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ビスマス結晶について

ビスマス結晶って何ぞやって人も多いと思い
説明的な内容になりますがお付き合いください

ビスマスとは

原子番号83番目の元素。
元素記号 Bi
底融点の金属です。

融点について

融点とは固体が融解して液体になる温度。
簡単に言えば、溶ける温度のことです。
上記したようにビスマスは底融点。
271.5℃で融解します(溶けます)

一般的な金属の融点
鉄 1536℃
金 1064℃
銀 962℃
銅 1085℃
アルミニウム 660℃
ビスマス 271.5℃

身近な金属はかなりの高温でなければ融解しません。アルミニウムは比較的に融点は低いですが、ビスマスの融点は300℃以下なのでかなり底融点な金属と言えます。

ちなみにビスマスはステンレス製の鍋に入れて、ガスコンロで溶かすことができます。


比重について

比重は1立方センチメートルあたりの重さのことです。
比重が少なければ軽く大きければ重い。

水 1g
鉄 7.87g
金 19.32g
銀 10.49g
銅 8.93g
ビスマス 9.8g

金は圧倒的に比重が高いですね。
ビスマスは鉄より比重が高く
銀より少し比重が低い金属です。


ビスマスの結晶について

ビスマスを融解(溶かす)して加熱を止めれば温度が下がり凝固(固まる)します。
普通に放置すれば、もちろんビスマスの塊の出来上がりです。

しかし、部分的に凝固した箇所は結晶として成長します。
そして面白いことにビスマスは液体状態よりも
固体の状態の方が比重が軽い物質
なのです。
これを専門的には異常液体と言うらしいです。

結果、水に氷が浮くように溶けたビスマスの液面に結晶化したビスマスが浮いて来ます。
(水と氷程の比重差がないので、僅かですが)

結晶化が進んで大きな結晶になれば、より浮いているのがハッキリわかります。

結晶の形状について

ビスマス結晶は四角の階段状に結晶が成長します。手にするor目にする機会があれば是非良く観察してみてください。

大きな結晶も小さな結晶も必ず階段状の四角で形成されています。

水が凍って結晶化すると、雪の結晶になりますね。さまざまな雪の形状がありますが、必ず六角形を組み合わせたような形をにしています。

物質が結晶化する時は必ず法則性のある結晶になります。
ビスマスは階段状の四角形というのがルールです。

ちなみにビスマス結晶のような結晶の構造を
骸晶といいます。
結晶の隅や陵の部分だけが急速に成長するため塊ではなく骨格のみ育ち、このような結晶になります。
ビスマスだけではなく雪や岩塩も骸晶の代表的な結晶です。

階段状の四角の連続の結晶

ビスマスの色について

ビスマス結晶といえば虹色の結晶を思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、ビスマス結晶の構造色は銀色。

なぜ虹色の結晶になるのでしょう?

答えはちょっと難しい内容になりますが、
光の屈折で色が見えているということになります。
溶けたビスマス液の中から結晶を取り出すときに、キラキラの銀色の結晶の表面に透明な酸化被膜が形成されます。

条件によって酸化被膜の厚みが変わってくるため、屈折率が変化して目に入ってくる光の色が変わるためです。

イベントなどでは銀色の金属の上にシャボン玉が定着しているのをイメージしてもらうと理解されやすかったです。

シャボン玉もシャボン液の厚みを変えながら浮遊するので虹色に見えていますよね?
もちろんシャボン液の色は透明。
なんとなくでもイメージしてもらえたら嬉しいです。

最後に

ビスマス結晶は底融点の金属のため、家庭でもビスマス結晶作りを試すことができます。
でも、底融点とはいえ触れば火傷します。
必ず安全装備を準備して万全の状態で実験して下さい!

私も慣れた頃、雪駄を履いてビスマス結晶作りをして、溶けたビスマスが足にかかって大やけどしました(アホ)

・燃えやすい物の近くで作業しない
・安全な装備で作業する
・子供だけで実験しない

以上は必ず守ってくださいね!

最後まで読んでいただき
ありがとうございました♪



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