金融安定リスクに対応するために中央銀行は政策スタンスを緩めるとの見方から、欧州中央銀行(ECB)のターミナルレート(政策金利の最終到達点)予想は前日に3.4%近辺と、前週9日時点の4.1%から低下していた。
この日の取引で独2年債利回り<DE2YT=RR>は22.5ベーシスポイント(bp)上昇の2.928%。前日は37bp低下していた。
アリアンツ・グローバル・インベスターズのシニア債券スペシャリスト、マッシミリアーノ・マキシア氏は「われわれはシステミックリスクに直面していない。市場で見られた金融引き締め路線の見直しは過度なものだった可能性がある」としている。
ユーロ圏の監督当局は、米国のシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の経営破綻による波及的な影響を注意深く見守る必要があるとしながらも、域内の銀行への影響は限定されるとの見方を示している。
アリアンツのマキシア氏は「米連邦準備理事会(FRB)は短期的にハト派的になる可能性があるが、ECBは少なくとも今週の理事会ではハト派化しない」とし、「ECBは16日の理事会で0.50%ポイントの利上げを決定し、その後はデータに依存すると予想している」と述べた。
市場が見込むECBが今週の理事会で0.25%ポイントの利上げを決定する確率は25%にとどまっているのに対し、0.50%ポイントの利上げが決定される確率は約75%。
独10年債利回り<DE10YT=RR>は16.5bp上昇の2.448%。前日は2.168%と、5週間ぶり低水準を付けていた。
イタリア10年債利回り<IT10YT=RR>は10bp上昇の4.31%。
独10年債との利回り格差<DE10IT10=RR>は184bpに縮小した。
ユーロ圏金融・債券市場:[DE/BJ]

<為替>   欧州終盤 アジア市場終盤 コード
ユーロ/ドル    1.0715 1.0687 <EUR=>
ドル/円 134.39 133.54 <JPY=>
ユーロ/円 144.05 142.74 <EURJPY=>

<株式指数>   終値  前日比 % 前営業日終値 コード
STOXX欧州600種 449.56 +6.76 +1.53 442.80 <.STOXX>
FTSEユーロファースト300種 1774.84 +25.96 +1.48 1748.88 <.FTEU3>
ユーロSTOXX50種 4179.47 +82.93 +2.02 4096.54 <.STOXX50E>
FTSE100種 7637.11 +88.48 +1.17 7548.63 <.FTSE>
クセトラDAX 15232.83 +273.36 +1.83 14959.47 <.GDAXI>
CAC40種 7141.57 +130.07 +1.86 7011.50 <.FCHI>

<金現物> 午後 コード
値決め 1907.55 <GOLD/EU1>

<金利・債券>
米東部時間14時59分
*先物      清算値  前日比 前営業日終盤 コード
3カ月物ユーロ 96.86 +0.06 96.80 <FEIc1>
独連邦債2年物 105.24 -0.53 105.77 <FGBSc1>
独連邦債5年物 116.69 -1.31 118.00 <FGBMc1>
独連邦債10年物 133.96 -2.24 136.20 <FGBLc1>
独連邦債30年物 138.76 -4.60 143.36 <FGBXc1>
*現物利回り   現在値  前日比 前営業日終盤 コード
独連邦債2年物 2.843 +0.245 2.666 <DE2YT=RR>
独連邦債5年物 2.502 +0.220 2.314 <DE5YT=RR>
独連邦債10年物 2.403 +0.186 2.256 <DE10YT=RR>
独連邦債30年物 2.409 +0.144 2.203 <DE30YT=RR>

ロイター

posted at 04:40:05

◆主な要人発言=記録用2023/03/15(水)05:10配信分 Read: twitlonger.com/show/n_1ss8pfl

14日の主な要人発言(時間は日本時間)
2023/03/15 05:10

14日09:44 鈴木財務相
「足もとの金融市場ではリスク回避的な動きが指摘されているが、日本の金融システムは安定」
「日本の金融システムに重大な影響を及ぼす可能性は低い」
「金融政策への影響はコメントを控える」

14日16:17 ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁
「米シリコンバレーバンク(SVB)破綻の影響は、ユーロ圏の金融機関にはない」

14日20:09 テデーン・リクスバンク(スウェーデン中銀)総裁
「スウェーデンのインフレ率は依然として高すぎる」
「4月に0.25%か0.50%の利上げを引き続き予想しているものの、足元の市場混乱を踏まえて、今後入手するデータが鍵を握る」
「シリコンバレーバンク(SVB)の破綻の影響は、現時点でスウェーデンの金融安定に対するリスクはないと考えている」

14日21:14 エリザベス・ウォーレン米上院議員
「パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の行動がSVBとシグネチャーバンクの破綻の直接的な要因となった」

※時間は日本時間

posted at 05:49:50

◆今朝の5本(ブルームバーグ)記録用2023/03/15(水)06:02配信分=米信用不安後退で次回FOMCで利上げ見通し復活 Read: twitlonger.com/show/n_1ss8pg5

2月の米消費者物価指数(CPI)統計では、前月に過去最高を更新していた鶏卵価格が大幅低下し、消費者には朗報となりました。鶏卵相場の高騰で自宅で鶏を飼う人が増えたと言われる米国。郊外に展開する農業用品小売店チェーン、トラクター・サプライでは春先になれば店頭でひよこが販売されます。名残雪が舞うニューヨークでも、春の到来とインフレ沈静化が待たれます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

◎コアが予想上回る
2月CPIでは、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.5%上昇と、5カ月ぶりの大きな伸びとなり、市場予想(0.4%上昇)も上回った。前年同月比では5.5%上昇し、市場予想と一致した。総合指数は前月比、前年同月比ともに予想に一致した。コア指数の月間ベース上昇に寄与したのは住居費のほか、娯楽、航空運賃など。食料品・飲料品の月間上昇率は2021年5月に迫る低さで、中でも鶏卵価格が大きく低下した。

◎利上げ見通し復活
スワップ市場が織り込む来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げ確率は約80%に上昇した。前日の取引終了時点では約50%だった。2年債利回りは一時40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近く上昇。前日には61bp急低下していた。FOMCにとって、シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を受けて金融安定へのリスクが増大する中、依然高過ぎるインフレへの対応にどう優先順位を付けるかが難題となっている。

◎急反発
米地銀株が反発。SVB破綻の影響が金融システム内に広がるとの懸念の後退を反映し、同行破綻をきっかけとした下げを一部を取り戻した。ファースト・リパブリック・バンクは13日に62%急落したが、14日は27%高。パックウェスト・バンコープは34%、ウェスタン・アライアンス・バンコープは14%上昇。バンク・オブ・アメリカ(BofA)やシティグループなどの大手も上げている。

◎追加削減へ
フェイスブックの親会社、米メタ・プラットフォームズは約1万人の人員削減計画を明らかにした。約5000人分の空きポジションについては埋めない方針。経費節減と効率化を図るのが目的で、過去6カ月で2回目の大規模な人員削減となる。22年は広告収入の伸びが鈍化し、通年で初の減収となっていた。同社は昨年11月、従業員の約13%に相当する1万1000人の削減を実施。削減開始時の従業員数は8万7000人余りだった。

◎衝突
黒海上空で哨戒活動中の米空軍無人機が、ロシアの戦闘機に衝突されて墜落したと米欧州軍が明らかにした。米軍の「MQ-9」無人機はロシアの戦闘機「Suー27」2機から数回にわたってインターセプト(進路妨害)を受け、そのうち1機はMQ-9のプロペラに接触したという。米欧州空軍のジェームズ・ヘッカー司令官は「ロシア機はその危険で無責任な行為により、2機とも墜落寸前にあった」と述べた。

その他の注目ニュース
◎アポロとブラックストーン、SVBのローン債権に関心-10兆円弱
◎アップルが一部のボーナス支給先延ばし、採用凍結さらに拡大へ
◎ESG9条、「サステナブルに程遠い資産」を組み入れ-教授ら調査

ブルームバーグ

posted at 06:11:14

◆FOMCに迫る難しい判断、利上げか様子見か-インフレと金融混乱で Steve Matthews 2023年3月15日 2:29 JST(ブルームバーグ) Read: twitlonger.com/show/n_1ss8pg7

2月の米消費者物価指数(CPI)統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前月比ベースで加速した。これを受け、米金融当局はインフレとの闘いで利上げを継続するという決意は一段と強まりそうだ。だが金融混乱を巡る懸念が続く中、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では難しい判断を迫られることになる。

米労働統計局の14日発表によれば、2月のコアCPIは前月比0.5%上昇。前年同月比では5.5%上昇した。エコノミストらは、基調的なインフレを測る指標としてコアCPIの方が総合CPIより望ましいと考えている。2月の総合CPIは前月比0.4%上昇、前年同月比では6%上昇だった。

FOMCにとっての難題は、米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を受けて金融安定へのリスクが増大する中、依然高過ぎるインフレへの対応にどう優先順位を付けるかだ。金融規制当局は12日、全預金者の資金を保証するための措置を打ち出した。

LHマイヤー/マネタリー・ポリシー・アナリティクスのエコノミスト、デレク・タン氏は「今回のCPIは、FOMCに様子見を決め込む余裕などないことを浮き彫りにしている」と指摘。「週末に当局が打ち出した措置には、金融危機を封じ込めて金融引き締め継続の余地を作るという意味もあった。それにより、当局は金融安定と物価安定のどちらかを選ぶことを回避できる」と述べた。

SVB破綻を受けて急落した米地銀株も14日には反発し、安定化の兆しが表れ始めているようにも見える。ただSVB破綻の余波についての判断がまだ難しい中、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめとする金融当局者としては、追加引き締めに動くのは時期尚早と考える可能性もある。

また、FOMCがこの1年間に進めてきた合計450ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)という積極利上げが既に金融セクターの重しになりつつあるほか、SVBの破綻はこれまでの利上げの影響が時間差を伴って同セクターに打撃を与え始めていることを示している。

ネーションワイド・ミューチュアル・インシュアランスのチーフエコノミスト、キャシー・ボストジャンシク氏は「25bp利上げで引き締めを継続するか、それとも据え置いて様子見するかを巡ってFOMCは難しい判断を迫られる」と指摘。「当局による12日の緊急措置が金融ストレスを封じ込めたとのシグナルが市場から示されれば、FOMCは25bp利上げで納得するかもしれない」と分析した。

