ゴミ箱 (嫉妬編)

これを読んでくれている貴方には、推しはいるだろうか?  

以前、推しがSNSへ投稿した事に嫉妬心と身勝手な飢えを補給するための欲望を生み出した話である。

通知音の後「今日、信号待ちしていたら知らん婆さんに千円ふんだくられたわ。」と言う文面を目にした私は、信号待ちのわずかな時間に推しと婆の間に何が起こったのか!?と私は唾を飲みながら画面をスクロールしてよく見ていくと

「話かけてきた乞食の婆さんに同情して財布を見てみたら千円札入っていたから渡した」 と言うのだ。

なるほど、なんだか彼らしいっちゃ彼らしい。

千円か… 千円あればコンビニで一番安い弁当にペットボトルのコーヒー買えちゃうな、いやお釣りが貰えるわな…
はたまた、最寄りから都会までの交通費片道分だな… とかそんなことを考えながら渡した挙句後悔している様(別れ際の婆の笑顔が常習犯らしかった)を読み取り、易々と彼の優しさがあまり良くない方向へ利用されてしまった事に身勝手な怒りや嫉妬心がブアッと湧いて胃が熱くなったのであった。

私が金に困っていた立場だったらせめて連絡先を聞いて後日礼をするだろう。
と勝手に自分ごとに変換したりしてその話を食い散らかしたのでありました。

あの日、彼が向けた優しさが(有り得ないが)私に向かえば…と他者に優しくされる事に飢えている私は心の中に存在している「優しさ」とラベルが貼られたゴミ箱をひっくり返したりして暴れ回っていた。 (夢見がちなアホという事)
SNSに投稿された推しの災難話に、勝手に同情しアホな欲望まで生み出し無駄ににカロリーを使い今でも執念深くその婆に災難あれと願い続けている私であった。


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