
【イジンデン】リユニLOがヤバい
はじめに
今回は巷で噂の【リユニLO】がイジンデンの対戦環境にどのような影響を与え、その結果、どのような結末を迎えるかを予想したものだ。公式に対する「警告」と捉えてもらって構わない。が、特定の個人やリユニLOの使用者、公式や開発陣への誹謗中傷を目的にしたものでは無い。ただ、ネガティブな発言や語気の強い言い回しが多いため、苦手な方はこのままブラウザバックして欲しい。
また、序盤はリユニLOの解説になる。既にリユニLOに関して熟知している方は飛ばし飛ばし読んで下さい。
リユニLOを理解する
まずは参考レシピから。

本構築は私がアジトの公認大会で使用し優勝した構築である。リユニLOには派生が幾つか存在するが、本構築が最もオーソドックスな型として捉えてもらって構わない。本構築は2つのループを持つ。
①無限ドロー
戦場にメディチ/道長、手札にリユニオン、魔力ゾーンに赤紫含むLv5以上あれば成立する。
つまり、必要札が初手+メディチのドロー+2t目のドローにあれば1t目メディチ召喚で先攻2t目から始動できる。
リユニオンを発動。メディチと道長をバウンスし召喚権+2
メディチを召喚。裏魔力+1し2ドロー。道長を召喚。リユニオン含むマホウ2枚を回収→1に戻る。
これだけの手順で山札を全て引き切ることが可能。ループ中に道長で魔力コストとして墓地に置いたマホウを回収できるため、墓地に置かれたマリョク以外の札を全て手札に加えられる。
②無限土方
①で必要札(道長/三成/土方/リユニオン)を揃え魔力ゾーンに赤紫含むLv5以上かつ戦場にイジンを3体並べれば成立する(①のループ中に三成やアントニウスでイジン数を増やす)。
リユニオンを発動。イジンを最低3体以上バウンスし召喚権+3
道長を召喚。リユニオンと任意のマホウ(マホウA)を回収。
三成を召喚。配置権+1→マホウAを魔力配置(決起は不要)。
土方を召喚。相手にドローさせる。
魔力ゾーンのマホウAをコストにリユニオンを発動。道長/三成/土方をバウンスし召喚権+3→2に戻る。
これは無限ループとなっており、相手の山札が何枚あろうとLO可能。引かせてLOさせるため遠征軍はメタとしてほぼ機能しない。とりあえず概要としてはこんな感じ。そして、リユニLOは以下の強みを持つことで現環境において最強の座を獲得している。
①再現性の高さ
【リユニLO】は非常に再現性の高い構築である。体感だが1t目にメディチを召喚すれば、相手からの妨害が無ければ約80%くらいの確率で2キルが成立する。
初手メディチ率は以下の通り。
◾︎メディチ(4)+紫魔力(6)
◾︎メディチ(4)+カルドロン(4)+紫札(17)
上記いずれかの組み合わせを引く確率として計算
先1=63.45%
後1(後攻1ドロー)=68.41%
これの80%。つまり、1t目メディチ時の先2キル率は約50%、後2キル率は約52%である。1t目メディチが無くても2キル可能な場合もあるため、体感の2キル率は60%以上ある。
川越イジン会の配信アーカイブで私が1t目メディチ無し2キルをしている場面が見れる。ミッチーさんごめんよ☆
そしてキルターンが4ターン目以降になる確率(事故率)は約20%程度。
よって、3キル率は2キル率も合わせると80%程度になる。他のソリティア構築でここまで再現性の高い構築は他に無い。
②メタ/ハンデス貫通性能
メタイジン耐性も非常に高く、除去札を要さず「展開ルートを変える/1ターン待つ(マリョクを伸ばす)」だけで容易に突破する(※詳細を書くのはダルいので省略)。当然だが枠に余力があるためバレットや為朝で破壊してから動くことも可能。
採用札の多くがトップ解決を可能にする程のパワーを持つ札ばかりのためハンデス耐性も非常に高い。
③先攻時の圧倒的な勝率の高さ
「先2キルが可能=相手は後1t目しか行動できない」と言える。
しかし、後1でできる妨害は限られており、仮に何かしらの妨害を置くためにリソースを割いたり、構築単位の強度を下げるようなことをすると、他対面への勝率が下がりかねない。
先1メディチが決まった際の勝率は非常に高い。極端な話「先1メディチ=8割勝つ」と言える。
リユニLOに勝つ方法
結論、自分もリユニLOを握るのが最も効率の良い方法である。メタやハンデスがほぼ効かない以上、【青黄(紫)徴募】や【紫陽花キュリー】、【赤紫離宮】と言ったメタデッキを握るのは自ら部の悪い勝負を仕掛けていると言えてしまう。また、【オブシ闘技場】や【スカーレット執筆】などのキル速度の面でリユニLOと対等な立場に立てる構築も、再現性やメタ貫通力の面でリユニLOに勝てない。よって、「リユニLOに一番強い構築=リユニLO」という数式が成り立つ。
リユニLOミラー戦は面白いのか?