その上で、「もはやFOMCにとってインフレは唯一の焦点ではない。金融の安定と貸し出し状況も考慮に入れる必要が出てきた」と付け加えた。

原題:Fed Rate Pause Is a Tough Call After Inflation Reaccelerates(抜粋)

ブルームバーグ

posted at 06:14:43

◆海外企業ニュースサマリー(ダウ・ジョーンズ)記録用2023/03/15(水)06:15配信分 Read: twitlonger.com/show/n_1ss8pg9

DJ-【海外サマリー】企業ニュース
☆マイクロソフト、「CoD」提供で3件目の合意 買収承認へ
 米マイクロソフトは、ビデオゲーム「コールオブデューティ(CoD)」の提供についてクラウドゲーム会社ブーステロイドとも合意した。ブラッド・スミス社長が明らかにした。

☆サウスウエスト航空、 1-3月期の増収率予想レンジを縮小 費用は増加見込む
 米格安航空大手サウスウエスト航空は14日、1-3月期(第1四半期)の営業収入の伸び率の見通しについて、従来の20~24%のレンジから、21~23%のレンジに狭めたことを明らかにした。

☆米映画館AMC、株主が新株発行承認
 米映画館運営大手AMCエンターテインメント・ホールディングスは14日、株主が新株発行を承認したと明らかにした。来館者数の低迷が続き、黒字回復にてこずっている同社にとって救いとなりそうだ。

☆米タイソン、鶏肉加工場2カ所閉鎖 1700人削減
 米食肉加工大手タイソン・フーズは鶏肉加工場2カ所を閉鎖し、従業員約1700人を削減する予定を明らかにした。米国の鶏肉供給量の約5分の1を生産する鶏肉事業の効率改善を図る。

☆米PEアポロ、化学のユニバー買収へ 81億ドル
 米プライベートエクイティ(PE)投資会社アポロ・グローバル・マネジメントは化学品販売のユニバー・ソリューションズを81億ドル(約1兆0900億円)で買収することで合意した。

☆サウジ航空2社、ボーイング「787」約80機の購入発表
 サウジアラビアの航空会社であるリヤド航空とサウディアは14日、米ボーイングのワイドボディー(双通路)機「787ドリームライナー」を合計約80機購入すると発表した。

☆米豚肉最大手スミスフィールド、中国資本巡る懸念に反論
 米議員の間で国内農業に対する中国の影響力拡大を懸念する声が高まる中、豚肉販売・加工で米最大手のスミスフィールド・フーズは懸念の払しょくに努めている。

☆クレディ・スイス、財務報告に内部統制上の「重大な弱点」
 スイスの金融大手クレディ・スイス・グループは14日、内部統制が機能しなかったため過去2年間の財務報告に「重大な弱点」があったと年次報告書で明らかにした。

☆ノボノルディスク、米でインスリン値下げへ 最大75%
 デンマークの製薬大手ノボノルディスクは14日、米国でインスリン製剤を最大75%値下げする。糖尿病治療にかかる費用を低減させるよう製薬業界に圧力がかかる中、大幅な値下げを打ち出した。

☆SVB破綻、米司法省とSECが調査=関係筋
 米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻を巡り、米司法省と米証券取引委員会(SEC)が調査を開始したことが関係者の話で分かった。預金の流出に見舞われたSVBは先週、規制当局の管理下に置かれた。

ダウ・ジョーンズ

posted at 06:18:01

◆海外経済国際ニュースサマリー(ダウ・ジョーンズ)記録用2023/03/15(水)06:16配信分 Read: twitlonger.com/show/n_1ss8pga

DJ-【海外サマリー】経済・国際ニュース
☆バイデン氏、銃購入者の身元調査を厳格化する大統領令に署名
 ジョー・バイデン米大統領は14日、銃規制に関する大統領令に署名した。購入者の身元調査を厳格化するなどして、銃が絡む暴力を減らす狙いだ。

☆バイデン氏、北アイルランド訪問へ 紛争終結25周年
 ジョー・バイデン米大統領は13日、北アイルランド紛争を終結させた「聖金曜日合意」の25周年を記念して、英領北アイルランドとアイルランドを訪問すると明らかにした。訪米中のリシ・スナク英首相の招きに応じた。

☆ロシア戦闘機と米無人機、黒海上空で衝突
 黒海上空でロシア軍の戦闘機「Su-27」と米無人機(ドローン)「MQ-9リーパー」が衝突した。米国防総省が明らかにした。

☆OPEC、23年の原油需要見通しほぼ据え置き
 石油輸出国機構(OPEC)は14日発表した月報で、2023年の世界の原油需要見通しをおおむね据え置いた。

☆米CPI、2月は前年比6%上昇 伸び鈍化
 米労働省が14日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6%の上昇となった。伸びは1月の6.4%から鈍化し、2021年9月以来の低水準をつけた。

ダウ・ジョーンズ

posted at 06:18:49

◆オーバーナイト・ヘッドライン一覧(ロイター)記録用2023/03/15(水)06:17配信分 Read: twitlonger.com/show/n_1ss8pgj

◎オーバーナイト・ヘッドライン一覧(15日)
> 中南米金融市場=通貨上昇、米積極利上げ観測後退で[nL4N35M40S]
> 米金融・債券市場=利回り上昇、米インフレ統計受け緩やかな利上げ想定[nL4N35M438]
> 米司法省、シリコンバレー銀の破綻を調査=関係筋[nL4N35M3L8]
> NY外為市場=ドルほぼ変わらず、底堅いCPI受け利上げ見送り観測後退[nL4N35M42K]
> ドイツは米になお「占領」、自主的に行動できず=プーチン大統領[nL6N35M0F8]
> 米財務省の米銀破綻対応措置、債務上限の「Xデー」見通しに影響せず[nL6N35M0EQ]
> 米国株式市場=反発、米インフレと米銀懸念が鎮静化 [nL4N35M3ZW]
> 原油先物3カ月ぶり安値、米インフレ統計や米銀破綻受け[nL6N35M0ET]
> 米偵察無人機、ロシア戦闘機と黒海上空で衝突 ロシア側は否定[nL4N35M3T5]
> 国連、黒海穀物輸出合意の延長確保に向け注力[nL6N35M0EN]
> 欧州株式市場=4営業日ぶり反発、今年最大の上げ幅[nL4N35M3Y1]
> ロンドン株式市場=反発、米国株上昇を好感[nL4N35M3XN]
> 米CPI、2月は前年比+6.0%に減速 21年9月以来の穏やかな伸び[nL4N35M3KM]
> ノルドストリーム爆破、「国家レベル」の行為=プーチン氏[nL6N35M0DZ]
> ユーロ圏金融・債券市場=利回り上昇、米銀破綻への反応行き過ぎとの見方[nL4N35M3PY]
> ボーイング、サウジ2社から「787」78機受注 米政権「画期的」と歓迎[nL6N35M0CZ]
> 破綻の米シグネチャー銀の株主、CEOらを提訴[nL6N35M0D8]
> メタ、1万人を追加削減へ 昨年11月に続き2回目 景気後退に備え[nL4N35M3HI]
> ムーディーズ、米銀見通し「ネガティブ」 SVB破綻でリスク高まる[nL6N35M0C9]
> ウクライナ、東部の要衝バフムト防衛継続へ 「戦略的に最重要」[nL6N35M0CF]
> 米金利先物、来週と5月の0.25%利上げ視野 CPI受け[nL4N35M3LR]
> OPEC、中国の23年石油需要見通しを上方修正[nL4N35M3NY]
> ロシア、ウクライナで「国家存続賭けた戦い」=プーチン氏[nL6N35M0B3]
> 中国、機構改革で正常な運営を確保=新首相[nL6N35M0BJ]
> 米CPIこうみる:遅効性の利上げ効果が機能=ボケー・キャピタル[nL4N35M3EP]
> 米CPIこうみる:少なくとも0.25%利上げ=インガルス[nL4N35M3EY]
> 米CPIこうみる:利上げいったん停止=スパルタン[nL4N35M397]
> 黒海穀物輸出合意、延長に向け協議継続 ロシアは期間短縮を提案[nL4N35M1YP]
> バイナンス、ポンド入出金を停止 提携先からサービス停止通知[nL6N35M096]
> 海外ヘッドライン一覧(14日)[nL4N35L4YN]

ロイター

posted at 06:32:08

◆TOP_NEWS_海外主要ニュース一覧(ロイター)記録用2023/03/15(水)06:30配信分 Read: twitlonger.com/show/n_1ss8pgm

●米CPI、2月は前年比+6.0%に減速 21年9月以来の穏やかな伸び
米労働省が14日発表した2月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年比伸び率が6.0%と、前月の6.4%から減速し2021年9月以来の穏やかな伸びになった。
●米金利先物、来週0.25%利上げ確率90% CPI受け
米労働省が14日発表した2月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)で前年比伸び率が前月から減速し2021年9月以来の穏やかな伸びになったことを受け、フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利上げが決定される確率が約90%となった。
●米偵察無人機、ロシア戦闘機と黒海上空で衝突 ロシア側は否定
米軍は14日、黒海上空の国際空域を飛行していた米軍の偵察ドローン(無人機)がロシアの戦闘機と衝突し、黒海に墜落したと発表した。
●メタ、1万人を追加削減へ 昨年11月に続き2回目
米メタ・プラットフォームズは14日、新たに1万人を削減すると発表した。昨年11月には従業員の13%に相当する1万1000人の削減に踏み切っており、それに続く大型人員削減となる。
●ムーディーズ、米銀見通し「ネガティブ」 SVB破綻でリスク高まる
格付け会社ムーディーズは14日、米国の銀行セクターのリスクが高まっているとしているとし、米銀行システムに対する見通しを「ステーブル」から「ネガティブ」に変更した。
●米司法省、シリコンバレー銀の破綻を調査=関係筋
米司法省が米金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ<SIVB.O>傘下のシリコンバレー銀行の破綻について調査していると、事情に詳しい関係筋が匿名で述べた。
●ロシア、ウクライナで「国家存続賭けた戦い」=プーチン氏
ロシアのプーチン大統領は14日、訪問先の極東ブリヤート共和国の航空工場で行った演説で、ロシアは国家存続そのものを賭けてウクライナで戦っていると述べ、西側諸国がロシア崩壊を企んでいるとの主張を改めて展開した。
●ボーイング、サウジ2社から「787」78機受注 米政権「画期的」と歓迎
サウジアラビアの国営航空2社は14日、米ボーイングの中型旅客機「787ドリームライナー」を計78機発注する計画を発表した。ロイターの試算では総額約370億ドルに達する見通しで、金額ベースでボーイングにとり史上5番目の大規模受注となる。
●破綻の米シグネチャー銀の株主、CEOらを提訴
経営破綻した米シグネチャー・バンクの株主は14日、同社とジョセフ・デパオロ最高経営責任者(CEO)ら幹部3人を相手取り集団訴訟を提起した。
●米財務省の米銀破綻対応措置、債務上限の「Xデー」見通しに影響せず
米財務省の報道官は14日、経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の預金者を保護するために行った措置は米債務上限が引き上げられなかった場合に政府資金が枯渇するおそれのある「Xデー」見通しに影響しないという認識を示した。
●OPEC、中国の23年石油需要見通しを上方修正
石油輸出国機構(OPEC)は14日に発表した月報で2023年の中国の石油需要予想を上方修正し、前年より日量71万バレル増との見通しを示した。2月には59万バレル増になると予測していた。上方修正の理由として新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策が緩和されたことを挙げた。
●中国、機構改革で正常な運営を確保=新首相
中国の李強・新首相は14日、国の機構改革を慎重に実施し、秩序ある運営を確保すると訴えた。新体制で初の閣議での発言として国営メディアが報じた。

