【第498回】さまざまな国からも表現規制案が!どうなる?新サイバー犯罪条約の行方!(2022/06/08)【#山田太郎のさんちゃんねる】文字起こし風要約
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今回のさんちゃんねるについて
めぐめぐ:
みなさんこんばんは山田太郎のさんちゃんねるの時間です。この番組は、表現の自由をめぐる問題をはじめとして、さまざまな政治的な話題について、一緒に考えていこうという目的でお送りしております。
本日の特集は、さまざまな国からも表現規制が?新サイバー犯罪条約について。また、今回もトピックスが盛りだくさん、ゲーム・ネット依存続報、UN Women続報、刑法175条についても取り上げます。
ぜひともチャンネル登録・いいね・コメント・実況ツイート等をよろしくお願いします。
山田さん:
今日もてんこ盛りなんですけど、久々に赤松健さんも来てくださいました。
赤松さん:
よろしくお願いします、今47都道府県全国行脚中でございます。
山田さん:
どうですか、手応えというか、周りの。
赤松さん:
どこに行っても、読者や支持者の方がいて元気をもらえます、今まで0だったことがないです。
山田さん:
良かったです、では駆け抜けてください。
赤松さん:
頑張ります。
山田さん:
ではまず最初はニュースから。
ニュース 改正児童福祉法成立 18歳上限を撤廃
山田さん:
ということで、改正児童福祉法なんですけれども、これも私が結構かかわっています。それとこども家庭庁ならびにこども基本法が重要で、この3法が大事な法律なんです。
やっとニュースになりましたが、結構こども政策の中で大事だということで、メディアやマスコミの人たちにとにかく重要だと言い続けて、せめて成立した場合には大きく書いてねと言って、成立したのでやっと書いてもらえました。
ツイッターの一部で私が単に児童相談所を強化してこどもを(親から)引き離す悪魔のように言っている人がいたようですが、そうじゃないですから、今回ちゃんと司法審査を入れることによって、児童相談所に行き過ぎた判断をさせないように担保しました。
何でもかんでも施設に送るということではなく、家庭統合が最終的には一番いいのだから、どうしてもそれでも家庭に統合できないケースは里親だったりとか、特別養子縁組というのもあるよねという話なんです。
それから虐待等の児童福祉士のレベルが低いというか、児童福祉士はきちっと児童に関する勉強をしておくべきだということで、これは国家資格にするかどうかでもめたんですよね。
今回国家資格は見送られたんですけれども、十分な知識や技術を求めるということに関しては、専門家の重要性ということがきちっと定義されたということ。
あとは養護施設の子ども自立支援で年齢制限を撤廃しました。これはこども基本法の中でも、こどもの定義に関しては成育の過程にある者というふうにして、18歳とか20歳と言っていないんですよ。
就職したり自立するにはもうちょっと時間がかかるのに、18歳を過ぎたからといって、すぐ施設を追い出されちゃって路頭に迷うということもあるから、必要なケースにおいては22とか25まで面倒を見るべきじゃないかということも相当議論がありました。
いずれにしてもまたこども特集で、こども家庭庁とこども基本法が通ったときにまとめてやりたいと思います。
ニュース ゲーム依存症、低年齢化が進む?
