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1年に1度帰る場所(堀切菖蒲園)|ナインチェプラプラウスの「いつかいなくなっちゃうかもだし」#19

荒川の河川敷、花壇の前に座っていると、何匹もの犬が近寄ってきます。
人懐っこいのかと思いきや、みんな花壇の角で足を上げます。
角はバランスが取りやすいのでしょうか、用を足しに来たようです。
マーキングというやつなのでしょうか。
ここなら用を足していいと、界隈の犬たちには、暗黙に広まっているのでしょうか。
なぜか去っては来る、そんな場所がありました。

どーもどーも、ナインチェ・プラプラウスです。用を足すためのちんちんではないです。

先週、ご主人とミフィちゃんは、思い出の地、堀切菖蒲園に足を運んでいました。

え、堀切菖蒲園なんて知らないって?
堀切菖蒲園は、上野から千葉方面に走る、京成線という路線の駅名でありながら、当該駅の近くにある植物園でございます。
あまり知られていませんが、江戸百景という浮世絵の一つとして描かれたほど、昔からある由緒正しい植物園です。

そんな場所がなぜ思い出の地かというと、理由はシンプル。
ご主人が付き合いたての頃、住んでいた土地だからです。

ご主人は約1年間、堀切菖蒲園駅近くのシェアハウスに住んでいました。
最寄駅の名前の由来となった場所なので菖蒲を見たがっていましたが、5月から6月ごろの限られた季節のため、望み叶わずで引っ越しとなっていました。

そこで、昨年6月。
夢叶わずで、土地を離れたご主人は、ミフィちゃんと堀切菖蒲園に訪れることにしました。
久しぶりの東東京に心をときめかせせ、沿線の日暮里駅に立ち寄りながらも夕方に到着。
すると、閉園時間は17時とのことで、無慈悲にも菖蒲は1年お預けとなっていたのでした。

そこで先週、2年越しの夢を叶えるため、二人は堀切菖蒲園に訪れたのです。
(もちろん、今回も日暮里駅で寄り道しましたが、余裕を持った行動です。ミフィちゃんお気に入りのかき氷屋「ひみつ堂」、ご主人お気に入りの中華料理店「馬賊」は、お決まりコースになりました)

駅前の懐かしさはそこそこに、目的の菖蒲園へ向かいます。
あっという間にたどり着いたその先には、たくさんの人。
菖蒲の咲かない菖蒲園の静けさと比べると大きな違いでした。
ぶっちゃけ、全然人気ないんじゃないかなと思っていたので、少し安心しました。

菖蒲は、一つの種類の花かと思っていましたが、たくさんの品種があるようです。
花弁の形や模様、色などに応じて名前が付けられています。
菖蒲園では、菖蒲の前にそれぞれの名前が書かれたプレートが置かれていました。
「五湖の遊」や「日月」など和な名前が並ぶ中、気になったのは「熊奮迅」
花弁は紫一色で、全然可愛らしい花なのに、強烈なネーミングです。
アベ(第2回に登場のクマ)の激昂する姿を想像して、ニヤニヤしてしましました。

ゆったり回りましたが、たくさんあって一つ一つをじっくり見ることは簡単ではありませんでした。
毎年来て、少しづつ覚えたり、違いを感じたりするのも、それはそれでいいのかな、と思いました。

今年も菖蒲祭りなるものは開催できなかったようでした。
菖蒲の咲かない時期に比べると賑やかではありましたが、もっと活気のある姿が見られるのかと、来年への希望を胸にしまったのでした。

1年に1度、なんとなく帰たくなる場所。
そういうところが、一つずつ増えるのも歳を重ねる楽しさなのかもしれません。
最近、同棲するとかって話が出ている二人。
また、思い出の街が増えていくんですね。


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19回


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