春の朝に、愛と静寂を
モノクロだった世界に
彩が滲み溢れ出している
鳥のさえずりが幾重にも深く響き
朝の光が優しく頬に温もる
おもえば
わたしはずっと安全だったけど
生と死を生きてきた
季節が
冬から春に変わるように
太陽が
昇りまた沈むように
植物が
枯れ果てまた芽吹くように
生と死もそのようなものなのかもしれない
生と死を見つめ続ける存在を
そこに流れ続けるエネルギーを
心の奥底で感じ受けとったとき
深く
温かく
心は震え
この目からは涙と
そして
言葉ではない感謝が
溢れ出してくる
生きること
死んでいくこと
この世界に生と死が本当にある?
いったい何が生き
何が死んだというのだろう
鳥や花たちが生きるもの
それは存在そのもの
死んでいるときすら生きている
わたしたちが死と呼んでいるだけ
言葉を越えて
感じてみる
春の朝に、愛と静寂を。