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ニケと歩けば

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ニケ10歳の柴犬 女の子です。 毎日の散歩で四季折々、思ったこと、感じたことを書いています。 気持ちをニュートラルにしたい時あなたのサプリになれば幸いです。
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2021年10月の記事一覧

ニケと歩けば quatre-vingt-un

北野には細く続く路地のような道があります。くすんだ土壁の色や、可愛いおうちも無形文化財です。 この道は二代目の柴の好きな散歩道でした。17歳で亡くなる一週間前まで、毎日往復して元気でしたが、ある日から誘ってもお座りのまま私の顔を見上げて「もう無理!」と言いたげでした。 また坂の多いのも北野ですが、それぞれに表情があります。 細い坂は石畳で遠くから黒い貨物船の汽笛が聞こえます。いびつな感じが好きです。 ここも石畳ですが、両脇の石塀が迫ってきます。左に折れると「うろこの館

ニケと歩けば quatre-vingt-trois

10月になって人が多くなった三宮ですが、相変わらずマスクは外せません。 この生活が長くなるとこれが普通に思えて、外出の時付けるのを忘れると 慌てて取りに帰るぐらい必需品になりました。昔の漫画で近未来の様子は、毒ガスマスクみたいなのを付けていましたがそれほどでなくてもよく似た 世界になってきたのかもしれません。 常識って何でしょう。皆がいっしょのこと?安心できること? また自分の常識が他人にとっては非常識なこともあります。 何の疑いもなくしていたことを驚かれたり、批

ニケと歩けば quatre-vingt-guatre

今日は元町商店街を歩いています。 大丸から西に延びるこの商店街は、三宮センター街とは雰囲気が違います。落ち着いた老舗が多くゆったりとした時間が流れていました。 「別に買わなくてもいいですよ。」みたいな商売っ気がなく、「あなたが欲しいならお分けします。」ちょっと上から目線の感じもありましたが、今や賑やかな店もたくさんできて、おばちゃんが好きそうな?八百屋、下着屋、お菓子屋、安さが売りの薬局と雰囲気も様変わりしました。 また今流行りの食パン屋が何件もできています。ネーミング

ニケと歩けば quatre-vinq-six

少し歩けば汗ばむような朝です。 坂、坂、そして坂をもくもくと歩きます。ニケに話しかけることもありません。彼女も今年は早めの冬毛で早くももこもこして暑そうです。 時々草の匂いをクンクン、向こう側のポメラニアンがお尻尾を振ってこちらにアピールしても知らんぷりです。 回教寺院の前の道は静かで早くも三日月を抱く小塔を見上げるには手をかざす必要があります。 またもう少し東に行くと神戸パプテスト教会があります。こちらはヨーロッパの街を思わせる素敵な建物。 小さな町の中にいろんな

ニケと歩けば quatre-vingt-sept 1

庭先にザクロを見つけました。大きな木です。 今日は西から北野を歩きます。 ジャイナ教寺院はいつも熱心な男性の信者が出入りしています。凝った建物です。初めて見た時はしばらく立ち止まって隅々まで眺めていました。 何度見ても飽きません。ここは神戸?日本?そこだけぽっかりと異空間です。 狭い道路に面してそっと立っていますがなかなか存在感のある寺院です。 ジャイナ教はインドで生まれた宗教。 生き物を傷つけないことを徹底している菜食主義で、今でいう究極のエコロジー!です。

ニケと歩けば quatre-vingt-huit 2

正面に見えているのは北野天満宮。平清盛が京都北野天満宮から勧請して祀られた歴史ある神社です。よっぽど神戸に都を移したかったのでしょう。この街の名前の由来だそうです。 今日はこの石畳の路から鱗の館に行きます。細く長い坂道のてっぺんに館はあります。館内のイノシシに挨拶して違う路から降りることにしました。 一本東に味のある塀を見つけました。 白いペンキのとそのままのとはアンバランスというか途中でペンキを塗るのが面倒になったのか、無造作にたたずんでいます。眼下に神戸の街。 空

ニケと歩けば quatre-vingt-neuf

トアロードを北に向かうと看板でもなく装飾?のような碇があります。 久しぶりに見ると秋色に!春はこんな感じでした。 道行く人の何人がこれに気が付いているでしょうか? 交差点の背中にあるので知らない人もいるはずです。 歳を重ねると一年が早くなるといいますが、知らぬ間に10月。 今年も暑い夏を乗り切ったとホッとするおばあさんがいました。この人にとっては一年ごとが真剣勝負。80歳も過ぎると何があってもおかしくないと笑います。 その顔じゅうのしわさえも彼女の功績。いい顔をさ

ニケと歩けば quatre-vingt-onze

昨日は突風にさらされて寒い散歩になりました。 犬は冬の方が元気で暗くなっても平気でどんどん家から離れていきます。さっきまで名残の日差しがあったのに坂を上がるころにはストンと落ちて急に暗くなります。 山は黒いシルエットになり家の明かりでニケと私の影ができました。 今日は久しぶりに暖かいシチューが食べたくなりました。キノコたっぷりの! あんなに暑い日が続いたのに紅葉の山を待つ季節になりました。。 時間の波にそのまま流されてしまいそうな夕暮れです。 最近めっきり見なくな

ニケと歩けば quatre-vingt-treize

朝5時はまだ真っ暗。こちらを覗く瞳がキラキラしています。 目が合うと「あ!起きた」と言いたげに首を伸ばします。今日は晴れなのか曇りなのかもわからないまま窓を開けると飛び切り冷たい風が入ってきました。 ぶるっと身震いして階段を降りてもニケはまだ降りて来ません。 鍵を持つガチャという音で慌ててやってきます。ハーネスは右前足を少し上げて次は左前足。背中のフックをカチンと合わせると準備OKです。 まだ星が出ています。東の空はしばらくすると薄ら明るくなってくるはず。 今日はそ

ニケと歩けば quatre-vingt-quinze

生田、長田そして湊川神社は神戸三大神社です。楠木正成公をお祀りしているこの神社は「なんこうさん」と呼ばれて親しまれています。 七五三の時、鎧兜の小さな武将が記念写真で走り回ったり固まっていたり、泣き出す子もいて喜んでいるのは親の方のようです。 今日はお宮参りの新米パパ、ママそしておばあちゃんが晴れ着でお参りしています。小さな声で「おめでとうございます!」と言えば飛び切りの笑みはおばあちゃん! 立派な狛犬も子供たちを見ています。 この神社はお正月必ず両親と初詣に来ました

ニケと歩けば quatre-vingt-seize

明るくなってきました。今朝は散歩の途中いい香りがしてきました。 「これこれ!」季節になるとおうちの庭先に咲く金木犀です。今年は例年より早く咲きました。残念ながらスマホを忘れて写真が取れません。 この花を知らない小学生たちが「トイレの匂い!」といって笑いながら、香りの元を探しています。 周りを香りで埋め尽くす割には花は小さく花言葉は謙虚。 毎年花が降り落ちた地面はオレンジ色の絨毯になります。そこを歩くではなく靴を滑らしながら何本も棒状の足跡?が楽しくていつまでも遊んでい