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梨を買うために2時間待つ人々 〜知る人ぞ知る「彦根梨」の魅力とは?〜
1. いざ出陣
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時刻は朝7:00。
今朝は6:00に起きて、YouTubeをだらだら見ながら納豆ごはんを食べました。
今日、私は梨を買います。
梨を買うために6:00に起きました。
梨を買うために7:00に家を出ます。
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目的地は「彦根総合地方卸売市場」です。
え?「梨ならそのへんのスーパーで買えるじゃん!」って?
買えません。
私の求める梨はそのへんのスーパーじゃ買えません。
口を慎みなさい。
自転車をしゃこしゃこ漕ぐこと45分。
初めて行く場所だったので、Google Mapを便りに「この辺りかな?」と彷徨っていると…
アレ…?なんか車がみんな同じ方向に曲がって行くんだけど…?
感じますね、戦の気配を。
みんなが向かう方向について行きましょう。
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着きました。彦根総合地方卸売市場。
今日、私はここに「彦根梨」を買いに来ました。
到着時刻は7:50。
いくらなんでも早すぎたかな…てへへ…と思っていると、
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もう20人ぐらい並んどる〜〜〜!!
そう、これが知る人ぞ知る彦根のブランド梨「彦根梨」の争奪戦なのです。
梨を食うために朝から人が列を成すのです。
7:50に私も列について、8:00に後ろを振り返ると新たに10人以上連なっているではありませんか。
ちなみに販売開始時刻は10:00です。
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恐るべし彦根梨。
どいつもこいつも梨食うためにこの地にいます。
隣の客はよく梨食う客です。
2. 彦根梨とは?
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8:15ごろ、整理券をもらいました。
10:00からの販売に合わせて、9:30ごろにまた戻って来てください、とのことです。
ついに…ついに私の手にも彦根梨が…!
実は2年ほど前からずっと狙っていたのですが、まだ一度も買えたことがありませんでした。
事前に販売予定時刻を調べて時間通りに直売所へ行ってみるのですが…既に無いんですよね!
何故か販売予定時刻には売り切れてしまう、これが彦根梨マジックです。
この2年で私は学びました。
生半可な気持ちでは彦根梨を手にすることができない、と。
彦根で暮らすのは今年が最後…。
今年こそは何としても彦根梨を食べるぞ!という強い気持ちで、早朝から卸売市場へ向かった甲斐がありました。やっと念願叶ったり…!
そもそも、彦根梨の説明をまだしていませんでしたね。
彦根城やひこにゃんを中心に街おこしが行われている彦根市ですが、その一角で育てられる「彦根梨」は、地元民しか知らないマイナーな特産品であると言えるでしょう。
それもそのはずで、少ない供給量に対して需要が凄まじく、他県へ流通する前に彦根市民が全て食べてしまうからです。
彦根市内のスーパーでも見かけることはなく、手に入れるためには直売所や卸売市場へ行く必要があります。
その人気の秘密は、やはり味にあるようです。
完熟の状態で栽培・出荷を行うため、日持ちは購入してからせいぜい3日ほど。
その分糖度が一般的な梨と比べると高く、一度その甘味を味わうと市販の梨には戻れないとか何とか…。
むー、気になる!