個人的には1ミリも面白くない。先手後手の勝率の差がありすぎるため言ってしまえば「手の込んだじゃんけん」である。チョキがグーに勝つ可能性がサイド込みで30%くらいあるゲームだと思ってくれれば良い。
ミラー戦は、やれることが同じかつ弱点が同じため一定以上の練度を持つ者同士だと不毛になるのは致し方ないが、その中でも読み合いが発生し得るものだ。
熟練の使い手しか知らない(言語化が難しく周知されていない)ミラーにおける作法や定石などが数多くあり、それを知った上でその場面でどの択を取るかと言った具合で、読み合いが楽しめた。突き詰めた者同士のミラー戦は極論引きゲーだが、対戦自体は非常に楽しいのだ。
リユニLOミラーにはそれが無い···と言うより、お互い自分の動きを通すだけ(相手に干渉しない)なのとキルターンが短すぎるため干渉札の択がほぼ無い。
3弾環境と比較して4弾環境はどうなのか?
まず、以下の記事を一読願いたい。
また、時間に余裕があるなら、前回の記事も読んで欲しい。
上記の記事2つを踏まえた個人の感想だが、3弾環境は群雄割拠かつ実力やメタ読みを勝率に直結しやすく、あらゆる構築に優勝の機会があった。4弾は「メディチ+リユニオン」のパッケージ採用がまず前提。これでやっとtier2以上(スタートライン)に立てる。それ以外はもはやtier圏外。スタートラインにすら立てない。そして、tier上位間でも実力やメタ読みによる勝率の差は生まれず、如何に試行回数を重ねられるか、如何に先手を取れるかのゲームになってしまった。※裏を返せば「リユニLOさえちゃんと練習すれば初心者でも勝てる」環境とも言える。
私含めリユニLOを握る多くのダイバーが「リユニLOしか選択肢が無いから渋々握る」状態だ。「選択肢が無い」というのは、先述の通り「リユニLOに一番強い構築はリユニLO」だからだ。
発売から1週間程はリユニLOの異常な程のパワーに気づき、私のように嘆いていた者はそこまで多くなかった(気づいていたが認めたくなかった者や黙する者が大半)。だが、発売からおよそ1ヶ月が経った今、「リユニLOに対策手段は無い」というのはほぼ全てのダイバーに周知された事実であり、今後なんらかの変化がなければ間違いなくイジンデンは衰退の一途を辿るだろう。
イジンデンの今後
これは予想に過ぎないが、今後リユニLOのシェア率は確実に下がる。しかし、その理由は封印ルールの採用や、「リユニLOに飽きたから」とか「リユニLOを使うのは忍びない」と言ったユーザー間によるハウスルールの制定、心境の変化や暗黙の了解に過ぎず、そのような空気が流れてしまうと次第にプレイ人口は減っていくだろう。これはユーザー間では止めることの出来ない事象だ。ちなみにもう既にその流れは来ている。大会に参加しなくなる者、他TCGに移る者、大会参加はするがその後のダイバー間での交流が主目的な者etc…。
公式がイジンデンを存続させたいなら、一刻も早く、必ず4弾中になにか環境整備のアクションを起こさなければならないと考えている。
公式にして欲しいアクション
個人的にイジンデンをTCGコンテンツとして存続させるなら「禁止制限の制定」が必須だと考えている。
