どうしていい人に不幸な人が多いのだろう?

どうしていい人に不幸な人が多いのだろう?

私が、今の仕事をし始めた頃、不思議に思ったことがありました。
どうして、この人は、こんなにいい人なのに、不運なことばかり起こるんだろう、
って。

「正直者はバカを見る」

を地で行くような人がいるわけです。
ヒルティやキリスト教関係の書籍、キリスト教以外の精神論も含めて、
正しい人は、神に選ばれて、その試練を受けているのだ、といったようなことが書かれているわけです。
そんな言葉を読みながら、自分の不幸についても価値付けしながら、ナルシスティックに自分を殉教者に見立てて酔うようなところがありました。

仏教や神道系の話では、因果ということが言われ、たとえば、生まれながらの難病の子などは、前世の因縁でと説明されるわけです。
この説明の仕方には、自業自得で、上のようなヒロイズムの色合いはなくなってしまいます。

そこに、斎藤一人さんの、不幸の後に幸福が来るということはないんだよ、みたいな新鮮な話が入ってくるわけです。

そして、スエデンボルグに至って、へーーと目から鱗の説明に会って、まったく、世の幸不幸が招来する仕組みの理解がかわってしまったのでした。
それは、とっても私に安心感を与えてくれ、自分のすべきことを教えてくれました。
それは難しいことではなく、とっても楽で、シンプルな道でした。
私はこの道を「最も小さな十字架の道」と呼んでいます。
次のように書かれています。

                                       
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しかしながら、
彼らが善を自らに帰さない性格をもっていれば、
彼らは通常の不運からしばしば免れることであろう

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よく知られているように、
善良な者たちは邪悪な者たちと同じくらい、
いなそれ以上に不運な出来事に見舞われる。
彼らのなかに試練に入れられる者がいる理由とはなにか。
  
それは彼らが善を自らに帰さないためである。
なぜなら、もし、彼らが試練を免れると、
彼らは善を彼ら自身の善良さに帰することによって、
功績や正義を不当に自らのものとするからである。
こうしたことが起こらないために、
彼らはありふれた不運の中に入れられ、
他の者たち同様、生命、富、所有物に関して
悲しみを覚える道を通させられる。
しかしながら、
彼らが善を自らに帰さない性格をもっていれば、
彼らは通常の不運からしばしば免れることであろう。
  
このように善良な者たちが不運に見舞われるときには、
隠された原因が働いているのである。
周知のこと通り、不運に出会うと、善良な者たちの多くは、
善について考え
「自分たちは自ら為した善のゆえに不運を免除されて当然だ」
と考えがちである。
けれども、その際、免除されるとすると、
彼らは、自らが善良であるためだと誇り、
この誇りから邪悪な者たちをあざける結果、
善を不当に自らのものとしてしまうのである。

          スヴェーデンボリ


これは、私が見つけた「人生の秘訣」です。

人生にはいろいろな“秘訣”があるのでしょ。

スピリチュアル系の人たちでは、
言霊の牽引を秘訣として伝えられていることが多いですし、
トイレのふたを閉めるとか、靴をそろえるとか、掃除をするとか
そういった日常生活での所作を言っている人たちもあります。
また、風水や占いのような
色、方向、品物をそれらが表徴するある法則にしたがって
整えていくことで運気を上げていったり、
この本を読めば病気が治るとか、
パワーストーンやお札など
運気を上げる物品を身に着けることを勧めたりするところもあります。

でも、わたしが手にした人生の秘訣は
上のスエデンボルグの言葉です。

一読しただけで納得できる人は少ないかもしれません。
この言葉が、まさにそのとおりだと思えるようになるには
自分の内面を、その動機まで掘り下げて、
毎日、こつこつ反省することを重ね、
自分の人生での時代時代に起こっていた事象を振り返る作業が
必要になるかもしれません。

自分の善良さに依って、生きている人にとっては、腹立ちさえ感じて、受け入れがたい言葉かもしれません。

でも、毎日、毎晩、自分の悪い動機を点検する取り組みを続けてきた私は、
いまや、私にはこの言葉を何の抵抗もなく受け入れることができます。
               

主からのものであるはずの善行や善意を
不当に自分のものと思って
盗むことがありませんように。

ただ、憐れまれて、許されている
いまの善への思いを自分のものと思い込んで
善意と反する人たちを見下すことがありませんように。

善はすべて主から来るものであることを
いつも認めて
不必要な外側の実害や内界の強烈な誘惑に
投げ込まれることがありませんように。
どうぞ、
試みにあわせないで、この悪から救ってください。

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