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ニケと歩けば

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ニケ10歳の柴犬 女の子です。 毎日の散歩で四季折々、思ったこと、感じたことを書いています。 気持ちをニュートラルにしたい時あなたのサプリになれば幸いです。
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2021年8月の記事一覧

ニケと歩けば cinquante-deux

散歩の途中たくさんの犬に会います。それと同じぐらいラジオ体操で出てきたおじさんやおばさんにも。 朝の社交場はいつも賑やかです。よく飼い主と顔が似てくるといいますが、 なるほどと思えるカップル⁈が多く、名前も今やキラキラネームで覚えきれません。小さな犬種は可愛い服を着て愛嬌たっぷりです。 柴のグループもいて先程のキュートなグループとは正反対の柴イズムがあります。初めて会う犬にはあいさつ代わりのウワン!から始まりお互いレスリングの取り組みみたいにぐるぐる回って、お尻を嗅ぐま

ニケと歩けば  cinquante-trois

風向風速計の風見鶏。どうして鶏なのでしょう! 由来は「最後の晩餐」にまでさかのぼります。 キリストが捕らえられて尋問されてる様子を、弟子のペテロが遠巻きに見ていました。 周りの人が怪しげな様子に「あなたはキリストの関係者ですか?」と三度ほど聞きました。ところが弟子のリーダーでもあったペテロは「いいえ、私は彼のことを知りません」と返していました。が、三度目の否定をした時大きな声で鶏が鳴きました。 あまりにも大きな鳴き声に驚いて我に返りました。師であるキリストに「私はあな

ニケと歩けば cinquante-quatre

私の七歳の誕生日の朝。枕元に箱が置かれてました。きれいなリボンで飾られたその箱は父がくれたオルゴールでした。 少女の私には地味な黒いオルゴールにさほど喜びもなく、なんでこんなものをくれたのだろうとがっかりしたのを覚えています。 母は「きれいなオルゴールね。」と自分がもらったみたいに蓋を開けてその音色に耳を傾けていました。 父は今どきのマイホームパパではなく、厳格で几帳面な人でした。物静かであまり私を子ども扱いしませんでした。 それにしてもこの黒いオルゴールは大人び過ぎ

ニケと歩けば cinquante -cinq

少し前までは味より雰囲気重視のカフェでしたが、最近は食事もデザートも ゆっくり味わうことのできるお店が増えました。雰囲気のいいカフェでお茶しても、食事はレストランでということが多かったのですが、あそこのオムライス、ピザ、パスタが,,,と十分堪能できることは嬉しいです。それ以上にコーヒーの美味しいところが増えました。 いろんなタイプの友達がいます。ランチをするのもその人の料理の好み、店の雰囲気、もちろん予算も違いますから、こちらとしては、いろんなところに行けてそれぞれの場所

ニケと歩けば cinquante-six

台風も逸れて今朝は冷たい風が吹いています。 いつもの公園は、夏草が生い茂りひと休みするベンチは埋もれかけています。 ココはニケの大好きな場所で、二段構えというか勾配を利用して作られたためか下の方は土でボール遊びができる小さなグランドになっています、石垣に沿って階段がこの場所に繋がっています。 石の階段を登りきると小高い分向こうにぼやけた海が見えます。今朝は黒くて大きな船が見えます。聞こえてくる汽笛はあの船からでしょうか? それは山に跳ね返って頭の後ろから低くボーと鳴い

ニケと歩けば cinquante-sept

私の夢の一つは本を書くことでした。それは学生時代のころから空想で本の内容を考えたり、推理小説もどきをと、いつも傍に本がありました。 母が最初に買ってくれたのは、本というよりマチスやルノアールなどの絵画集の分厚い本でした。毎日めくってこの絵はココがスキ、でもこの人の顔は変と小さな評論家でした。母は絵を描くときは「いろんな色を使うのよ」と教えてくれました。 子供達にはたくさんの絵本を見せました。小学校に上がるまで毎晩本を読み聞かせました。 私が、夕食の後かたずけをしている間

ニケと歩けば cinquante-huit

雨続きで散歩もできず、オリンピックも閉会して子供たちの帰省も中止。このお盆は静かです。 あちらに逝ってしまった家族の方が多くなってしまいましたが、今ごろぼちぼち帰ってきているのでしょうか? 娘に3人目の子供、つまり私の3番目の孫はオリンピックベビーのはずが開催されたこの夏には1歳を迎えています。 転勤で遠く離れているので、生まれた時から1度も会わず先日たくさんの誕生日の写メを送ってくれました。 なんとまあ娘の小さい時にそっくりです。その娘が3人の母親だなんて。おかしい

