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シャニマス 『今回のシナリオイベントについて(あらすじ)』ランキング

こんにちは。
最近久しぶりにシャニマスに復帰し、溜まってたイベントコミュを全部読みました。
やっぱりシャニマスのコミュは素晴らしいですね。
どれくらい溜まってたかというと、読んでいなかったので一番古かったのは2021年12月のイベントである感光注意報です。

ところで皆さん、『今回のシナリオイベントについて』は読んでいますか?
イベント開催時に毎回掲載される、いわゆる「あらすじ」のことです。

この画面

実はこのあらすじ、めちゃくちゃポエミーで素晴らしいもの揃いなんですよ。
ただイベントの内容をまとめただけのものではありません。
ピンと来ていないという方は、まぁとにかく見てください。
理解(わか)ると思いますんで。

ちなみに、この『今回のシナリオイベントについて』、昔はイベントが終わると読み返すこともできなくなってしまっていました。
今は、Pデスクの思い出欄からこれらの文章自体は見ることができます。
でもPデスクの画面で見ると、この『今回のシナリオイベントについて』が、フォントや文字の配置等にまでこだわって作られていることが分からないんですよね。
(ちなみに上の例の『ゴシップ・キャンディ!-魔法の本とおかしな食べ物-』は、フォントにこだわりがあることが一番わかりやすいやつです。)
そこで、今回のランキングでは、できる限り各イベント当時の画面のキャプチャを探してきて載せています。

前置きはこれくらいにして、早速行きます。
なお、この記事を書くにあたり、ランクインしたイベントは読み返しています。
このあらすじを念頭に置いて読み返すと、また違った味があって良かったですね。
今回はイベントの中身をめちゃくちゃ語る回ではないですが、各イベントについて多少?のネタバレを含みますので、そこだけ要注意です。

10位 

くもりガラスの銀曜日

(キミに、伝わりますように)
(キミが、伝わりますように)

いきなり、なぜわざわざこの『今回のシナリオイベントについて』の画面をキャプチャしたのか分かる一枚です。
フォントからも、最初と最後の対比からも、このくもりガラスの銀曜日というイベントの静謐さがよく感じられます。

この画面じゃ物足りないぜ

オープニングのサブタイトルである『雨粒のインク』、第一話の『食パンとベーコン』、第二話の『素敵色のハニィ』と一話ずつ語っていくことで、連作短編式のイベントであることを意識させるのも見事な作りです。
最後まで語り切らずに第二話で止めるのも、期待を持たせる演出が憎いですね。

そもそも、このイベントについて「忘れものをたどる連作短編」と明確に書いているのもポイントが高いです。
正直、これから挙げていくヤツらの中には、「本当にこれはイベントの説明なのか?」というものも結構ありますので。

9位

Straylight.run()

——黛冬優子はため息をついた。

このあらすじの出だしの『ゼロ年代名作ラノベの一巻』っぽさがあまりにも好きすぎるんですよね。
自分がもしラノベを書くなら、冒頭は「——◯◯はため息をついた。」でもう決まりじゃないですか?

しかも、実際にこのイベントがストレイライトの始まりのイベントなところも良いです。
この文章はやっぱり、 2巻じゃなくて1巻の冒頭ですからね。
好みもかなり入ってますが、『あらすじ』として見てもばっちりなヒキがあると思いますので、ランクインとさせていただきます。

8位

天檻

どうです、あの獣は捕えられましたか

何なんすかねこれ?(芹沢あさひ)
いや、読めば一応、『あの獣』は『クジラ』だと分かるは分かるんですけどね。
「閉じ込めて生かしておける檻がない」というのも、ほぼそのままの台詞で登場しますから。
いや、だとしても……何なんすかねこれ?(芹沢あさひ)
というか、終盤で急にスンってなるんじゃないわよ……(黛冬優子)。

7位

流れ星が消えるまでのジャーニー

流れ星が消えるまで
一緒に、少しだけ旅をしよう

これだけで既に本編も名作であることが保証される、確定演出のようなあらすじです。
くもりガラスの銀曜日とかもそうですけど、ある程度歴史のある作品で過去編みたいなことをされると、オタクはみんな横転して椅子から転げ落ちてしまいますからね。