山田さん:
まず読売新聞には報道内容の修正を求めたいと思います。
『「ゲーム依存症(ゲーム障害)」世界保健機関(WHO)が2019年、精神疾患として認定した病気です。』というのは嘘です。
(WHOは)精神疾患として認定なんかしていません、何度も何度も言うんですけれども、メディアはデタラメ書かないでもらいたい、しっかり調査をして書いてもらいたいと思います。
WHOはこのGaming Disorderはあくまでも統計分類上のものとして提唱したということであって、精神疾患として認定していません。
精神疾患を国内で認定するには、厚労省を含めた審議会でこれを病気、あるいは疾患というふうに担保しなきゃいけないんです。
こういうデタラメをメディアが書くからいろいろおかしくなるというふうに思いますので強く抗議をしたい。
最近樋口さんは記事の中で言ってるように「ネットやスマホは生活に深く浸透しており、完全に断つのは難しい。禁止ではなく、ゲームとの付き合い方をコントロールできるようにすることが大切です」と、随分論調が変わって来ました。
断つことは難しいと認めた、禁止しろと言っていない、コントロールできるようにすることが大切ですというのはそのとおりなので、(あの)樋口医師すらこういう論調になってきているんですから、新聞は本当に子供たちのことを考えているのであれば、こういう記事は改めてもらいたい。
トピックス UN Women続報
小山さん:
UN Womenのアンステレオタイプアライアンスに関しまして、外務省と内閣府が後援名義を出しています、国としても支援している国連の組織が、日経新聞の広告にケチをつけたという構図です。
これは非常に問題なんじゃないか、憲法的にも問題があると思うんですけれども、まず外務省に「UN Women日経新聞社に対して抗議をしたことは適切な行為であったと認識しているんですか?」と聞いたところ「ご照会の件については、国連女性機関と日本経済新聞社との間での話であるため、政府としてお答えする立場にはありません。」と、非常に他人事のような感じでした。
同じく外務省に「今後UN Womenに対して、是正を求めるなどの働きかけを行う予定はあるんですか?」と聞いたところ「本件は国連女性機関と日本経済新聞社との間の話であるため、政府として働きかけを行う立場にはありません。」と。
「仮にUN Womenに対して是正を求めない場合、外務省はアンステレオタイプアライアンスに対する後援名義、ノミナルサポーターを取り消し措置などをとる予定はあるのか?」ということに対して「アンステレオタイプアライアンスについては、UN Women側から提出された資料等により、その活動について把握した上で、同アライアンスに加盟する日本企業による活動に賛同するものとして、後援名義を出すこととしたものです。」ということです。
山田さん:
まずこれポイントなのは、日本政府も後援名義を出していますし、アライアンスの1会員として、内閣府と外務省もサポーターとして入っている。
サポーターであれノミナルサポーターであれ、内閣府・外務省はそのアライアンスの規約は、もらっていない・持っていない・承知していない。
小山さん:
内閣府はのUN Womenの日本事務所に問い合わせて、外務省は国連本部のUN Womenに問い合わせて、(規約は)両方出せませんと。
山田さん:
日本国は税金でサポートしていて、かなりの拠出金を出しているわけですから、どういうものに後援しているのか問われるべきだと思います。
そもそも論点になっているアンステレオタイプアライアンスというのは何なのかわからない、わからないのに、国連の公式な組織から日本の企業が言われて、それ自身が表現に関しても影響を与えるんじゃないかというところを問題視して、では何が違反したのか知るべきだよね?
小山さん:
わかりました出せないというんだったら、後援名義のときに提出された資料一式を情報公開制度で出してくださいと言ったところ、ちょっと今日までは間に合いませんでした。
外務省の後援名義等の使用許可申請要領によれば、政治団体、それらに類した団体には後援名義を出せませんと、アンステレオタイプアライアンスは、これに該当しないんですか?と聞いたところ、該当しないと思いますと。
政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対すること(政治団体の定義)まさにバッチリ当てはまりそうな団体なんですけど。
