母が認知症になり可愛くなりました
認知症が進んだ母と実家で同居をはじめて3週間。3秒前を忘れる母との会話に意外なことに自分があまりイライラしないのです。自分がどう変化するかも含めて、認知症母との日々を現在進行形の経験や発見をnoteで書いていこうと思います。
母のこと
2年前に父(享年77)が逝き、母(78)がアルツハイマー病と診断されました。しばらく母は東北の叔母宅(母の実妹)で世話になっていましたが、11月初旬に迎えに行きました。久しぶりに会った母はひとまわり小さく、歩幅が狭くなり、3秒前の会話を忘れます。
闘病中の父に振り回された数年間があまりにも大変で、叔母が母と居てくれた2年間は、叔母から私へ「親から解放された時間」のプレゼントでした。そして、迎えに行くと決めてから1ヶ月くらい猶予をもらったこともあり、その間に私の腹が妙に据わったようです。
アルツハイマー病のこと
アルツハイマー病とは「世界的に最も多い神経変性疾患です。この病気は、脳内で特殊なタンパク質異常が起こり、脳内のニューロン・シナプスが脱落していきます。脳内の神経細胞がどんどん壊れ、脳が次第に萎縮していき、知能、身体全体の機能も衰えていきます。」(医療法人社団 慶友会 吉田病院サイトより引用)
英元首相サッチャー氏や、米元大統領レーガン氏、そして認知症第一人者として知られる長谷川和夫医師もなった病気で、原因究明や根本的な治療方法はまだ確立されていません。記憶が保持できない病気と私は割りきることにしましたが、本人はそうもいかないので「私はばかなの?」と母は何度も叔母に言っていたそう。実際には何年も前から疑わしき状態にあり、こっそり見た母の以前の日記には、自分が自分で無くなっていく不安な気持ちが書き綴られていました。3秒前を忘れてしまう今は、母にとって不安の少なくなった日々ではないかと思います。そして不安が少なければ問題行動がなくなるのでは、と考えました。
「3つ」のこと
母が不安な気持ちにならないよう、私が決めている3つのこと。「今」のことを話すこと(さっき食べたごはんのことは聞かない)、「今」の気持ちを聞くこと(助け舟で二択の提示もします)、「今」納得感を得てもらうために毎回理由を説明すること(3秒後に忘れてしまっても)。本人がなるべく「忘れた」ことを不安に思わないようにしたいのと、瞬間だけでも納得感が得られると気持ちが落ち着くので、気持ちの落ち着いてる状態の連続を保つことが良いのではと考えています。
その結果でしょうか?人に頼るのが不得意で放っておいてほしい派の母が、私に対して素直で可愛らしくなりました。そんな母の可愛らしい振る舞いもあってか、私が母を受け入れやすくなり、イライラしないようです。そんな自分に自分がびっくり。
これから
まだ3週間しか経っていなく、この先どれほどの時間がどのように費やされるのかが全く未知。私の今後の気持ちの変化も未知。時代の恩恵で在宅勤務がしやすくなったことはありがたいけど、私が自由に外出できないのでは持続性がなくなりそう。なので、この先の対策を練らねば。最近関わってるバズワード「フレイル」「サルコペニア」も目の前の現実なので、予防に取り組みながら、全般的に研究対象として観察させてもらおうと思います。日々の経験は役立てなくっちゃだわ。