しかもこの文章、他のあらすじでもよくある単なる三人称系と見せかけて、実はコミュを読むと誰視点なのか分かるようになっています。
出会った日からたくさんの時間を過ごしていて、キミたち(甜花と甘奈)を見ている存在。
もちろん(?)、デビ太郎です。
流れ星が消えるまでだと思うと、とても切なくて温かいあらすじですね。

「「デビ太郎! デビ太郎! デビ太郎!」」

6位

セブン#ス

わたしがわたしになるための、
1000カラットの物語を

シーズの最初のイベントである『00-ct. ——ノー・カラット』の伏線をここで回収します、とあらすじから断言しています。
これは、シーズの物語にこのイベントで一区切りを付けるという宣言であり、相当気合が入っていないと書けない言葉でしょう。
ここまで事前に読者を期待させて大丈夫か?とこの画面だけ先に見たら思ってしまいます。
自分で自分を追い込む制約と誓約によってこれだけの名作コミュを生み出したというのか……?

しかも、この画面にはとんでもない絵も映ってしまっているわけじゃないですか。
イベントsSSRは良い絵多いですけど、この絵はちょっとぶっ飛んでますからね。
あらすじの文章そのものではないですけど、これ見たらそりゃ期待感が凄いことになりますよ。
絵も併せて、「この画面でどれだけイベントへの期待感を煽れるか」という目線で評価するのであれば、6位どころかトップクラスと言っていいと思います。
というか、コミュの中でこの絵が画面に表示された瞬間、思わず大声を出しちゃいましたよ!
今もまだ興奮しちゃってて、今日はもう眠れそうにありません!
社長は泣いてしまって~

5位

アンカーボルトソング

あの日もこんな雨だった
あの日もこんな雨だったのに

「前とは……違うって感じ、だけ……残った……」
「ミルクティーの……膜みたいに……」

まず、実は私はこのアンカーボルトソングのイベントが狂おしいほど好きです。
「あの日とは違う感じ」を、冷めたミルクティーの上に張る膜と表現するのは本当に凄いと思いますし、このセリフが甜花のものというのもまた凄いですよ。
甜花って、ポジティブな表現としては「にへへ、◯◯みたい……」とか言うキャラではあるので、ネガティブな場面でこういうことを言ってもスッと甜花の言葉として受け入れられるというか……。

話が逸れましたがなにが言いたかったというと、このアンカーボルトソングのあらすじは、『あらすじ』という意味での完成度ならおそらく今回挙げる中でもかなり上位だと感じるということです。
美しい文章で完璧にこのイベントの内容を説明してくれていると思います。
文章はもう完成していて語ることがないので、思わずイベント本編の感想を語ってしまいました。すみません。

4位

アイムベリーベリーソーリー

夏のどこかで、わたしたちは少しだけ何かを間違える

序盤はめちゃくちゃ真面目にイベントの紹介をしていると見せかけて、中盤で突然変身して最後は激エモな一文で〆るという二段構えの怪文書です。
アイムベリーベリーソーリーは、『作中作であるゲームの地の文』という形で、シャニマスには珍しく三人称視点の文章が展開されるので、その文章の雰囲気を先出しした形とも言えます。

しかし、とにかく最後の一文の凄まじいパンチラインに脳を破壊されますね。
例えば映画でこんな番宣されたらそりゃ観に行きますよ、誰だって。

しかも、実はこの物語は「少しだけ何かを間違える」ところで終わる話ではなく、「間違えたあとの物語」であるということは、読んでみないと分からないのがミソです。
アイドル達も寡婦も花屋も、この話の中で「間違え」なかった人は一人もいないわけですが、そこで終わるわけではないというのがこのイベントの大事なところですよね。
「相手の気持ちに立つ」というのが物語の明確なテーマですが、もし一度相手の気持ちに立てなかったら終わりなのかと言えば、そうじゃないというお話でもあります。
こういった本編の内容を全く匂わせないようでいて、でも少し伝わってくる、そんな絶妙な塩梅の「あらすじ」です。