さらに外務省は「政治の要素が強い事業等に後援名義は出せません」と言っているんですけれども、月曜日のたわわへの抗議は、まさに政治の要素そのものな気がするんですけれども?と言うと、外務省としては「ジェンダーに基づく固定観念を撤廃し、女性のエンパワーメントを促進する本件取り組みが、日本国内の企業社会文化におけるジェンダー平等の推進の観点から有意義であると考え許可した次第です」と。
山田さん:
別に国連の全て否定するわけじゃないし、尊重もしているけれども、だからと言って我が国の文化に対してある種介入をしてきて、それはジェンダーという文脈の中でどこまであり得るのかということは問われると思うんですね。
小山さん:
問題としては、中立性公平性が本当に保たれるのかを確認できる仕組み、情報公開制度のようなものがないことと、例えばこういうものは事前に国連側でチェックしますみたいな条項があったら、それは国がやったら完全に検閲ですけれども、本当にそれは大丈夫な規約なんですかと、国が何も知らずに後援名義出していますというのもちょっと怖くないですか?と。
山田さん:
出せない出せないって何か怪しいんじゃないかとなっちゃうので、ちょっとこれは引き続きやりたいと思います。
トピックス ゲーム・インターネット依存症問題続報
小山さん:
先ほどのゲーム・インターネット依存症に関する記事、山田さんが指摘したところも間違いだったんですけれども、そもそも厚生労働省研究班による調査で、インターネット依存が疑われる中高生が93 万人と推計と。
小山さん:
厚労省に誰がいつ、この病的なインターネット依存が疑われる中高生が93 万人に上るという公表したのか教えてくださいと言ったところ『飲酒や喫煙等の実態調査と生活習慣病予防のための減酒の効果的な介入方法の開発に関する研究』と、お酒の話でした。
山田さん:
これについては我々がずっとやってきたゲーム勉強会の中でも厚労省が認めているのは、これはインターネット依存のため行われた調査ではありませんと、そこの中になぜかインターネットがどうだこうだということが書かれているのがそもそもおかしい。
インターネット等の影響があるかどうかということについて、厚労省の担当部署じゃなくて、関係ない違う部署が勝手にやった。だから厚労省は知らんと。
小山さん:
静岡県の教育委員会などがこの93 万人というのを大々的に使って、自治体でもネット依存対策推進事業をやりますと、誤解に基づいた政策決定が行われていることになります。
小山さん:
これはブキッキオさんの報告と一緒で、なぜか間違った調査発表とかが、国会の審議の場でも根拠として使われているパターンと同じようなもので、(厚労省から)違うと言ってくれとお願いしたところ「静岡県に対し、正確な研究成果内容を共有させていただく予定です。」とかなり前向きな。
山田さん:
この調査がかなりインターネット依存に対して世論を動かして、結局ゲーム規制に関してもつながっていった元なんですが、根拠が希薄なのでもう崩れてきちゃった。
厚労省は今回これを認めて文書で出してきましたので、しっかり広報周知をしていって、正していく必要があると思っています。
小山さん:
さらに厚生労働省は厚生行政の対象に「インターネット依存」への対策が含まれているとの認識ですか?と聞いたところ「インターネット依存」については定義がなされていないため、厚生労働省において対策を行っている疾病としての依存症には、「インターネット依存」は含まれないものと考えていますと。
小山さん:
さらに厚生労働省では、「インターネット依存」を疾病や精神障害であると認識しておりません。と。さっきの記事ではインターネット依存が病気だというんですけれども、そういう認識は少なくとも国では持っていません。
小山さん:
最後に厚生労働省は「インターネット依存」もしくは「インターネット依存が疑われる」人数について把握しておらず、そのための調査は実施していません。ということです。
小山さん:
ゲーム障害に対しても、人数を把握していないし、調査もしていませんということなので、やたらと新聞報道やネット記事でインターネット依存何万人とありますけど、あれは科学的なエビデンスのない、非常に怪しい調査結果です。
精神障害のようなものは、構造化面接をちゃんとしない限り、診断がかなりあやふやで、いくらでも数字がズラせますと、過大にも過小にもできるというものですので、報道する側というのはもっと気をつけないといけないのではないかというのが、ゲーム障害勉強会をしていて、常に思ったところです。