彦根で暮らしている以上、逃す手はありません。
高鳴る期待を胸に、販売時刻を待ちましょう。
3. 集まる梨狂いたちと高まるボルテージ
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9:00頃から明らかに車の往来が増え、駐車場も埋まってきました。
先ほど私が並んでいた場所には、整理券を手にすることができなかった人たちが並んでいます。
日差しが出てきましたが皆さん日傘や飲み物などの暑さ対策もバッチリなようで、中には折りたたみ椅子を持ってきて座り込む方もいました。
この日は1人1袋までという購入制限がかかっていたこともあり、夏休み中の子どもたちも頭数を揃えるために駆り出されています。
あちらの長男もこちらの次男も、早くお家に帰りたそうな顔をしていました。整理券を持っている私は日陰でSwitchを遊びながら待ちます。ごめんね。
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9:30には整理券を持つ人たちが戻り、今か今かと販売開始を待ちます。
整理券は早い順にA〜Kまで11種類あり、各アルファベットにつき20枚ほどあるようでした。合計すると約220枚配られた計算になりますね。
整理券を持っていない人は、パッと見で目算すると150人はいたように思います。駐車場のふちをぐるっと大回りして、まさに長蛇の列でした。
全体的には年配の方が多かったように感じました。
待機する間に耳をすますと、「おお〜👋今日は早いね〜!」「昨日よりはマシだね」という声も聞こえてきます。彦根梨コミュニティが形成されとる…。
もしかしたら夏休みのラジオ体操的な、習慣付いている方もいるかもしれませんね。
さて、時刻は9:45。
スタッフの方からアナウンスが入ります。
「駐車場が満車になりそうなので、予定より早いですが販売いたします〜!」
「天候に恵まれず、収穫量が少なくなってしまったため1人1袋でお願いします〜ごめんなさい〜」
そんな謝らなくていいんですよ。
むしろこんな梨狂いたちのために、朝早くからありがとうございます。
そしてついに…
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やっったあああああああ彦根梨GETだあああああああああ。
時刻は9:50。
私が並び始めた時間から、ちょうど2時間が経過していました。
大事にリュックサックにしまい、帰ることにしましょう。
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4. 実食!!
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今回私が購入したのは「幸水」という品種で、立派な大玉(優品)が4つで1000円でした。
時期によって異なる品種が出回るため、食べ比べをしても面白いかもしれませんね。
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それでは満を持して、いただきましょう!
…パクッと。
ほぉーーーーー。なるほどなるほど。
前提として、これは梨です。梨の味がします。
りんごの味がする!とか、まるでぶどうみたいだ!とか、そういう驚きはないです。
梨という枠組の期待を越えることはありません。
ですが、明らかに市販の梨とは違いますね。
何と言ってもこの甘味です!
一般的な梨と比べて酸味?のようなものが少なく、ストレートに「これぞ梨の味だ〜〜!!」という甘さを楽しめました。
この辺りの味わいは、きっと品種に寄って異なるでしょう。
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こういうスティック状の切り方も以前話題になりましたよね。
皮を剥かなくていいので、くし切りよりも楽ちんです。実は、梨って皮ごと食べても大丈夫らしいっすね。
それではこちらもパクり。
細いけど、彦根梨ならこれでも十分甘い〜!
個人的にはくし切りよりこちらの食べ方のほうが好きかもしれません。
でも、やめられない止まらないというか…あればあるだけ食べてしまいそうで危険です。
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市内のスーパーにはこういうものも売っています。「彦根梨のサイダー」
梨そのものはなかなか手に入りませんが、こちらは年中安定して流通しています。
せっかくなのでこれもいただきましょう。
思ったより甘〜〜!
彦根梨の特徴である強い甘味を表現しているのでしょう。がっつり梨と砂糖の味がします。
滋賀県の地元スーパーである平和堂の限定商品です。
見かけた際は飲んでみてはいかがでしょうか?
5. 振り返って
いやー、ずっと気になっていたので、無事に食べられてよかったです。
みんなの言う通り、確かに市販の一般的な梨とは違いました。梨の甘味が濃くて美味しかった…!
ただ、何というか、あそこまで熱狂するほどか…?みたいな想いは正直ありまして…。
まあ…梨っすからね。どこまで行っても梨なんです。
梨以上でも梨以下でもありません。いや、美味しいんですよ!もちろん。
梨騒動とも呼ぶべき彦根民の狂乱具合には「はにゃ?」という感じですが、ある種の季節のイベントみたいな感じで楽しかったです。
希少品は購買意欲をかき立てられますね。
地域の特産品として、もう少し気軽に手に入るようになれば嬉しいですが、なかなか難しそうですね〜。
彦根梨の販売情報を発信するTwitterアカウントもあります。
おはようございます☁️
— JA東びわこ(彦根梨販売) (@JAhigashibiwako) August 21, 2022
彦根梨販売が始まってから
晴れの天気が続いていてとってもうれしいです!
ご来場のお客様は熱中症対策して下さいね!
8月22日(月)の販売数量は
彦根梨 幸水優品790袋です。
本日もお一人様一袋でお願いします。
梨騒動に参加される際は、こういった情報も事前に調べると良いと思います。
皆さんも機会があればぜひ一度、彦根梨を食べてみてくださいね〜👋