ニケと歩けば  cinquante-neuf

やっと雨が上がりました。朝の空気は水を含んで重たそうです。 公園に行きました。木や草のむせるようなにおいと石畳の洗われた一つひとつがいびつに並んでいます。ニケは久しぶりの雨上がりにあちこちクンクンと匂いの探検で忙しそうです。 濡れたベンチに座る気も起らず、曇っていても背中に汗が走ります。 少し上がると北野町中公園があります。この公園は異人館街のど真ん中、北野町広場と一つになって観光客向けで風見鶏の館の真正面にあります。そこに渋いレンガ造りの門柱があります。「ジャーデン・

ニケと歩けば  cinquante-dix

今朝も昨日と同じような鉛色の空模様で、何時降り出してもおかしくない 雨を含んだ空気です。 公園に行くとあちこち足早に散歩をする柴犬と飼い主の姿。 みんな雨が降り出す前にと急いでいます。挨拶もそこそこに方々に公園を出て行きます。 自粛に加えて大雨。今年のお盆はご先祖さんもゆっくりされたかどうか気になりますが、私たちはこんな時も散歩を楽しんでいます。 八月になると戦争に行かれた男性。寄り添う奥さまや恋人、家族がいたこと。私たちには想像もできない戦後を生き抜いてこられたこ

ニケと歩けば soixante

今日こそは本物!の晴れの日になりそうです。 数日、雨に打たれっぱなしの庭の木やハーブは久しぶりのお日様に頭をもたげたり背伸びしているように見えます。 自粛前にオリーブの苗木を植えました。先代は大きくなった途中で水のやりすぎだったのか枯らしてしまい、「今度は可愛がり過ぎないよ!」と苗木に誓って?植えました。名前札に「ミッション」と書かれています。 品種はたくさんあってこの子は葉の両面のコントラストがきれいな品種らしいです。 ギリシャ神話の女神アテナがはじめて植えたオリー

ニケと歩けば soixante-et-un

5年使っていたハーネスの傷みがひどく購入することにしました。 毎日2回それぞれ1時間半の道中をしっかりと身を守ってくれたそれは金具もぐらついてきて役目を終わろうとしています。 三頭目のニケは先代たちの首輪ではなくハーネスです。 三代目は一番おとなしくて飼い主を引っ張ることもなく逃げ出す気配はさらさらありません。 階段の上り下りも私のペースに合わせて少し前で止まっては進みヘルパーさんなみの心使いです。 なのにハーネス。それは一代目の雄柴のオオカミに近い性格。散歩中いろ

ニケと歩けば soixante-deux

今朝もコース最後の公園に着きました。蝉の声もスッカリ弱まって 夏の終わりを感じます。ベンチに腰掛けてボーとする日課もニケと一緒ならではのニュートラルタイムです。 今日はいつもよりカラスの数が多く、少し離れてそれぞれの木の上から、合図?を送っています。会話のようですが、殺気も感じます。 野良猫はいつもの顔ぶれ。 鳩は人間を怖がらなくなって、群れで寄ってきます。 突然大きな蝉が背後のクスノキから零れ落ちました。ひっくり返そうと立ち上がる何倍もの速さでカラスが急降下してく

ニケと歩けば soixante-trois

農耕地の守り神フクロウが今日も壁の高いところから見下ろしています。 朝日が昇るとスポットライトを浴びて私たちを覗いています。 少し西に行くと毎朝ラジオ体操に年配の男女が布引の滝に向かって歩いていくのに出会います。新神戸駅の東側の高架を抜けると急に右に曲がる坂が滝への散歩コースの始まりです。 道なりに下の川を覗きながらちょっと息を切らして進むと味のある古い石の橋に出くわします。出くわすと言えば4~5回大きなイノシシに正面衝突しそうになったことがあります。向こうはさすが猪突

ニケと歩けば soixante-quatre

市民になじみの神戸三宮阪急。旧駅ビルが阪神・淡路大震災で被災した時 崩れたビルの映像は夢ではなく、すぐ近くの見慣れた場所だっただけに 現実であることを突き付けられました。あの時映像から流れる誰かの口笛が 物悲しくもあり少し怖かったのを思い出しました。そして26年ぶりに新しいビルに生まれ変わりました。阪急ならではの一見地味に見える外壁の色です。 東京から来た友達の阪急電車を最初に見た感想が「どうしてあずき色なの? 」でした。長年見慣れていたのでかえってその質問が新鮮で