赤松さん:
この辺をNHKのサイエンスZEROとかに樋口院長が出て、センセーショナルなことを言うんですけど、そういうところは勉強会とか言葉の定義とか、ちゃんとしていかないと非常に危険ですよね。
なんかこういう「ゲームより家族との対話を大切に」とか言うと、やはり国民に受けるから気をつけないといけない。
小山さん:
さらにWHOにICD-11にインターネット依存、もしくはインターネット障害が入っていない理由を聞いたところ、エビデンスが不十分だからですと。
SNSやスマートフォンの使用を含むインターネット使用についても、エビデンスが不十分なため、含まれませんでしたと明確に。
なのでここが議論のスタートで、ここを基準にしないとおかしくなるでしょということです。
トピックス 刑法175条問題 出版物ノリ修正 IHC 続報
小山さん:
6月3日、警察庁から刑法175条関連でレクを受けました。いろいろと出した出さないという噂話のレベルですけれども、かなり我々の事務所にもお話があったので聞いたところ、警察庁は承知していない、そもそもノリ修正って何ですかぐらいの感じでした。
これは鵜呑みにするわけにはいかない部分もあるかと思いますけれども、プラスで各都道府県警が勝手な基準でやっているようにも思えるんですけれども、地域性はありませんと。
小山さん:
前回刑法175条のわいせつって何ですかというときに、結局モザイクのありなしですという話になったんですけれども、警察にわいせつの定義を聞いても、最高裁の判例を言うだけでよくわからないと言いつつ、警察庁から業務委託をしている、このインターネットホットラインセンターでは、明確にわいせつ・アダルトの定義がされていまして、性器が明らかに確認できる無修正画像やそれに近い画像がわいせつ・アダルトだと。
小山さん:
件数はこんな感じです、ちょっと年によってばらつきがありますけど、この運用についてもいろいろと課題があると思いますので、今後もやっていきたいと思っております。
特集 さまざまな国からも表現規制案が!どうなる?新サイバー犯罪条約の行方!
山田さん:
これは何かと簡単に言うと、現行のサイバー犯罪条約、いわゆるブダペスト条約と言われるものと、新サイバー犯罪条約というもともとロシアが主導してやっていた新条約があります。
結論から言うと、この新サイバー犯罪条約はもともとロシアが出してきているから、ウクライナの状況を見て話は進まないのではないかと思っていたところ、なんとオーストラリアとかエジプトとか、その他の国々まで賛同し始めた。
各国がマンガアニメゲーム等も含めて規制するべきだと、新サイバー犯罪条約で言い始めたということを重要な論点としたいと思います。
現行のブダペスト条約に基づくサイバー犯罪条約では、私も努力して閣議決定としてとった、いわゆる留保の確認がとれているから、大丈夫だということだったんですが、新サイバー犯罪条約の話が進んでいくと、マンガアニメゲームが規制されてしまう可能性が高いということで、国連では結構大変な議論がされています。
かなり厳しい状況で、今の段階では留保の条項もまだないということなので、前回は留保できたからいいんですが、このまま通ってしまうようなことがあれば、かなり厳しい条約になるということで、ちょっと詳細を説明したいと思います。
小山さん:
日本もこの新サイバー犯罪条約に反対の立場でしたが、規制強化派は79票賛成を入れて、作るための議論をするということが決まってしまったのが、2019年の12月でした。
小山さん:
ざっとおさらいんですけれども、現行のサイバー犯罪条約でも、児童ポルノの定義に非実在児童ポルノ規制が含まれちゃっています。
小山さん:
ただ留保規定があって、日本は留保することによって、このサイバー犯罪条約で非児童ポルノ規制の義務は負っていませんというのが山田さんの確認したところでもあります。
山田さん:
問題なのは9条2項のcで、マンガアニメゲームはアウトなんです。
小山さん:
今のb・cを留保しているのは日本以外にもありますので、これらの国々とはある意味で、今回も歩調を合わせられる可能性があるとも言えますが、お互いの国はそれぞれ自分たちの都合で動いていますので、ちょっとどうなるかというのは予断を許さない状況です。
小山さん:
オーストラリアはオンラインでの児童の性的虐待及び搾取に関連する犯罪草案というものを出してきました。ちょっと機械翻訳なのでわかりにくい話なんですけれども、描写が基本的に含まれるということで、実在・非実在は関係ありませんので、非常に気を付ける必要があるかなと。