ロイター

posted at 06:34:26

RT @LIGHT_FX_inc: 【🇺🇸NY株式市場クローズ】
🟢ダウ平均:32,155.40 (+1.06%) 🟢S&P500:3,919.29 (+1.65%)
🟢NASDAQ:11,428.15 (+2.14%) 🔴VIX恐怖指数:23.73 (-10.52%)

posted at 06:37:52

◆NY市場サマリー(ロイター)記録用2023/03/15(水)07:15配信分 Read: twitlonger.com/show/n_1ss8pie

◎NY市場サマリー(14日)株式上昇・利回り上昇、CPI受け
[14日 ロイター] -
<為替> ドルがほぼ変わらず。朝方発表された米消費者物価指数(CPI)は伸びが鈍化したものの、なお高水準にとどまり、連邦準備理事会(FRB)が来週の会合で利上げを実施するという見方が強まった。米シリコンバレー銀行(SVB)破綻の影響波及を巡る懸念も後退した。
主要6通貨に対するドル指数<=USD>は0.087%安。
ユーロ/ドル<EUR=EBS>は0.09%高の1.0739ドル。
安全通貨とされる円とスイスフランは弱含んだ。円は対ドルで0.69%安の134.13円、スイスフラン<CHEF=>も対ドルで0.15%下落した。
CMEのフェドウオッチによると、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが見送られる確率は28.4%と、前日の43.9%から低下した。
フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場では、FRBが来週と5月にそれぞれ0.25%ポイントの利上げを決定するとの見方が織り込まれた。[nL4N35M3LR]
ただ、0.50%ポイント利上げの可能性がほぼなくなったことはドルへの重しとなった。
NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米債利回りが上昇した。利回りは前日に大幅に低下していたが、米インフレ統計を受け、米連邦準備理事会(FRB)が緩やかなペースながら利上げを継続するとの期待が高まった。
米労働省が14日発表した2月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年比伸び率が6.0%と、前月の6.4%から減速し2021年9月以来の穏やかな伸びになった。
一方、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比上昇率が0.5%で、前月の0.4%から若干加速し、昨年9月以来の大幅な伸びとなった。前年比は5.6%から5.5%にわずかに減速し、21年12月以来の小幅な伸びにとどまった。[nL4N35M3KM]
午後の取引で、米2年債利回り<US2YT=RR>は19.5ベーシスポイント(bp)上昇し4.225%。指標10年債利回り<US10YT=RR>は12bp上昇の3.637%。
米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 上昇して終了した。米消費者物価指数(CPI)の伸びが減速したほか、米銀破綻の影響波及への懸念が緩和した。
主要3指数はいずれも大きく値上がり。S&P総合500種<.SPX>とダウ工業株30種<.DJI>は1%超高、ナスダック総合<.IXIC>は2%超高となった。
シリコンバレー銀行とシグネチャー・バンクの破綻を巡るリスク回避の動きから売り込まれていた金融株が反発。前日に2020年6月以来の大幅な下げを記録したS&P銀行株指数<.SPXBK>は2.6%上昇し、下落分の一部を回復。KBW地方銀行株指数<.KRX>は2.1%高。
米労働省が14日発表した2月のCPIは前年比伸び率が6.0%と、前月の6.4%から減速し市場予想と一致。コア指数の前年比伸び率も鈍化して予想と一致した。[nL4N35M3KM]
景気減速の兆しと地銀を巡る懸念から、米連邦準備理事会(FRB)が来週の会合で実施する利上げが、比較的小幅な25ベーシスポイント(bp)にとどまるとの見方が高まった。
メタ・プラットフォームズ<META.O>は新たに1万人を削減すると発表し、株価は7.3%上昇した。[nL4N35M3HI]
米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 投資家の強いリスク回避姿勢が緩み、4営業日ぶりに反落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比5.60ドル(0.29%)安の1オンス=1910.90ドル。
NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 相次ぐ米銀破綻を受けたリスク回避の動きに加え、インフレの高止まりを背景とした需要減退への懸念が圧迫要因となり大幅続落した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比3.47ドル(4.64%)安の1バレル=71.33ドルと、2022年12月初旬以来、約3カ月ぶりの安値をつけた。5月物は3.42ドル安の71.49ドル。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 134.22/134.23 <JPY21H=>
始値 133.98 <JPY=>
高値 134.89
安値 133.87
ユーロ/ドル NY 1.0732/1.0733 <EUR21H=>
終値
始値 1.0719 <EUR=>
高値 1.0749
安値 1.0699

米東部時間
30年債(指標銘柄 ) 17時05分 96*25.50 3.8051% <US30YT=RR>
前営業日終値 99*07.50 3.6670%
10年債(指標銘柄 ) 17時05分 98*15.00 3.6854% <US10YT=RR>
前営業日終値 99*28.00 3.5150%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*21.75 3.8478% <US5YT=RR>
前営業日終値 101*16.00 3.6660%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*22.50 4.2462% <US2YT=RR>
前営業日終値 101*03.50 4.0300%

 終値 前日比 %
ダウ工業株30種 32155.40 +336.26 +1.06 <.DJI>
 前営業日終値 31819.14
ナスダック総合 11428.15 +239.31 +2.14 <.IXIC>
 前営業日終値 11188.84
S&P総合500種 3919.29 +63.53 +1.65 <.SPX>
 前営業日終値 3855.76

COMEX金 4月限 1910.9 ‐5.6 <GCv1><0#GC:>
前営業日終値 1916.5
COMEX銀 5月限 2204.0 +11.7 <SIv1><0#SI:>
前営業日終値 2192.3
北海ブレント 5月限 77.45 ‐3.32 <LCOc1><0#LCO:>
前営業日終値 80.77
米WTI先物 4月限 71.33 ‐3.47 <CLc1><0#CL:>
前営業日終値 74.80
CRB商品指数 261.0755 ‐3.5928 <.TRCCRB>
前営業日終値 264.6683

ロイター

posted at 08:33:04

◆RT @LIGHT_FX_inc: 【Fed Watch】 🇺🇸次会合FOMCでの政策金利変動確率です✍️ 出典:CME Group #ドル円 #FOMC #LIGHTFX pic.twitter.com/EOVjYDEUU5

CME Group

posted at 08:53:21

◆RT @SBILM: マーケットコメント pic.twitter.com/WJMgMJBUcw

SBIマーケットコメント

posted at 08:53:26

◆RT @smbcnikko_jp: 🇺🇸 3月14日の米国株式市場です。 pic.twitter.com/SJIm9t7wy2

3月14日の米国株式市場

posted at 08:53:31

◆正直、わからんので静観。 #日経225先物 #日経平均

posted at 09:03:31

◆【PDF原文】日銀金融政策決定会合議事要旨(2023年1月17、18日開催分)2023/03/15(水)08:50解禁 www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_m…

2023.3.15
日 本 銀 行
政策委員会
金融政策決定会合
議事要旨
(2023年1月17、18日開催分)
本議事要旨は、日本銀行法第 20 条
第1項に定める「議事の概要を記載し
た書類」として、2023 年3月9、10 日
開催の政策委員会・金融政策決定会合
で 承 認 さ れ た も の で あ る 。
公表時間
3月15日 (水) 8時50分
本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合(引用は
含まれません)は、予め日本銀行政策委員会室までご相談ください。
引用・転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。
1
(開催要領)
1.開催日時:2023 年 1 月 17 日(14:00~16:31)
1 月 18 日( 9:00~11:33)
2.場 所:日本銀行本店
3.出席委員:
議長 黒田東彦 (総 裁)
雨宮正佳 (副 総 裁)
若田部昌澄 ( 〃 )
安達誠司 (審議委員)
中村豊明 ( 〃 )
野口 旭 ( 〃 )
中川順子 ( 〃 )
高田 創 ( 〃 )
田村直樹 ( 〃 )
4.政府からの出席者:
財務省 奥 達雄 大臣官房総括審議官(17 日)
井上貴博 財務副大臣(18 日)
内閣府 井上裕之 内閣府審議官(17 日)
藤丸 敏 内閣府副大臣(18 日)
(執行部からの報告者)
理事 内田眞一
理事 清水季子
理事 貝塚正彰
理事 清水誠一
企画局長 中村康治
企画局審議役 上條俊昭(17 日 14:56~16:31)
企画局政策企画課長 中嶋基晴
金融機構局長 正木一博
金融市場局長 藤田研二
調査統計局長 大谷 聡
調査統計局経済調査課長 長野哲平
国際局長 廣島鉄也
(事務局)
政策委員会室長 千田英継
政策委員会室企画役 木下尊生
企画局企画調整課長 大竹弘樹(17 日 14:56~16:31)
企画局企画役 長江真一郎
企画局企画役 吉村 玄
企画局企画役 安藤雅俊
2
Ⅰ.金融経済情勢に関する執行部からの報告の概要
1.最近の金融市場調節の運営実績
金融市場調節は、前回会合(12 月 19、20 日)で決定された短期政
策金利(- 0.1%)および長期金利操作目標(注)に従って、国債買入れ
を行った。また、前回会合で決定された長短金利操作の運用方針に従
って、10 年物国債を対象とする 0.5%の利回りでの固定利回り方式に
よる国債買入れ(指値オペ)を毎営業日実施した。このほか、チーペ
スト銘柄を対象とする指値オペを毎営業日実施した。また、各年限に
おいて、機動的に、買入れ額のさらなる増額や2年物、5年物、20 年
物国債を対象とする指値オペを実施したほか、固定金利方式による貸
付期間2年の共通担保資金供給オペを実施した。そのもとで、10 年物
国債金利はゼロ%程度で推移している。前回会合以降のイールドカー
ブの形状をみると、歪みが縮小に向かう局面もみられたものの、足も
と、一部で逆イールドが強まるなど、引き続き、歪みが観察されてい
る。
前回会合で決定された資産買入れ方針に従って、ETFやJ-RE
IT、CP・社債等の買入れを運営した。また、企業等の資金繰り支
援のための措置として、新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別
オペ(コロナオペ)を実施した。さらに、より幅広い資金繰りニーズ
に応える観点から、貸付期間2週間の共通担保資金供給オペを金額に
上限を設けず実施した。
2.金融・為替市場動向
短期金融市場では、金利は、翌日物、ターム物とも、総じてマイナ
ス圏で推移している。翌日物金利のうち、無担保コールレートは-
0.071~- 0.014%程度、GCレポレートは- 0.099~- 0.086%程度で
推移している。ターム物金利をみると、短国レート(3か月物)は、
幾分低下した。
わが国の株価(TOPIX)は、小幅に下落した。長期金利(10 年
物国債金利)は、前回会合で拡大が決定された長期金利の変動幅の範
囲内で上昇したが、長短金利操作のもとで、ゼロ%程度で推移してい
る。この間、イールドカーブは、中期から長期にかけてのゾーンが上
昇した。為替相場をみると、円の対ドル相場は、日米金利差の縮小な

