TRAIN TV感想(2024年6月)
電車の液晶広告みてたら、若い女性タレント3人が「やってよかったアルバイト」について語るも「コンビニ」「ホールスタッフ」を経験した2人が「接客の大切さが~」ととても累計的な答えをしている。なんだ通勤電車の中でまで、新卒面接せにゃならんのか。
チョコプラが「パントマイム占い」なるものを披露している。しかし、何を選べどもその結果が意味不明というのがネタのオチになるのだが、いかんせん文章が長いうえにどの答えも代わり映えせず、音声がない+ツッコミ不在の液晶画面でテレビと同じアプローチすることには限界を感じてしまうな。
「ヒカキンの挑戦」はミスターマリックがカードジャッフルする中からクイーンを当てるというものだ。当然、ミスターマリックは手品でクイーンの位置を変える、とてもアンフェアなルールである。
考えてみれば人生において「お前の選択をせよ」と迫られる場面は数多くある、しかし、大抵の場合、選択を迫る者はわれわれよりも立場が上の人間であり、かなり恣意的な選択を強いられることがほとんどである。強いられた選択により「お前が選んだのだから」とその責任を負わされる。
ヒカキンはカード当てクイズを通して、そんな社会に挑戦せよとわれわれを鼓舞しているのかもしれませんね。
電車内の液晶ではかんたんレシピとかやっているのだけど、調味料の分量すら教えてくれないので「ぼくはこういうのささっと作れちゃいますよ。あなたは?あ、そんな時間ないかー」というマウントなのだと思う。
今週のTRAIN TVはヒカキンの身体測定をしていて「ヒカキンの握力はいくつでしょうか?」などとわれわれに問いかけている。わたしはヒカキンの握力よりも、こんな電車内広告を流そうと決めた権力の方が気になる。
わたしは天命を全しているので、毎週順調にヒカキンのことを嫌いになっている。
数ヶ月前までは電車の液晶画面にはNewspicsが新自由主義社会の中でいかに自分が価値のある人間でいるべきか、また、価値のある人間となり(他人を蹴落としてでも)生き残るべきかを力説していた。
それが今では液晶画面にはTRAIN TVなる「お笑い」が提供されている。もはや、お前たちには新自由主義社会の中で価値のある人間にはなれないのだと言わんばかりである。ちらほらと、画面を見上げる者もあるが、誰もくすりともしない。
この満員電車には、一山いくらの労働者たちがすし詰めとなり、皆一様に葬列のごとく顔を伏せ、焼香のほのかな光のごときスマホに向かっている。電車の行き先がどこなのか、いずれにしてもわれわれに待ち受ける末路にはもはや笑いなど存在しないのだから。
TRAIN TVの科学番組、「カビが生えてこまる」という質問に対して「役立つカビもあるんです」と言って発酵食品とか紹介しているんだけど、相互コミュニケーションの限界を感じざるを得ないな。
今週のTRAIN TVはヒカキンのモーニングルーティン映像から間違いを5つ探すというもの。わたしはTRAIN TVなる放送の構成事態、5つどころじゃない間違いを犯していると思うのだけど、企画担当者はしっかり間違い探しをしてほしい。
そういえば、不評だったのかプレステのグラフィックっぽい不気味の谷の底の女の子のランキングコーナーはいつの間にか消えたと。こうやって間違いを正していくと結局は以前の通りの電車内広告に戻ってしまいそうだ。
TRAIN TV観てたら、タバコのポイ捨てを減らすアイデアとしてタバコのゴミ箱にアンケートを書きどちらに捨てたかで投票数を見えるようにしたというものが紹介されていた。タバコの吸い殻を捨てるという行為に遊び心を加えたと言うのだが、なんかずいぶん幼児的な扱いをしてあげないと喫煙者はポイ捨てを辞めないだなと思ってしまった。その点、大麻愛好家は何も言われなくても片づけて自分が大麻を吸っていた形跡すら残さない。ダメ絶対!!
注釈:「見る」ではなく「観る」という漢字を当てているところにTRAIN TVに対しての本気度が現れている。
今週のTRAIN TV、黙大喜利のコーナーのお題がすでに過去のものと重複しているところに企画力のなさを感じる。しかも、答えがTRAIN TV始まって以来、過去イチのつまらなさなのでみんな見て!わたしだけがこんな気持ちになるのは不公平なのでみんな見て!
注釈:この時のお題と答えがなんだったのか、今となってはわからなくなってしまったのが悔やまれる。
今週のTRAIN TVのヒカキンのコーナーは痛がるリアクションのうち、本当に足つぼマッサージを受けているのはどれかを当てるというもので、ヒカキンは痛くもないのに、痛いふりをしていた。しかし、われわれの人生はどうか?われわれは誰しも心の傷や涙をその胸の奥の奥に隠し、あたかも何でもないようなふりをして生きている。生きているし、この社会も何でもないようなふりをするのが大人であると要請してくるのだ。
ヒカキンはそんなわれわれに「痛かったら痛がっていい。痛くなくても痛がっていい」と寄り添ってくれる存在なのかもしれませんね。
TRAIN TVなんのかんの言っても「お父さん、お母さんありがとう」みたいなコーナーが一番嫌いかもしれない。なんかああもわざとらしくやられるとぞわぞわしてしまう。
注釈:投稿者の家庭環境は推して知るべしである。
*投稿内容は初回投稿時から一部、加筆修正しております。