理想としては、各弾環境に最低1回(3ヶ月に1回)は禁止制限改定を設け、公式の手によって「カードプールの増加では無い方法」で環境の一極化を是正し、プレイ人口の維持と増加を目指す。重要なのは「一極化の是正」という点。要は一極化の原因となる構築(今回の場合リユニLO)が存在したとして、いきなりデッキパーツに軒並み規制をかけるのは是正ではなく「存在の抹消」。この手のソリティア構築は対戦環境において必要悪(良いアクセント)でもあるため、一旦は最低限度の規制に抑えた方が良いという考えだ。
また、禁止制限の制定があるとカード開発においても役に立つ。カードプールが増えるとどうしても初期のカードが新規カード作成の障壁になるからだ。「せっかく良いカードAを思いついたのに、既に(カードAと合わせると環境を破壊する)イジンBがいるから刷れない」といったことが減る。カードプールが増えると、開発陣や多くのダイバーですら予期しないとんでもコンボが発売後に発覚することもしばしば。その際の対策として禁止制限は非常に役立つものだと考える。かと言って闇雲にパワカを刷って雑に規制をかける⋯みたいなことはしないで欲しいが⋯。
私が仮に開発陣で禁止制限を設けるなら、以下の通りにし、再現性とメタ貫通力の低下によって弱体化を図る。
封印(採用可能枚数0枚)
ジョバンニ=ディ=メディチ
半封印(採用可能枚数最大2枚)
藤原道長
リユニオン
メディチを封印(禁止)し2キルの再現性を大幅に下げ、道長とリユニオンの枚数を下げれば今のリユニLOのように「強引にループに入る」動きがしにくくなる。
よって、基本キルターンは3t目になるだろう。そうすればハンデスを軸にするコントロール構築が対抗しやすくなり、シェア率が上がる。そして、コントロール構築に強い除去GSやアグロ構築のシェア率が上がる⋯と言った具合にすくみ関係が構築されていくと考える。※これは3弾環境の変遷と同じである。
また、メディチ以外のパーツは残っているので、形を変えて新たなリユニLOの開発もなされると思う。仮に、この規制でも環境がリユニLOまみれになるなら更に強く規制をかける、逆に新弾発売によって環境が規制されたカードがいても大丈夫なら、規制を緩めるといいだろう。
※余談だが、枚数制限の段階はなるべく少ない方が良いと考える。もちろん0~4枚の間で調整する方がより的確な規制を設けられるが、1枚制限は山札の引き切りが非常に容易なイジンデンではあまり意味がなく、3枚制限も初動札くらいにしか有効な規制では無いからだ。
最後に
私はイジンデンが大好きだ。「TCGごっこ遊びのツール」として買ったはずが、いつの間にか大会常連、フェスでは2位になったほどのめり込んだ。フェス予選を抜けた時の高揚と決勝で敗北した悔しさは今でも鮮明に覚えている。
実態はよく知らないが、開発陣も「遊びながら歴史を学べる知育玩具」としての開発意図が強かったのかもしれない。しかし、私のように「対戦競技コンテンツ」としてイジンデンを心の底から楽しんでいる者もいる。TCGである以上、公式側が競技遊戯としてのバランスは考えていかなければならないと考えている。
本記事がもし、仮に、万が一にでも公式の方々に届いているなら、ここで書いたことは1ダイバーの意見として心に留めておいて欲しい。