(注) 「10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国
債の買入れを行う。」
3
どを背景に、円高方向の動きとなった。円の対ユーロ相場も、円高方
向の動きとなった。
3.海外金融経済情勢
海外経済は、回復ペースが鈍化している。中国では、全国的に感染
が広がるもとで、個人消費を中心に下押し圧力の強い状況が続いてい
る。中国以外の国・地域では、供給制約の緩和が続いており、自動車
や資本財を中心に、生産活動を下支えしている。もっとも、先進国で
は、引き続き、高インフレや利上げ、ウクライナ情勢の影響が下押し
圧力となっており、全体としてみれば減速の動きが続いている。この
ほか、世界的なIT関連財の生産は、在庫調整の影響を受けて、弱め
の動きとなっている。先行きは、供給制約の影響は和らいでいくもの
の、様々な下押し圧力を受けて、国・地域ごとにばらつきを伴いつつ
減速していくとみられる。先行きの見通しを巡っては、世界的なイン
フレ圧力のほか、ウクライナ情勢の帰趨や中国における感染症の影響
について、不確実性が大きい。
地域別にみると、米国経済は、個人消費に底堅さもみられるが、物
価上昇や、FRBによる利上げの継続を受けて、減速傾向が続いてい
る。個人消費は、物価上昇による下押し圧力が続いているが、これま
で積み上がってきた貯蓄や、堅調な労働市場が引き続き下支え要因と
なるもとで、値引き販売などの影響も受けて底堅く推移している。住
宅投資は、利上げを受けて減少している。設備投資は、小幅の増加を
続けているが、生産は、全体としてみると横ばい圏内で推移しており、
製造業の業況感には、幾分悪化の動きもみられる。物価面をみると、
PCEデフレーターの前年比は、ピーク時からは鈍化しているが、ウ
エイトの大きい家賃を中心とするサービス価格の伸び率拡大を受け
て、引き続き5%台半ばの高い上昇率となっている。
欧州経済は、緩やかに回復しているものの、ウクライナ情勢の影響
が続くもとで、減速の動きがみられる。個人消費は、経済活動再開の
影響が一巡し、インフレの高進やECBによる利上げが続くもとで、
減速の動きがみられる。輸出や生産は、振れを伴いつつも、全体とし
て横ばい圏内で推移している。設備投資は、基調として改善している。
物価面をみると、HICPの前年比は、食料品・エネルギー価格の上
昇などから、10%近傍の非常に高い水準で推移している。
中国経済は、感染拡大の影響を受けて、減速している。個人消費は、
感染拡大に伴う下押し圧力を受けて、減少している。輸出は、一部の
IT関連財や先進国における消費財の在庫調整の影響のほか、感染拡
4
大に伴う生産面の影響もあって、減少している。固定資産投資は、イ
ンフラ投資が堅調に推移しているものの、不動産投資が減少を続けて
いることから、全体としては横ばい圏内で推移している。こうしたも
とで、生産は、内需の鈍化に加え、企業活動や物流面の影響もあって、
減速している。
中国以外の新興国・資源国経済は、一部に弱さがみられるが、総じ
てみれば持ち直している。NIEs・ASEAN経済は、輸出は弱め
の動きが続いているものの、経済活動の再開が進展するもとで内需の
改善が続いており、総じてみれば回復している。
海外の金融市場をみると、米欧の長期金利は、経済・物価指標等を
受けて振れを伴いつつも、期間を通じてみれば、概ね横ばいとなった。
先進国の株価は、欧州では今冬のエネルギー不足に対する懸念の後退
等を背景に大幅に上昇し、米国でも上昇した。新興国通貨は、中国政
府のゼロコロナ政策の緩和や、非鉄金属等の価格上昇を背景に上昇し
た。原油価格は、期間を通じてみれば、上昇した。
4.国内金融経済情勢
(1)実体経済
わが国の景気は、資源高の影響などを受けつつも、感染症抑制と経
済活動の両立が進むもとで、持ち直している。先行きについては、資
源高や海外経済減速による下押し圧力を受けるものの、感染症や供給
制約の影響が和らぐもとで、回復していくとみられる。
輸出や生産は、供給制約の影響が和らぐもとで、基調として増加し
ている。実質輸出を財別にみると、自動車関連は、車載向け半導体の
世界的な需給逼迫が総じてみれば徐々に緩和するもとで、緩やかに増
加している。資本財は、半導体製造装置等の受注に一服感がみられる
ものの、高水準の受注残に支えられて、増加している。一方、情報関
連は、自動車関連の需要は堅調であるものの、スマートフォンやパソ
コン向けの半導体等電子部品で調整圧力が強まっており、全体として
弱めの動きとなっている。先行きの輸出や生産は、海外経済減速の影
響を受けつつも、供給制約の緩和と自動車や資本財における高水準の
受注残に支えられて、増加基調を辿るとみられる。
企業収益は全体として高水準で推移している。業況感は横ばいとな
っている。設備投資は、緩やかに増加している。機械投資の一致指標
である資本財総供給は、供給制約の影響が和らぐもとで、振れを伴い
つつも、デジタル・省力化関連等に牽引されて増加している。建設投
5
資の一致指標である建設工事出来高(民間非居住用)は、Eコマース
の拡大を背景とした物流施設の増加に加え、都市再開発案件の進捗な
どから緩やかに増加している。先行きの設備投資は、企業収益が全体
として高水準を維持するもとで、緩和的な金融環境などを背景に、増
加を続けると予想される。先行指標をみると、機械受注(船舶・電力
を除く民需)および建築着工(民間非居住用)の工事費予定額は、い
ずれも、振れを伴いつつも、増加している。
個人消費は、感染症の影響を受けつつも、緩やかに増加している。
消費活動指数(実質・旅行収支調整済)をみると、昨年7~9月に感
染再拡大の影響を受けつつも概ね横ばいを維持したあと、10~11 月の
7~9月対比は、感染抑制と消費活動の両立が進展するもとで、全国
旅行支援による押し上げもあって、サービス消費を中心に増加してい
る。形態別にみると、耐久財消費は、天候要因などによる振れを伴い
つつも、供給制約の緩和を主因に緩やかに持ち直している。非耐久財
消費は、衣料品などを中心に増加している。サービス消費は、全国旅
行支援による下支えもあって、増加している。
企業からの聞き取り調査や高頻度データをもとに、昨年 12 月以降
の個人消費動向を窺うと、物価上昇が続いているほか、新規感染者数
も増加傾向を辿っているものの、緩やかな増加基調にあるとみられる。
ただし、企業からは、割安な商品へのシフトや低価格帯の業態への顧
客流出といった家計の生活防衛的な動きが徐々に強まっているとの
見方が引き続き聞かれているほか、先行き実質所得低下の影響が強ま
ることを懸念する向きもみられている。個人消費関連のマインド指標
をみると、消費者態度指数は、雇用環境の改善などを背景に、昨年 12
月は4か月ぶりに小幅の反発となったが、物価上昇が意識されるもと
で、暮らし向きの判断を中心に低水準にある。先行きの個人消費は、
物価上昇に伴う実質所得面からの下押し圧力を受けつつも、感染抑制
と消費活動の両立が一段と進むもとで、行動制限下で積み上がってき
た貯蓄にも支えられてペントアップ需要の顕在化が進むことから、増
加を続けると予想される。
雇用・所得環境は、全体として緩やかに改善している。労働力調査
の就業者数をみると、正規雇用は、人手不足感の強い医療・福祉や情
報通信等を中心に、緩やかな増加傾向を辿っている。非正規雇用は、
均してみれば、対面型サービス業や医療・福祉を中心に緩やかな増加
傾向を辿っている。一人当たり名目賃金は、経済活動全体の持ち直し
を反映して、緩やかに増加している。先行きの雇用者所得は、名目ベ
ースでは、景気の改善に伴って増加を続けると考えられる。ただし、
6
実質ベースでは、物価上昇を反映して当面の前年比はマイナスで推移
するとみられる。
物価面について、商品市況は、総じてみれば、世界的な景気減速懸
念が重石となるもとで、ひと頃に比べ大きく切り下げた水準で横ばい
圏内の動きとなっている。国内企業物価の3か月前比は、既往の国際
商品市況の動向や為替相場の動きを反映して、高めの伸びを続けてい
る。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、エネルギーや食料品、
耐久財などの価格上昇により、3%台後半となっている。予想物価上
昇率は上昇している。短期的なインフレ予想は、上昇している。中長
期的なインフレ予想も、緩やかに上昇している。先行きの消費者物価
(除く生鮮食品)の前年比は、目先、輸入物価の上昇を起点とする価
格転嫁の影響から高めの伸びとなったあと、そうした影響の減衰に加
え、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果もあって、
来年度半ばにかけて、プラス幅を縮小していくと予想される。
(2)金融環境
わが国の金融環境は、企業の資金繰りの一部に厳しさが残っている
ものの、全体として緩和した状態にある。
資金需要面では、経済活動の持ち直しや原材料コストの上昇を受け
た運転資金需要の高まりから、緩やかに増加している。資金供給面で
は、企業からみた金融機関の貸出態度は、緩和した状態にある。CP
市場では、良好な発行環境となっている。社債市場では、発行スプレ
ッドは拡大しているが、総じて良好な発行環境となっている。ただし、
年末年始は季節的に社債発行が少ないこともあって、前回会合以降の
起債環境の状況を判断するには、もう少し時間を要すると考えられる。
企業の資金調達コストは、きわめて低い水準で推移している。前回会
合以降の各種貸出金利の推移をみると、住宅ローンでは、大半を占め
る変動金利型については、適用金利に変化は生じていない。固定金利
型については、昨年を通じて徐々に金利が引き上げられてきたが、前
回会合以降、一部の金融機関において、国債金利の動向を踏まえて引
き上げる動きがみられる。企業向け貸出では、約半分を占める変動金
利型については、適用金利に変化は生じていない。固定金利型につい
ては、今後、新規の適用金利が引き上げられる可能性はあるが、現時
点では影響は限定的であると考えられる。こうした中、銀行貸出残高
の前年比、CP・社債計の発行残高の前年比は、それぞれ3%程度、
4%程度となっており、これらの残高は引き続き高水準となっている。
企業倒産は低水準で推移している。企業の資金繰りは、一部に厳しさ
が残っているものの、経済の持ち直しに伴い中小企業も含めて改善傾
7
向が続いている。
この間、マネタリーベースは、コロナオペの残高が減少したことから、前年
比マイナスとなっている。マネーストックの前年比は、3%台前半のプラスと
なっている。
(3)金融システム
わが国の金融システムは、全体として安定性を維持している。
大手行や地域銀行の収益は、海外金利上昇を背景とした有価証券関
係損益の悪化がみられるものの、貸出残高の増加を背景とした資金利
益の増加や、手数料収入の増加などを背景に、堅調に推移している。
信用金庫の収益は、有価証券関係損益の悪化に加え、資金利益の減少
などから、前年に比べて減少している。いずれの業態でも、信用コス
トは、総じて低水準となっている。自己資本比率は、引き続き規制水
準を十分に上回っている。
前回会合における決定の影響について、貸出の形態・期間構造や前
回会合以降の貸出金利の動向を踏まえると、当面、金融機関の資金利
益への影響は限定的とみられる。有価証券評価損益については、円債
のデュレーションが長めである地域銀行や信用金庫では、大手行に比
べ悪化しているとみられる。もっとも、いずれの業態でも、全体とし
て十分な自己資本を有しており、金融仲介機能に問題が生じるとはみ
ていない。
金融循環面では、金融システムレポートで示しているヒートマップ
を構成する全 14 指標のうち、実体経済活動との対比でみた金融機関
の与信量等の3指標について、過熱方向にトレンドから乖離した状態
となっている。もっとも、これらは、主として、金融機関の企業金融
支援や企業の厚めの資金確保の結果として生じており、金融活動の過
熱感を表すものとはみられない。ただし、金融機関与信が実体経済活