3位

ロング・ログ・エンドロール

でも、もうこどもじゃないからね。
手を引いてくれる人はいないけれど。

先に一つ断っておくと、3位と2位はキャプションの画像の切り取り方が他とちょっと違います。
同じ画角の画像が見つからなかったイベントがいくつかありまして。
(もし誰か持ってたら差し替えたいので画像をください。)

と、そんなこと吹き飛ぶくらいにこのロング・ログ・エンドロールの文章はヤバいです。
文学表現っぷりに泡を吹いて倒れます。
虫の声を「じわじわ」の擬音で表現してるのは初めて見ましたが、これだけで『あの日の夏祭り』の情景が頭の中でフラッシュバックしませんか?
このイベントは、今を占う『とことわ』のおみくじと、未来を占う『かなえ』のおみくじのうち、『とことわ』を選ぶと神社に囚われて未来に進めなくなる、みたいなちょっと怖い話なわけですけど、このあらすじを読むとノスタルジーが極まって『とことわ』を選びたくなりますよね。

何が仕事だよ。
俺は小学生なんだ。
誰が何と言おうと小学生なんだ。
シロップかけ放題のかき氷屋台で、メロンといちごを両方かけたらなんか茶色いシロップになって、やっぱ普通に一種類にしとけば良かったと後悔してるとこなんだ今。

でも、もうこどもじゃないからね。

2位

線たちの12月

たとえばここに羽を描くとして

すごい文章過ぎて、何か作中に登場する本の引用か何かなのだろうかと一瞬思ってしまいます。
そんなことはなく、完全オリジナルな上にそもそも本編には登場しない文章なわけですけどね。
しかし、読めば読むほど、時を超えて羽ばたき、あるいは実を成したあのクリスマスカードのことが思い浮かぶという、圧巻の比喩です。

線たちの12月というタイトルの『線たち』は、咲耶と透、凛世と小糸、灯織とルカといった面々の横の繋がりを表しているんだと最初は思いましたが、このあらすじを見て改めて考えると、時を超えた手紙という縦の線も表しているのではないかと思えます。
つまり、本編読んだ後に改めて読み返しても良いんですよね、この文章。

パッと見のインパクトと、本編読了後に読んだ時の納得感、『両方』備えなきゃならないのが『あらすじ』の辛いところだよな(ブローノ・ブチャラティ)。

1位

かいぶつのうた

このせかいに、かいぶつはいない

これはいくら何でも“やってる”。いや、やりすぎ。
『今回のシナリオイベントについて』という趣旨で、コミュを読む前にこれだけ見る分には何の説明にもなっておらず、逆にコミュ読後にこれを読むと全てをネタバレしてるかのような内容になっています。
だって、多少なりとも事前にこのイベントを説明しようとするのであれば、あらすじとしてはむしろ「このせかいには、かいぶつがいる」になるはずですからね。
そうじゃなきゃ『怪物さがし』にならなくなってしまいます。
「かいぶつはいない」と言ってしまうと、雨竜さんという存在や、今回のイベントの核心に対する大ネタバレです。

でも、このたった一行しか表示されていない画面が、このイベントの雰囲気とマッチしていて素晴らしいんですよ。
誰も勝てないですよ、このインパクトには。

おわりに

この記事を書くにあたり、最初は全イベントの画像を貼ってまとめようと思っていました。
しかし、シャニマスの歴史も長くなってきたので、それをやると記事が長大になり過ぎて大変そうだということで断念し、結局ランキング形式にしました。
とはいえ、実はランク外のイベントの中にも、ゲーム内のPデスクでは分からないけどフォントにまで凝っているものもあります。
文章に色が付いてたりするのもあります(一応、上に挙げた中でもアイムベリーベリーソーリーにちょっと色付いてますが)。
もし自分の好きなイベントで、『今回のシナリオイベントについて』が見たいものがあれば、調べてみるのもいいかもしれません。
インターネットにはこの世の全てがあるので、だいたい見つかると思います。

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