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ニケと歩けば

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ニケ10歳の柴犬 女の子です。 毎日の散歩で四季折々、思ったこと、感じたことを書いています。 気持ちをニュートラルにしたい時あなたのサプリになれば幸いです。
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 赤、黒、白 ニケと歩けば

昨日の雨で散歩に行けなかったからなのか、今朝はたくさんの柴が 足取りも軽やかに散歩を楽しんでいます。 お互い会っても挨拶もそこそこに好きな場所でクンクン、雨に濡れた草を嗅いでいます。 シロツメ草や、オレンジのひなげしはわずかな風にも揺れて何とも愛らしい姿です。 未だ重たい雨雲が空を覆っていてなかなかお日様の登場を拒んでいますが、 鉛色のキャンバスによく似合うツバメが数羽、旋回しながら小さな虫でも探しているのか、体もひと回り大きくなって低く軽やかに飛んでいます。 大きく

春 ど真ん中 ニケと歩けば

日曜日の朝、久しぶりにゆっくり寝たのか窓の外はすっかり明るくなっています。といっても六時前。 ニケも珍しくまだまどろんでいますが、私が起き上がるとひょいと頭を上げて後ろ足を伸ばしています。 公園に着きました。昨夜の雨で地面は未だ濡れています。木々の枝葉も水滴でキラキラ、自然が作るさまのなんときれいなことかとちょっと感心しながらその下を歩きます。 桜の満開時を経て青葉は未だ木々を覆うほどではなく、木漏れ日が地面のちいさな野花にも届いています。みんな顔を上げて暖かな光を浴び

春は間もなく ニケと歩けば

花曇りの夕方になりました。 夜半から雨になるとか…。いよいよ桜もあと少し。 名残惜しいと言っている間に新芽は日に日に伸びてそんな感傷的なことを思っているのは私たちだけかもしれません。 暖かくなってきたので公園で腹ばいになることが多くなったニケですが、 鳥の声には敏感で、ピンと立てた耳がアンテナみたいにぴくぴくと動いています。 花の香りには反応するのでしょうか? 始終濡れた黒い鼻は小刻みに動いています。 そんな様子を見ていると何を考えているんだろうかと…。 そんなわたしを見

春を満喫  ニケと歩けば

空が明るみ始めたころ散歩に出ました。 少し肌寒い空気にもう一枚はおればよかったと後悔しながら、まずは坂を登ります。 突き当たると右に折れ山と平行に歩くと東の空はうっすら白んできて空気も柔らかくなります。 公園に着くと、まずは早くすっきりしたいニケですが、先着のワンちゃんがいたり仲のいいワン友が走ってくると嬉しさ半分、もぞもぞ半分で、彼女は、ちょっと困ったなあという表情をします。秘かに!ということが彼女にとってのプライドです。 桜は満開、山でも所々で咲いているのでしょう。白

山本通り ニケと歩けば 

北野、山本通のとあるマンションのエントランス. 横に小さな池があり、中央にビーナスの像が立っています。 今では珍しくて贅沢な空間です。 壁はサーモンピンクでベランダの枠はアールデコ風のしゃれた建物。いつもきれいに清掃されていてこの小さな水が汚れていることもありません。この建物に住んでいる私の知り合いは2年前にご主人を亡くしました。とても仲のいいカップルでよくこの辺りを散歩したそうです。お別れにはビートルズが流れていました。 私はこの山本通を歩くのが好きで近くに来ると彼女を呼

静かなる南蛮美術館  ニケと歩けば

新神戸駅から東に歩くと神戸市文書館があります。ちょっと距離はありますがいい運動になります。以前は南蛮美術館と呼ばれていました。シンプルながらよく見ると細部まで凝ったアールデコ調です。 古い建物が好きな私にとってはタイルの色や窓の装飾、飾り格子はいつまでも見ていたくなり、しばし立ち止まる私をニケが見上げます。 その前には市バスの停留所。その時と同じ場所にあります。母と小学生の私はそこから三宮に行くバスを待つのですが、その建物の何とも異様な雰囲気が怖くもありました。南蛮という