動から大きく乖離することがないか、引き続き注視する必要がある。
Ⅱ.貸出増加支援資金供給の延長
1.執行部からの説明
貸出増加支援資金供給の利用残高は、緩やかな増加を続けており、
本資金供給は、引き続き、金融環境を緩和的なものとすることに貢献
している。引き続き、金融機関による貸出増加に向けた取り組みを促
す観点から、「貸出支援基金運営基本要領」の一部改正等を行い、本資
金供給を1年間延長することが適当と考えられる。
8
2.委員会の検討・採決
採決の結果、上記案件について全員一致で決定された。本件につい
ては、会合終了後、対外公表することとされた。
Ⅲ.気候変動対応オペにおける系統スキームの導入
1.執行部からの説明
民間における気候変動対応を幅広く支援するため、日本銀行の非取
引先金融機関が、各々の系統中央機関を通じて気候変動対応オペを利
用できる枠組み(系統スキーム)を導入することとし、「系統中央機関
の会員である金融機関による気候変動対応を支援するための資金供
給オペレーションの利用に関する特則」を制定することとしたい。
2.委員会の検討・採決
採決の結果、上記案件について全員一致で決定された。本件につい
ては、会合終了後、対外公表することとされた。
Ⅳ.共通担保資金供給オペの拡充
1.執行部からの説明
より弾力的な資金供給を行うことを通じ、金融市場調節方針と整合
的なイールドカーブの形成を促す観点から、共通担保資金供給オペを
拡充することとしたい。具体的には、①金利入札方式について、貸付
期間を「1年以内」から「 10 年以内」に見直す、②固定金利方式につ
いて、貸付利率を「0%」から「年限ごとの国債の市場実勢相場を踏
まえ、金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を促す観点
から、貸付けのつど決定する利率」で実施できるように見直すため、
「共通担保資金供給オペレーション基本要領」の一部改正等を行うこ
ととしたい。
2.委員会の検討・採決
委員は、共通担保資金供給オペを拡充することにより、本オペを利
用した金融機関が裁定行動を行うことを通じて、現物国債の需給に直
接的な影響を与えることなく、現物市場以外の市場も含めて、長めの
金利の低下を促すことができるとの見方を共有した。また、委員は、
国債買入れと本オペを有効に組み合わせながら金融市場調節を行っ
ていくことが適当であるとの認識を共有した。複数の委員は、本オペ
9
の実施状況については、決定会合においても丁寧に確認していく必要
があると述べた。
採決の結果、上記案件について全員一致で決定された。本件につい
ては、会合終了後、対外公表することとされた。
Ⅴ.金融経済情勢と展望レポートに関する委員会の検討の概要
1.経済・物価情勢の現状
国際金融資本市場について、委員は、米欧中央銀行による金融引き
締めを巡る不確実性や世界経済の減速が意識されるもとで、市場セン
チメントは慎重化した状態が続いているとの見方を共有した。
海外経済について、委員は、回復ペースが鈍化しているとの認識で
一致した。複数の委員は、全体として景気減速傾向が強まっているが、
これまでのところ海外経済は底堅いとの認識を示した。
地域別にみると、米国経済について、委員は、個人消費に底堅さも
みられるが、物価上昇や、FRBによる利上げの継続を受けて、減速
傾向が続いているとの認識を共有した。多くの委員は、米国の物価上
昇率の伸びは鈍化しているものの、労働市場の逼迫が続く中で、賃金
上昇率やサービス価格の上昇率は高止まりしており、高インフレの抑
制には相応の時間を要する可能性が高いとの認識を示した。何人かの
委員は、利上げの効果により、米国経済の減速を示すデータが出てき
ており、ハードランディングを回避できる可能性が高まっているとの
見方を示した。
欧州経済について、委員は、緩やかに回復しているものの、ウクラ
イナ情勢の影響が続くもとで、減速の動きがみられるとの見方を共有
した。何人かの委員は、ECBが大幅な利上げを継続する中で、景気
の減速が続く可能性が高いとの見方を示した。一方、複数の委員は、
懸念されていたエネルギー供給不安が後退しており、経済持ち直しへ
の期待も生じていると指摘した。
中国経済について、委員は、感染拡大の影響を受けて、減速してい
るとの認識で一致した。複数の委員は、中国では、感染者数の増加や
不動産市場の低迷などにより経済活動が下押しされており、きわめて
不透明感が強いとの見方を示した。このうち一人の委員は、若年層の
高失業率の長期化や、地政学的リスクを受けた対中投資の減少等によ
り、経済の低迷が長引く可能性もあると述べた。一方、何人かの委員
は、ゼロコロナ政策の転換を受けて、感染の落ち着きとともに経済再
10
開が本格化すれば、経済活動が上振れる可能性もあるとの見方を示し
た。
中国以外の新興国・資源国経済について、委員は、一部に弱さがみ
られるが、総じてみれば持ち直しているとの認識を共有した。ある委
員は、世界的なインフレ、財政状況や政治情勢の悪化、それらを受け
た資本流出などへの懸念は変わらないが、これまでのところ、こうし
たリスクは大きく顕在化せず、比較的安定した状況にあると述べた。
わが国の金融環境について、委員は、企業の資金繰りの一部に厳し
さが残っているものの、全体として緩和した状態にあるとの見方で一
致した。また、委員は、企業の資金調達コストはきわめて低い水準で
推移しており、外部資金の調達環境も総じて良好な状態にあるという
認識を共有した。この点に関し、ある委員は、金融環境の評価にあた
っては、前回会合で決定したイールドカーブ・コントロールの運用見
直しが調達コスト等に及ぼす影響について、引き続き見極めていく必
要があると述べた。そのうえで、この委員は、現時点では、貸出にお
ける変動金利型・固定金利型の割合など、調達構造を含めた全体像を
踏まえると、全体として緩和した状態を維持していると評価できると
の見方を示した。また、複数の委員は、起債が少ない時期であり、デ
ータは限定的であるが、企業からのヒアリングでは、投資家の先行き
警戒感が発行条件に及ぼす影響を指摘する声が聞かれる一方で、調達
環境は総じて良好であり、先行き、起債環境が改善する可能性がある、
といった見方も聞かれていると述べた。
以上のような海外の金融経済情勢とわが国の金融環境を踏まえて、
わが国の経済・物価情勢に関する議論が行われた。
わが国の景気について、委員は、資源高の影響などを受けつつも、
感染症抑制と経済活動の両立が進むもとで、持ち直しているとの見方
を共有した。何人かの委員は、サービス需要の回復と企業部門の前向
きの循環がドライバーとなり、内需主導のもとで、持ち直しを続けて
いるとの見方を示した。
輸出や生産について、委員は、供給制約の影響が和らぐもとで、基
調として増加しているとの認識で一致した。ただし、一人の委員は、
依然として一部に半導体不足が続いているほか、海外経済の減速傾向
はより強まっており、輸出や生産はやや足踏みしているとの見方を示
した。
設備投資について、委員は、企業収益が全体として高水準で推移し
ているもとで、緩やかに増加しているとの認識を共有した。複数の委
11
員は、人手不足に対応したDXの推進や製造業における生産拠点の国
内回帰の強まりなどもあり、設備投資への意欲は底堅いとの認識を示
した。複数の委員は、緩和的な金融環境が、実質金利の低下を通じて
設備投資を後押ししていると述べた。
個人消費について、委員は、感染症の影響を受けつつも、緩やかに
増加しているとの見方で一致した。サービス需要について、複数の委
員は、全国旅行支援や水際対策の緩和などの政府の施策もあって、は
っきりと増加していると述べた。一人の委員は、感染第8波のもとで
もサービス需要は堅調さを維持しているとの見方を示した。
雇用・所得環境について、委員は、全体として緩やかに改善してい
るとの見方で一致した。何人かの委員は、人手不足が深刻化するもと
で、賃上げに積極的な姿勢を示す企業が増加しているとの認識を示し
た。一方、複数の委員は、大企業を中心に賃上げの気運は高まってい
るものの、業況が厳しい先などでは賃上げに慎重な姿勢もみられてい
ると指摘した。一人の委員は、過年度の物価上昇に対して一時的な手
当てで対応する企業もみられることから、賃金の持続的な上昇には時
間がかかるため、マクロ経済政策の支えが必要であると述べた。
物価面について、委員は、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、
エネルギーや食料品、耐久財などの価格上昇により、3%台後半とな
っているとの評価で一致した。ある委員は、2%の「物価安定の目標」
の実現には、ディマンド・プル型の物価上昇への変化が必要であり、
一般サービスの物価上昇率の動向を注視していると述べた。別のある
委員は、財だけではなく、サービス価格も次第に上昇ペースを高めて
きていると述べたうえで、原材料価格の上昇を理由とする値上げに加
え、光熱費の上昇などを理由とした値上げもみられてきていると指摘
した。予想物価上昇率について、委員は、上昇しているとの見方で一
致した。
2.経済・物価情勢の展望
2023 年1月の「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)の作成に
あたり、委員は、経済情勢の先行きの中心的な見通しについて議論を
行った。委員は、見通し期間の中盤にかけては、資源高や海外経済減
速による下押し圧力を受けるものの、感染症や供給制約の影響が和ら
ぐもとで、緩和的な金融環境や政府の経済対策の効果にも支えられて、
わが国経済は回復していくとの見方で一致した。見通し期間の中盤以
降については、委員は、所得から支出への前向きの循環メカニズムが
経済全体で徐々に強まっていく中で、わが国経済は、潜在成長率を上
12
回る成長を続けるとの認識を共有した。ある委員は、企業では、価格
転嫁とともに賃上げにも前向きな姿勢がみられており、このことは、
企業業績の底上げを通じた経済と物価の前向きな好循環につながる
可能性があると述べた。
海外経済の先行きについて、委員は、見通し期間の中盤にかけて、
国・地域ごとにばらつきを伴いつつ減速したあと、持ち直していくと
の見方を共有した。ただし、一人の委員は、企業経営者の間で、海外
経済の先行きに対する警戒感が高まっている様子が窺われる点には
注意が必要であると述べた。
わが国の輸出や生産について、委員は、海外経済減速の影響を受け
つつも、供給制約の影響が和らぐもとで、自動車や資本財における高
水準の受注残に支えられて、増加基調を続けるとの見方で一致した。
また、委員は、サービス輸出であるインバウンド需要も、入国制限の
緩和等を受けて、増加していくとの見方を共有した。ある委員は、感
染症拡大前に入国者数の3割程度を占めていた中国人観光客につい
て、見通し期間の後半には回復していくとみていると述べた。
設備投資について、委員は、企業収益が全体として高水準を維持す
るもとで、緩和的な金融環境などを背景に、人手不足対応やデジタル
関連の投資、成長分野・脱炭素化関連の研究開発投資、サプライチェ
ーンの強靱化に向けた投資を含めて、増加を続けるとの見方で一致し
た。一人の委員は、世界経済の先行きを巡る不確実性が、設備投資の
実施を後ずれさせる可能性もあると述べた。
個人消費について、委員は、物価上昇に伴う実質所得面からの下押
し圧力を受けつつも、感染抑制と消費活動の両立が一段と進むもとで、
行動制限下で積み上がってきた貯蓄にも支えられたペントアップ需
要の顕在化を主因に、増加を続けるとの見方で一致した。また、委員
は、政府によるガソリン・電気・都市ガス代の負担緩和策や全国旅行
支援も、個人消費を下支えするとの認識を共有した。見通し期間の中
盤以降の個人消費について、委員は、ペントアップ需要の顕在化ペー
スを鈍化させつつも、着実な増加を続けるとの見方を共有した。一人
の委員は、ペントアップ需要が一巡してくるほか、物価高などの家計
の負担増が消費の回復ペースを抑制する可能性もあると指摘した。
雇用者所得について、委員は、正規雇用に加え、対面型サービス部