小山さん:
(b)(c)は非実在に親和性のある表現です。さらに自殺の助長または強要という項目もあります。
小山さん:
提案2、電子ゲームを通じて(以下省略)。
これに対して日本もいろいろとステートメント(声明)を出しています。
山田さん:
日本は、 僕もかなり外務省とやりとりをしながら、何とかこれが通らないように日本のステートメントを強く、はっきり表現の自由ということについて出してくれということでやりとりをしています。
表現の自由が不当に侵害されないよう、各国の事情を考慮して国内法を整備する余地を確保するというのは、仮に認めるにしても留保ができる、各国の文化等の事情によって判断ができるにしようということで、留保もできるようにはしておいたんですね。
赤松さん:
これはリスナーの方々わからないと思うんですけど、我々作家とか出版者は反論とか声明を出していないです、つまり現場で交渉するのは外務省なんですが、その外務省の人たちに、山田事務所がこうして欲しいよということを言って、外務省がう~んわかりましたってことなんです。
山田さん:
これはぶっちゃけうちがやらなかったらやっていない。もしこれがそのまま通って留保がないまま条例が出来ちゃったら…
赤松さん:
全滅ですから、みなさん。(山田さん)一人でもってるんだから。
山田さん:
だから早くあれして(意味深)二人でやりたいということなんですよ。
小山さん:
児童ポルノに関しても日本のステートメントは出ています。
山田さん:
ちゃんと実在児童については日本は犯罪化を支持しますよと。
小山さん:
ただし、未成年者と思われる人物や実在しない児童が(中略)未成年者が直接虐待を受けることがないことや、表現の自由の重要性を考慮し、慎重に検討すべきと考えていますと。
これは反対ですと明確に言っていると読める文章で、これが日本の立場です。
小山さん:
日本だけでなく、いろいろなところからも若干疑問が呈されています、オンライン上の表現内容に基づく犯罪(「コンテンツ犯罪」)を含むことを避けるべきである、要するに、非実在児童ポルノ規制はやめるべきであると。
サイバー犯罪法は表現の自由に過度な制限を加えるために利用されてきましたというのが、国連人権高等弁務官事務所からのメッセージ。
山田さん:
国連の中にもこういう人もいるということで、この人たちと手を携えて、日本外務省も一生懸命やってもらいたいということです。
小山さん:
EUの独立データ保護当局も見解を出していて、これは少しわかりにくいんですが、この新サイバー犯罪条約はEUのルールと抵触する部分、特にデータ保護とプライバシーに関する基本的権利の重大な侵害を行う場合には、ちょっと難しい部分があるんじゃないですかぐらいのニュアンスです。
小山さん:
日本の方針は、新条約策定交渉に積極的に参加する必要がありますと、傍観しているだけだとやられっぱなしになりますよということで、うちの事務所からの外務省への働きかけなどもして、さっきのステートメントを出してもらったりしています。
小山さん:
特に、サイバーを本質的要素とする犯罪としない犯罪で、サイバーで出来る犯罪というぐらいだと相当対象が広がります。それはちょっと国際的に国連の条約の中に盛り込むのは、やめた方がいいんじゃないですかというのが日本のスタンスで、我が事務所としても生煮えの議論で、変に表現規制につながるような条項を留保なしで入れられたりすると大変なので。
山田さん:
これを放っておくとブロッキングになっちゃう。(例えば)電話とかでも詐欺があるわけで、それをサイバーだから、サイバーの犯罪は全部取り締まるのだということになったら、最後はブロッキングしちゃえばいいってことになっちゃう。
究極の表現規制はブロッキング、全く見せない。しかもブロッキングするということは、中身を事前に全部見るということだから、検閲そのものなんですよね。
そこに陥らないように、サイバーを本質的要素としない犯罪は(新サイバー犯罪条約の)対象にしないのだということを強く、ポジションペーパーをつくってもらいました。
小山さん:
児童ポルノの定義なども今後、本当に犯罪かというのが第2回のセッションのテーマの中心だったので、今後どうなっていくか注視が必要ですし、留保はどうなるのか、
小山さん:
通信の秘密、プライバシーの関係がどうなるのか、引き続き我々の事務所としてもちゃんとコミットしていきたいなと思っています。
