
ジェットコースター人生 53-6
娘も知らぬ間に大学4回生。就職の意思もなく、すんなり我が社に入社しました。
息子は職を見つけて東京に根を下ろすものとばかり思っていましたが、結局「お母さんの会社を手伝う」と甘い考えで帰ってきました。
娘は大学在学中にエステ学校に通い、エステティシャンとして在籍しました。
親子ですから言いたいことも遠慮なく言ってくることに腹が立つこともありましたが、痛いところをついてくる特に息子とはよくぶつかりました。
娘はどちらかと言うと事なかれ主義でまあまあ何とかなるさのお気楽モードです。ちょうど緩和剤の役目をしてくれました。
そんな娘も結婚を考える人ができ、三人で2,3回一緒に食事をしましたが、ある日告げられたのは入籍と結婚式の日にちでした。
「何も親として嫁入りしたくはできないけれどそれでよければ結婚しなさい」「結婚式には招待してね」と冗談まじりに言ったところ本当にホテル前泊で招待してくれました。
娘をほめるより快く招待してくれた彼に感謝です。
式の前、義姉と娘2人、息子そして私。親族は全員で5人。こちらの親族紹介はあっという間です。新郎側は大家族。
「花嫁さんの準備ができました」と連れていかれた控室には我が子とは思えない花嫁の姿がありました。
「まあきれい!」主人が見たらどれだけ喜ぶかと…。「将来、結婚式には出ない!」と生まれた時から決めていましたが本当は出たかったに決まっています。さぞ残念だったことでしょう。
バージンロードは父親の代理で息子が努めることになりました。
明るい教会で十字架に向かって歩く二人は何やら楽しそうです。
幼い時から仲のいい二人が並んで歩いてきます。幼子の二人がダブって見えました。
待っていた新郎に花嫁を預けて私の隣に座る息子の横顔が主人に見えたのは私だけでしょうか?義姉はもう胸がいっぱいの様子で、きっと弟のことを思い出していたことでしょう。厳かな中に家庭的ないい式でした。
つづく…。