門の回復に伴って非正規雇用の増加も明確化していくほか、労働需給
の引き締まりや物価上昇を反映して賃金上昇率も高まることから、緩
やかな増加を続けるとの見方を共有した。ある委員は、人手不足の深
13
刻化から賃上げのモメンタムが高まっているとの認識を示したうえ
で、持続的な賃金上昇の実現には、仕事に応じた賃金カーブへの変革
が必要であり、今春の労使交渉では、給与・人事制度改革への取り組
みにも注目していると述べた。複数の委員は、海外経済の先行き不透
明感などが、今春の労使交渉にマイナスの影響を及ぼす可能性もある
と指摘した。
こうした議論を経て、委員は、中心的な成長率の見通しは、昨年 10
月の展望レポート時点と比べると、2022 年度と 2023 年度は、政府の
経済対策が押し上げ方向に寄与するものの、海外経済の下振れなどか
ら、幾分下振れ、2024 年度は、経済対策の効果の反動により幾分下振
れるとの見方で一致した。
続いて、委員は、物価情勢の先行きの中心的な見通しについて議論
を行った。委員は、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、目先、
輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁の影響から高めの伸びとなっ
たあと、そうした影響の減衰に加え、政府の経済対策によるエネルギ
ー価格の押し下げ効果もあって、来年度半ばにかけて、プラス幅を縮
小していくとの見方で一致した。その後について、委員は、マクロ的
な需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率も
高まっていくもとで、経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果
の反動もあって、再びプラス幅を緩やかに拡大していくとの見方を共
有した。ある委員は、2%の「物価安定の目標」を達成するためには、
名目賃金の上昇を受けてサービス価格を中心とする基調的物価が十
分に上昇することが必要であると述べた。大方の委員は、年度ベース
でみると、来年度以降の消費者物価の前年比は2%を下回る可能性が
高いとの見方を示した。ある委員は、国内経済が底堅く推移するもと
で、既往の原材料価格上昇がタイムラグを伴って転嫁されるため、消
費者物価への上昇圧力はなお残ると述べた。別のある委員は、短観の
1年後の販売価格の見通しが物価全般の見通しを上回っていること
は、企業の価格設定行動の積極化を示していると指摘した。そのうえ
で、この委員は、企業の価格転嫁の動きは現在進行形であり、物価上
昇のモメンタムが続いていることなどを踏まえると、比較的高めの物
価上昇率が続く公算が大きいとの見方を示した。これに対し、一人の
委員は、国際商品市況や為替市場の動向等を勘案すると、価格転嫁の
動きは本年後半にはピークアウトしていくと見込まれると述べた。別
の一人の委員は、輸入物価の前年比のプラス幅は明確に縮小しており、
物価上昇の起点であるコスト・プッシュ圧力は減衰し始めていると述
べたうえで、今後、政府の電気・都市ガス代の負担緩和策の効果が加
14
わることも踏まえると、消費者物価の前年比のプラス幅は、はっきり
と縮小していく見込みであると指摘した。
こうしたエネルギー価格の変動の直接的な影響を受けない消費者
物価(除く生鮮食品・エネルギー)の前年比について、多くの委員は、
2022 年度に2%程度となったあと、2023 年度は1%台後半、2024 年
度は1%台半ばとなるとの見方を示した。
以上のような物価見通しの背景にある要因について、委員は、労働
や設備の稼働状況を表すマクロ的な需給ギャップは、現在、ごく小幅
のマイナスとなっているが、先行きは、わが国経済が潜在成長率を上
回る成長経路を辿るもとで、2022 年度後半頃にはプラスに転じ、その
後もプラス幅の緩やかな拡大が続くとの見方を共有した。また、委員
は、中長期的な予想物価上昇率は、短期と比べるとペースは緩やかな
がら上昇しているとの認識で一致した。そのうえで、委員は、適合的
予想形成の強いわが国では、現実の物価上昇率の高まりは、家計や企
業の中長期的な予想物価上昇率の上昇をもたらし、企業の価格・賃金
設定行動や労使間の賃金交渉の変化を通じて、賃金の上昇を伴うかた
ちで、物価の持続的な上昇につながっていくとの見方を共有した。あ
る委員は、価格転嫁の進捗は、新製品開発効果による企業収益の改善
や、賃上げと投資の積極化にもつながっており、それが従業員のエン
ゲージメントの向上やイノベーション創出を通じて、さらなる収益改
善・賃上げをもたらす、というかたちで好循環が回り始めつつあるた
め、そうした構造変化の把握が重要になっていると述べた。
こうした議論を経て、委員は、中心的な物価の見通しは、昨年 10 月
の展望レポート時点と比べると、2022 年度と 2023 年度は、経済対策
がエネルギー価格を押し下げる一方、輸入物価の上昇を起点とする価
格転嫁の影響などもあって、概ね不変、2024 年度は、経済対策による
押し下げの反動から幾分上振れているとの見方で一致した。
この間、委員は、経済・物価見通しの前提となっている金融環境に
ついても議論を行った。委員は、先行きも、日本銀行が「長短金利操
作付き量的・質的金融緩和」を推進するもとで、金融環境は緩和的な
状態が続き、民間需要の増加を後押ししていくとの認識を共有した。
次に、委員は、経済・物価の見通しのリスク要因(上振れ・下振れ
の可能性)について議論を行った。
まず、経済のリスク要因として、委員は、海外の経済・物価情勢と
国際金融資本市場の動向について留意が必要であるとの見方で一致
した。ある委員は、海外経済の動向等についての不確実性が高いもと
15
で、わが国経済の持ち直しのペースは鈍化する可能性があると述べた。
委員は、米国などの物価上昇率はひと頃に比べれば低下しているもの
の、依然として世界的にインフレ圧力が続くもとで、各国中央銀行は
利上げを継続しており、国際金融資本市場では、インフレの抑制と経
済成長の維持が両立できるかが懸念されているとの認識を共有した。
この点に関し、何人かの委員は、米国の労働市場が依然タイトなこと
や、消費者物価のコア指数が高止まりしている点を指摘し、高インフ
レが長引くリスクや、その後の経済が大きく減速するリスクがあると
述べた。このうち一人の委員は、金融引き締めの効果はラグを伴うた
め、これまでの利上げの累積的な影響に注意する必要があると付け加
えた。委員は、利上げがなお続くもと、資産価格の調整や為替市場の
変動、新興国からの資本流出を通じて、グローバルな金融環境が一段
とタイト化し、ひいては海外経済が下振れるリスクがあるとの見方を
共有した。こうしたもとで、委員は、金融・為替市場の動向やそのわ
が国経済・物価への影響を、十分注視する必要があるとの認識で一致
した。
また、委員は、ウクライナ情勢の展開やそのもとでの資源・穀物価
格の動向にも注意が必要であるとの認識で一致した。すなわち、委員
は、ウクライナ情勢の帰趨次第では、ユーロ圏を中心に海外経済が一
段と下押しされる可能性があるほか、資源・穀物価格は、昨年半ば頃
をピークに総じて下落しているが、ウクライナ情勢の展開等によって
は、再び上昇するリスクがあるとの見方を共有した。一人の委員は、
中国で生産活動が本格的に回復する場合には、資源価格に上昇圧力が
加わる可能性があると指摘した。委員は、供給要因による資源・穀物
価格の上昇は、資源・穀物の輸入国であるわが国にとって、輸入コス
トの増加を通じた経済への下押しの影響が大きく、資源・穀物価格の
上昇による交易条件の悪化に伴う企業や家計の支出行動の慎重化を
通じて、設備投資や個人消費が下振れるリスクがあるとの認識を共有
した。他方で、委員は、資源・穀物価格が下落基調を強めれば、経済
が上振れる可能性もあるとの見方で一致した。
さらに、委員は、内外における感染症が個人消費や企業の輸出・生
産活動に及ぼす影響にも注意が必要であるとの見方で一致した。委員
は、わが国では、昨年秋以降、感染が再び拡大しているものの、これ
までのところ、サービス消費を中心としたペントアップ需要に支えら
れるかたちで、個人消費は緩やかに増加しており、感染抑制と消費活
動の両立は着実に進展しているものの、今後の感染症の動向次第では、
ペントアップ需要による押し上げ圧力が想定よりも弱まるリスクが
16
あるとの認識を共有した。他方で、委員は、感染症への警戒感が大き
く後退すれば、行動制限下で積み上がってきた貯蓄の取り崩しが想定
以上に進み、個人消費が上振れる可能性もあるとの見方を共有した。
また、委員は、一部でなお供給制約が残るもとで、内外で感染症が再
拡大した場合、サプライチェーン障害などを通じて、供給制約が再び
強まり、わが国の輸出・生産が下振れるとともに、財消費や設備投資
にも悪影響が波及するリスクがあるとの認識を共有した。
また、やや長い目でみたリスク要因として、委員は、企業や家計の
中長期的な成長期待についても留意が必要であるとの見方で一致し
た。委員は、ポストコロナやデジタル化、脱炭素化に向けた動きは、
わが国の経済構造や人々の働き方を変化させるとみられるほか、地政
学的リスクの高まりを背景に、これまで世界経済の成長を支えてきた
グローバル化の潮流に変化が生じる可能性があり、そうした変化への
企業や家計の対応次第では、中長期的な成長期待や潜在成長率、マク
ロ的な需給ギャップなどに上下双方向に影響が及ぶリスクがあると
の見方を共有した。一人の委員は、企業の持続的成長には、エネルギ
ー価格上昇に対する耐性の強化も必要であり、そうした取り組みの具
体化にも注目していると述べた。
次に、物価のリスク要因について、委員は、上記の経済のリスク要
因が顕在化した場合には、物価にも影響が及ぶとの見方を共有した。
そのうえで、委員は、物価固有のリスク要因についても議論を行った。
まず、委員は、企業の価格・賃金設定行動を巡っては上下双方向に
不確実性が高いとの見方で一致した。すなわち、委員は、原材料コス
トの上昇圧力や企業の予想物価上昇率の動向次第では、価格転嫁が想
定以上に加速し、物価が上振れるリスクや、労使間の賃金交渉を通じ
て、賃金に物価動向を反映させる動きが広がっていくことで、賃金と
物価が想定以上に上昇するリスクがあるとの認識で一致した。一方で、
委員は、わが国では、物価や賃金が上がりにくいことを前提とした慣
行や考え方が根強く残るもとで、賃上げの動きが想定ほどは強まらず、
物価も下振れるリスクもあるとの見方についても共有した。一人の委
員は、昨年来の海外発の大幅な価格ショックが、物価に対するノルム
を変化させるとともに、その影響が先行き数年にわたって残存する可
能性もあると述べた。一方、別の一人の委員は、足もとノルムが変化
しているようにもみえるが、これが大幅な輸入物価上昇の一巡後も持
続するかは不確実性が高いと指摘した。
もう一つの物価固有のリスク要因として、委員は、今後の為替相場
の変動や国際商品市況の動向、およびその輸入物価や国内価格への波
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及は、上振れ・下振れ双方に作用し得るとの認識で一致した。委員は、
ウクライナ情勢の展開等を巡る不確実性の高さを反映して、国際商品
市況の変動が大きくなっているほか、世界的なインフレ率の高止まり
や為替市場における急激な変動がみられており、これらがわが国の物
価に及ぼす影響については十分注意してみていく必要があるとの見
方を共有した。この間、一人の委員は、企業による地政学的リスクを
考慮したサプライチェーン再構築の動きも物価の上昇圧力となり得
るとの見方を示した。
リスクバランスについて、委員は、経済の見通しについては、2022
年度と 2023 年度は下振れリスクの方が大きいが、2024 年度は概ね上
下にバランスしているとの見方で一致した。また、物価の見通しにつ
いては、上振れリスクの方が大きいとの見方で一致した。
委員は、金融政策運営の観点から重視すべきリスクとして、わが国
