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社会科、子どもが文字通り「夢中」になった授業

人気がない社会科だけど


社会科は子どもにも、先生にも人気がない教科である
準備が面倒くさいので、「しゃかい科」ならぬ「やっかい科」と言われることもある
しかし、準備が大変な反面、自由度が高い
学習指導要領の内容を落とさないことが大切で、「知識の構造図」を駆使すれば重要事項は網羅できる
その中で最高に自由度を高めた実践を紹介したい

食べる導入!間違いなし!!


5年生水産業
私が勤務していた八戸市には「八戸前沖さば」というブランドさばがある
中でも、550g以上のさばを「銀鯖」とよび、脂がめちゃくちゃのっている
脂がのっている理由を追求していくと、日本近海の親潮や黒潮などの学習事項につながっていく
子どもたちが食いついてくる教材にするために、思い切った作戦を考えた
さばを調理する職人を授業によんで、子供たちの目の前でさばを焼いてもらい、食べることから学習を始めることにしたのである。

授業当日


交渉は順調に進んだ
いよいよ授業当日
目の前で、職人さんがさばを焼き始める
脂がしたたり、ジュウっと音して炎が出る
子どもたちは大興奮
「どうしてこんなに脂がのっているんだろう」
と、早くも疑問を口にし始めた
そして食べて2度目のびっくり
脂が非常にのっていて、美味なのである
こんなに脂がのっているさばをたべたことがない!
とか言いながら、大騒ぎしてあっという間に授業は終了した
本当に大喜びしながら食べ、八戸前沖サバのひみつについて考え始めていた
「食べる」という学習活動によって、こちらから何も発問しなくても、思考しているのである
これほどよい教材はなかなかないと感じた
これも、自由度が高い社会科だからこそできる学習問題作りなのである

驚いたこと


授業の振り返りを読んで、予想していないことが起きた
普段、文章を書くことが無いA君が、今日の授業についてたくさん振り返りを書いていたのである
彼を二年間担任して、振り返りをここまで書いたのは、あとにも先にも、この時だけだった
子どもたちが大好きな「食べること」を入り口にした社会科授業
それぞれの土地に特産物が多々ある日本では、多くの教材が開発できるのではないかと思っている
今度やってみたい教材は「駅弁」である
「駅弁」は社会科教材の宝庫であろう
まずは資料を集めて、いつか授業にかけてみたい
自由度の高い社会科
思いっきり遊び、思考しながら夢中になる授業をする目標を、いつまでも追いかけていきたい

                       三浦健太朗

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