お勉強492:ICI後のオリゴプログレッション
https://www.jtocrr.org/article/S2666-3643(24)00065-1/fulltext
免疫チェックポイント阻害薬±ケモで初期治療を行った
患者のオリゴプログレッションに対する局所治療に対する論文
レトロのコホートの報告
オーストラリアの2つのがんセンターで
2017ー2022に202人1st lineとして上記の初期治療を行った。
202人のうち進行した転移性NSCLCの159人が対象。
(ALK/EGFR/ROS1陰性)
Adが58.5% Sqが27.7%
PD-L1≧50%が47.8%
PD-1単剤治療が48.4%
ベースラインで18.9%がオリゴメタ
23.3%が脳メタあり 16.4%が肝メタあり
脳メタ有の76.2%が全身療法前に局所治療
(受けなかった人は無症状で腫瘤1.5㎝以下と)
その他全体で57.9%が全身療法前に局所治療
登録前にベースラインのCT(場合によりPET/骨シンチ)
頭もベースラインのCT/MRI
頭にメタがあるのが分かっている人はMRIフォロー
フォローは3-4か月に一回
オリゴの定義は3個以下(2臓器まで)
159人中62人(39%)がオリゴプログレッション
基本的にはオリゴプログレッションにはRTする方向であったと
オリゴメタまでの期間中央値は7ヵ月
それ以上のメタが出た人のメタまでの期間中央値は3ヵ月
(有意差あり)
診断時オリゴメタか、それ以上の個数化のメタかは
進行までの期間中央値は変わりなし
オリゴプログレッションは
25.8%がrepeat オリゴプログレッション
74.2%がinduced オリゴプログレッション
オリゴプログレッションの部位としては
肺の原発(37.1%)・脳(20.9%)・骨(19.4%)・副腎(8.1%)
の順。肺転移や胸膜転移などは少ない
Sq/nonSqでオリゴプログレッションの頻度は変わらず
多変量解析で
脳転移がもともとあった人はオリゴプログレッションを起こしやすい
逆に肝転移のあった人はオリゴプログレッションになりにくい
オリゴプログレッションに対し
・RTのみ(28.3%)
・RT+ICIの続行(13.8%)
・ICI続行のみ(5.7%)
・BSC(35.2%)
・治療変更(15.7%)
・残りは治験
手術を受けた患者はなし
ただ、頭のSRSが21.4% SBRTが7.1%と
定位照射を受けた人は多くないよう
PFS2は当たり前だが
オリゴプログレッション>もっとたくさんの部位の進行
(14ヵ月 vs. 6ヵ月)
放射線治療を受けた患者は、
無増悪生存期間(PFS2)
※オリゴプログレッションして次のプログレッションまでの期間
および全生存期間(OS)が長かった
(当然バイアスがあるが…)
放射線治療あり:PFS2=17ヶ月、OS=23ヶ月
放射線治療なし:PFS2=11.5ヶ月、OS=13ヶ月
一生懸命読んだが、結論としてはICIを1st lineとすると
・4割ぐらいがオリゴプログレッションで進行
・意外と肺の原発部位がコントロールできない
・転移個数が少ない患者は長生き
・RTを受けると、寿命伸びる可能性は否定できない
・脳転移患者はオリゴプログレッションしやすい
・肝転移患者はオリゴプログレッションしにくい
というような結論か。オリゴの論文は解釈が難しいですね…