の金融システムの動向についても議論を行った。委員は、金融システ
ムは、全体として安定性を維持しているとの見解で一致した。先行き
について、委員は、グローバルな金融環境のタイト化の影響などには
注意が必要であるが、内外の実体経済や国際金融資本市場が調整する
状況を想定しても、金融機関が充実した資本基盤を備えていることな
どを踏まえると、全体として相応の頑健性を有しているとの見方を共
有した。ある委員は、国際金融資本市場において、例えば、ノンバン
クセクターの高レバレッジが巻き戻されるリスクなどには警戒が必
要であると述べた。委員は、より長めの視点では、金融機関収益の下
押しが長期化した場合、金融仲介が停滞方向に向かうリスクと、利回
り追求行動などに起因して金融システム面の脆弱性が高まるリスク
の両面あるが、現時点では、これらのリスクは大きくないとの認識を
共有した。
Ⅵ.金融政策運営に関する委員会の検討の概要
以上のような金融経済情勢に関する認識を踏まえ、委員は、金融政
策運営に関する議論を行った。
先行きの金融政策運営の基本的な考え方について、委員は、経済・
物価情勢を踏まえると、イールドカーブ・コントロールの運用も含め、
現行の金融緩和を継続することにより、賃金の上昇を伴うかたちで
「物価安定の目標」を持続的・安定的に達成することが重要であると
の見解で一致した。ある委員は、現時点では、「物価安定の目標」の実
現にはなお距離があると述べたうえで、現在の金融緩和を継続するこ
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とにより、経済をしっかりと支え、企業が賃上げしやすい環境を実現
することが重要であるとの見解を示した。別のある委員は、持続的な
賃金上昇が見込めるまで、企業の変革努力を後押しするため、債券市
場の機能度にも留意しつつ、イールドカーブ全体を抑制することが必
要であると付け加えた。この間、一人の委員は、いずれかのタイミン
グでは検証を行い、効果と副作用のバランスを判断することが必要で
あるが、現時点では、金融緩和の継続が適当であるとの認識を示した。
また、別の一人の委員は、先行きは多様な選択肢を念頭に置きながら
政策運営を行うことが適当であるが、現在は海外経済が減速に向かう
局面にあり、出口を急ぐことは適当でないとの考えを示した。そのう
えで、この委員は、低金利の長期継続を前提とした資金運用・調達が
続いてきただけに、将来の出口局面では、金利上昇に伴うリスクの所
在や市場参加者の備えの確認が必要になると考えられるとの見方を
示した。
長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)について、委員は、
金融市場調節上の様々な工夫により、金融市場調節方針に沿って、長
期金利はゼロ%程度で推移しているとの認識を共有した。ただし、多
くの委員は、イールドカーブの歪みは、現時点では必ずしも解消され
ていないと指摘した。このうち一人の委員は、市場が落ち着き、市場
機能が回復するにはやや時間がかかる可能性があるとの見方を示し
た。こうした点について、何人かの委員は、国債買入れの増額や共通
担保資金供給オペの拡充等により、イールドカーブ全体にわたって金
利上昇を抑制することが適当であるとの意見を述べた。一人の委員は、
共通担保資金供給オペの拡充は、現在の大規模な国債買入れとともに、
安定的なイールドカーブの形成に役立つ仕組みであるとの認識を示
した。複数の委員は、拡充した共通担保資金供給オペも活用しながら、
機動的な市場調節運営を続けることで、市場機能が改善していくこと
を期待していると述べた。ある委員は、市場機能の改善にも配意しつ
つ、適切なオペ運営に努めるとともに、イールドカーブの形状、流動
性など市場機能の状況、社債市場の状況などを謙虚かつ丁寧にフォロ
ーしていくことが重要であると述べた。多くの委員は、イールドカー
ブ・コントロールの運用見直しが市場機能に及ぼす影響については、
いましばらく時間をかけて見極める必要があるとの認識を共有した。
一人の委員は、市場ではイールドカーブ・コントロールの運用のさら
なる見直しを予想する向きもあるが、時間を置かずに再び運用を見直
すと、かえって先行きの政策運営に関する不透明感を高める可能性が
あると述べた。別の一人の委員は、市場機能の動向を見極めたうえで、
必要になれば、イールドカーブ・コントロールの運用について改めて
19
議論すればよいのではないかと付け加えた。
委員は、金融政策運営に関する対外的な情報発信についても議論を
行った。何人かの委員は、エネルギー価格抑制策などの特殊要因が働
くため、当面、表面上の物価指数の動きが大きくなりやすいと指摘し
たうえで、物価指数の動きだけではなく、物価の基調を形成するメカ
ニズムやその持続性を分析・評価するとともに、対外的に分かりやす
く説明していくことが重要であると述べた。ある委員は、金融緩和の
継続が必要であること、日本銀行の金融緩和姿勢は変わらないこと、
また、賃金の上昇はこれからなので、2%の「物価安定の目標」の持
続的・安定的な達成には時間がかかることを丁寧に説明していくべき
であると付け加えた。また、何人かの委員は、前回会合におけるイー
ルドカーブ・コントロールの運用見直しについて、これまでの情報発
信と整合的ではないのではないか、実質的な利上げではないかといっ
た指摘が聞かれるなど、なお見直しの意図が十分浸透していないので
はないかと述べた。この点に関し、何人かの委員は、前回会合で決定
した運用見直しは、あくまでも金融市場の機能改善を通じて金融緩和
をより持続可能とするための措置であり、経済・物価情勢を踏まえる
と、現行のイールドカーブ・コントロールを継続していく必要がある
ことを改めて丁寧に説明していくべきであるとの認識を示した。ある
委員は、変動幅拡大の結果として長期金利が上昇すれば、その限りで
金融緩和の効果が低下する側面があるのは事実であるが、昨年を通じ
て、インフレ予想が上昇し、実質金利が低下しているため、金融緩和
の効果は大きくなっており、変動幅拡大に伴うマイナスの効果は以前
より軽減されていると述べた。そのうえで、この委員は、このように
金融緩和の効果と副作用を比較衡量して政策を判断している点につ
いても、引き続き丁寧に説明していく必要があると付け加えた。別の
ある委員は、前回会合では長期金利の変動幅の拡大と併せて国債買入
れの増額を決定して金融緩和姿勢を維持したことについても、引き続
き情報発信していくべきであると述べた。
以上の議論を踏まえ、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方
針について、委員は、以下の方針を維持することが適当であるとの見
解で一致した。
「①次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとお
りとする。
短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲ 0.1%のマイ
ナス金利を適用する。
20
長期金利:10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を
設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。
②①に関し、長短金利操作の運用として、長期金利の変動幅を「±
0.5%程度」とし、10 年物国債金利について金額を無制限とする
0.5%の利回りでの固定利回り方式の国債買入れ(指値オペ)を、
明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施する。
また、①の金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を
促すため、大規模な国債買入れを継続するとともに、各年限にお
いて、機動的に、買入れ額の増額や指値オペを実施する。」
長期国債以外の資産の買入れについて、委員は、①ETFおよびJ
-REITについて、それぞれ年間約 12 兆円、年間約 1,800 億円に
相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れを行うこと、
②CP等、社債等については、感染症拡大前と同程度のペースで買入
れを行い、買入れ残高を感染症拡大前の水準(CP等:約2兆円、社
債等:約3兆円)へと徐々に戻していくこと、ただし、社債等の買入
れ残高の調整は、社債の発行環境に十分配慮して進めること、が適当
であるとの認識を共有した。
先行きの金融政策運営方針について、委員は、2%の「物価安定の
目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点ま
で、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する、マネタリー
ベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率
の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する、との考
え方を共有した。
当面の政策運営スタンスについて、委員は、感染症の影響を注視し、
企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとともに、必要
があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じることで一致した。
そのうえで、委員は、政策金利については、現在の長短金利の水準、
または、それを下回る水準で推移することを想定しているとの方針を
共有した。
Ⅶ.政府からの出席者の発言
財務省の出席者から、以下の趣旨の発言があった。
 令和5年度予算について、通常国会への提出に向けて作業を進め
ているが、防衛力の抜本強化やこども政策、GXの推進など、わが
国が直面する内外の重要課題の解決に道筋をつけ、未来を切り開く
ための予算としている。
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 経済・財政運営に万全を期すべく、本予算の一日も早い成立に向
けて取り組む。
 日本銀行には、政府との連携の下、経済・物価・金融情勢を踏ま
え、「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現に向けて、適切に
金融政策運営が行われることを期待する。
また、内閣府の出席者から、以下の趣旨の発言があった。
 わが国の景気は、緩やかに持ち直している。ただし、世界的な金
融引き締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押し
するリスクとなっている。また、物価上昇、供給面の制約、金融資
本市場の変動等の影響や中国における感染動向に十分注意する必
要がある。
 政府としては、景気の下振れリスクにも十分対応し、日本経済を
民需主導の持続可能な成長経路に乗せていくため、総合経済対策お
よび令和4年度第2次補正予算を迅速かつ着実に実行する。
 日本銀行には、引き続き、政府と緊密に連携し、経済・物価・金
融情勢を十分踏まえ、「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現
に向けて、適切な金融政策運営を期待する。
Ⅷ.採決
1.金融市場調節方針
以上の議論を踏まえ、議長から、委員の意見を取りまとめるかたち
で、金融市場調節方針について、以下の議案が提出され、採決に付さ
れた。
採決の結果、全員一致で決定された。
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金融市場調節方針に関する議案(議長案)
1.次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとおり
とすること。