山田さん:
ブキッキオ発言のときから、ああいうのを放っておいたら、日本の立場がおかしくなるぞということで、いわゆる国連の報告者等が出してきたものに、反論をしたというほぼ初めての経験だったんですよね。
そのときにやはり日本は評価されたし、変な形で宣伝されないで済んだということについては、この条約のフロントの担当者との信頼関係はあると思っています。
今回の特集のまとめ
山田さん:
もう一度言いますが、新サイバー犯罪条約、これはもうロシアだけではなくて諸外国多くが、いわゆるマンガアニメゲームを含むものを規制しろということを言い始めているし、留保規定がないかもしれないという中で、多数決で決められてしまう可能性があるということで、かなりやばいんですよ。
だから先回りして、うちも知恵を出して日本政府に対する支援というのを一生懸命やっていますが、反対している国の方が事実上少ないんですよ。
ただ、日本は論理的にしっかりしたものを出しているので、何とかこれで押していこう、少なくとも留保条項を勝ち取るというのが重要。
前回のサイバー犯罪条約も、原案では非実在も規制対象なんだけれども、日本は留保できたというところがあるから、最終的にはそこを全部書き換えるのはかなり厳しいなと思っていますけれども、今回はこのままだと留保ないからね、そこはすごく緊張な状態にある。
国内でどんなに表現の規制云々を頑張っても、ここでミスったらもう全部終わりですから、そんなに甘くないですからねこれ。
メディアにも働きかけたんだけど何だかよくわかりません、ちょっと山田教えてくださいぐらいの感じなんですよね。
小山さん:
国連人権高等弁務官事務所からのメッセージが結構大事なポイントかなと思っていまして、世界は別に民主主義はそんなに求められていない風潮が強くなっている気がしますというか、独裁主義みたいな話になってくると、何でもかんでも犯罪化して国家が見れますよってした方がいいに決まっていますので。
どういう背景でこの条約が通ろうとしているのかをもっとしっかり考えて、それは外交的に国連の理念とも違いますよということを言いながら、しっかりと日本がリードして、おかしくない方向に持っていかなければいけなという気がしました。
山田さん:
別に国連の全てを否定するわけじゃないんだけれども、少なくとも国連が言ってるからそうなんだというのはおかしい、日本も国際的な地位を確立するためには、国連に対しても、拠出金も世界で2番目に出している国としては、強く言っておくべきだと思いますね。
山田さん:
世界の流れはこうなんです。その中で日本はたぐいまれなる、表現の自由が保障されている国なんですよ。だからこそ、我々は先頭で守っていかないと、国際的グローバルスタンダードだというふうに言っちゃったら自由は全くなくなりますよ。
世界の潮流は残念ながらこれなんですということを、やはり我々は肝に銘じながら戦っていくということ、単に表現の自由が大事だとか、守らなきゃいけないとか、ちょっとしたことではとてもじゃないけれども、今表現の自由が守られる状況じゃないということも、皆さんには知ってもらいたい。
小山さん:
このサイバー犯罪条約以外にも結構あります。サイバー犯罪条約の下のインターポール決議。こちらは国の捜査機関が見られない暗号化は勘弁してくれと、国家が通信も表現も管理したいんだと、そういう流れがこのサイバー犯罪条約やインターポール決議と読めますので、結構まずいということは我々も知っておく必要があると思います。
山田さん:
世界はこういう状態だということも皆さんと認識しながら、何としても闘っているということで、頑張っていきたいと思います。
ということで、今日はこれぐらいにしたいと思います、どうもありがとうございました。
追伸
赤松さん:
全国47都道府県で演説行脚(6月8日時点)あと、高知、徳島、香川、三重、山梨、茨城、千葉、神奈川、埼玉行きますから、絶対来てください。
みなさん、今日のさんちゃんねるはいかがでしたでしょうか、ぜひともチャンネル登録・いいね・コメント、感想などを「#山田太郎のさんちゃんねる」を付けてツイッターに投稿をよろしくお願いいたします。
虹杜コメント:
今回の文字起こしは以上です。今回も文字に起こす過程でカットした部分がいろいろありますので、しっかり詳細を確認したい方は是非動画の方をご覧下さいませ。
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