(1)日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス
金利を適用する。
(2)10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設け
ず必要な金額の長期国債の買入れを行う。
2.1.に関し、長短金利操作の運用として、長期金利の変動幅を「±
0.5%程度」とし、10 年物国債金利について金額を無制限とする
0.5%の利回りでの固定利回り方式の国債買入れ(指値オペ)を、
明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施するこ
と。また、1.の金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形
成を促すため、大規模な国債買入れを継続するとともに、各年限に
おいて、機動的に、買入れ額の増額や指値オペを実施すること。
採決の結果
賛成:黒田委員、雨宮委員、若田部委員、安達委員、中村委員、
野口委員、中川委員、高田委員、田村委員
反対:なし
2.資産買入れ方針
議長から、委員の見解を取りまとめるかたちで、資産買入れ方針に
ついて、以下の議案が提出され、採決に付された。
採決の結果、全員一致で決定された。
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資産買入れ方針に関する議案(議長案)
長期国債以外の資産の買入れについて、下記のとおりとすること。

1.ETFおよびJ-REITについて、それぞれ年間約 12 兆
円、年間約 1,800 億円に相当する残高増加ペースを上限に、必
要に応じて、買入れを行う。
2.CP等、社債等については、感染症拡大前と同程度のペース
で買入れを行い、買入れ残高を感染症拡大前の水準(CP等:
約2兆円、社債等:約3兆円)へと徐々に戻していく。ただし、
社債等の買入れ残高の調整は、社債の発行環境に十分配慮して
進めることとする。
採決の結果
賛成:黒田委員、雨宮委員、若田部委員、安達委員、中村委員、
野口委員、中川委員、高田委員、田村委員
反対:なし
3.対外公表文(「当面の金融政策運営について」)
以上の議論を踏まえ、対外公表文が検討された。議長から、対外公
表文(「当面の金融政策運営について」<別紙>)が提案され、採決に
付された。採決の結果、全員一致で決定され、会合終了後、直ちに公
表することとされた。
Ⅸ.「経済・物価情勢の展望」の検討
続いて、「経済・物価情勢の展望」の「基本的見解」の文案が検討さ
れ、議長から、委員の見解を取りまとめるかたちで、議案が提出され
た。採決の結果、全員一致で決定され、会合終了後、直ちに公表する
こととされた。また、背景説明を含む全文は、1月 19 日に公表する
こととされた。
Ⅹ.議事要旨の承認
議事要旨(2022 年 12 月 19、20 日開催分)が全員一致で承認され、
1月 23 日に公表することとされた。
以 上
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2023年1月18日
日 本 銀 行
当面の金融政策運営について
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下のとおり決定
した。
(1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(全員一致)
①次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。
短期金利:日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利
を適用する。
長期金利:10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要
な金額の長期国債の買入れを行う。
②長短金利操作の運用
長期金利の変動幅を「±0.5%程度」とし、10 年物国債金利について 0.5%
の利回りでの指値オペを、明らかに応札が見込まれない場合を除き、毎営業
日、実施する。上記の金融市場調節方針と整合的なイールドカーブの形成を
促すため、大規模な国債買入れを継続するとともに、各年限において、機動
的に、買入れ額の増額や指値オペを実施する。
(2)資産買入れ方針(全員一致)
長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。
①ETFおよびJ-REITについて、それぞれ年間約12兆円、年間約
1,800億円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じて、買入れ
を行う。
②CP等、社債等については、感染症拡大前と同程度のペースで買入れを行い、
買入れ残高を感染症拡大前の水準(CP等:約2兆円、社債等:約3兆円)
へと徐々に戻していく。ただし、社債等の買入れ残高の調整は、社債の発行
環境に十分配慮して進めることとする。
2.日本銀行は、①「貸出増加を支援するための資金供給」の貸付実行期限を1年間
延長すること、②「気候変動対応オペ」の対象先を拡大し、新たに、系統会員金融
別 紙
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機関を含めること、③「共通担保資金供給オペ」を拡充すること、を決定した(い
ずれも全員一致)。
3.日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続
するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。
マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の
実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。
当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、企業等の資金繰り支援と金融
市場の安定維持に努めるとともに、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置
を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水
準で推移することを想定している。
以 上

日銀金融政策決定会合議事要旨(2023年1月17、18日開催分)2023/03/15(水)08:50解禁

posted at 09:06:59

◆日経225先物ミニ6月限、さすがに27000円は維持するだろう。えっ? いやわからなんな。09:19現在。 #日経225先物 #日経平均 pic.twitter.com/mAJWsoiiZn

posted at 09:19:23

◆RT @LIGHT_FX_inc: 【🇯🇵東京株式市場クローズ】
🟢日経平均:27,229.48 (+0.03%) 🟢TOPIX:1,960.12 (+0.65%)
🟢マザーズ:742.40 (+0.55%) 🔴東証REIT:1,803.94 (-1.04%)

posted at 17:24:04

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