【第602回】(後半)AFEE副代表出演!衆院選2024振り返り!(2024/11/6) #山田太郎のさんちゃんねる 【文字起こし】
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発言者:
(山田さん) 山田太郎 参議院議員
(炬燵さん) 炬燵どらごん AFEE副代表
(小山さん) 小山紘一 政策秘書・弁護士
AFEE副代表と振り返る衆院選2024
(山田さん)
さて、次に進みます。AFEE(エーフィー)の副代表である炬燵どらごんさんにお越しいただきました。ありがとうございます。よろしくお願いします。
AFEEの代表は坂井さんが務めていますが、今回は都合により出席できないため、副代表の炬燵どらごんさんにお越しいただいています。衆議院選挙において、AFEEがアンケートを実施し、意外な結果が出ました。
各議員が表現の自由に関してどのように主張しているかを調査したこのアンケートについて、皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
まずは炬燵どらごんさんの自己紹介です。彼はオタク文化を専門とし、スーパーファミコン、特に90年代のレトロゲームRPGに詳しいです。現在はテレビゲームの企画職として働いており、今日は仕事が終わってから参加してくださっています。お疲れ様です。
(山田さん)
炬燵どらごんさんと言えば、美少女化(カコジョ)で知られていますが、最近は少し活動が減っているようですね。
(炬燵さん)
理由としては、一通りやり尽くしたことや、AIによる加工に対する風当たりが強まっている点が挙げられます。ただ、自分で撮った写真を加工するため、著作権に関しては問題がないと考えていますが、それでもいろいろと考えるところはあります。
(山田さん)
表現の自由の活動を続けてこられたとのことです。
(炬燵さん)
2016年から、当時TPPの著作権非親告罪化に関する記事を見て、これは重大な問題だと感じ、そこから応援を始めました。
(山田さん)
ところで、「炬燵どらごん」という名前の由来は何でしょうか?
(炬燵さん)
特に深い意味はないです。子供の頃、炬燵の中で猫がどらごんになると想像したことがあり、また、エゴサーチをしても他の人と重ならない名前を選びました。
AFEEとは
(山田さん)
次に、AFEE(Association for Freedom of Entertainment Expression)について簡単に説明いただきたい。
(炬燵さん)
これは「エンターテイメント表現の自由の会」という団体で、マンガ、アニメ、ゲームなどのエンタメ全ジャンルで消費者の権利や利益を守ることを目的としています。
代表は山田太郎さんの元秘書である坂井さんが務めています。活動内容は、政治やビジネス、社会、文化メディアといった多様な分野を繋ぐネットワークの構築や、コミケに合わせての街宣活動、年2回発行される「AFEEマガジン」の頒布、そして勉強会の開催などです。
(山田さん)
以前は、コミケの街宣活動には数人しか参加していなかったのですが、最近では超党派の支援も増え、50人を超える議員が参加するようになりました。自分たちが細々と活動していた頃と比べて、多くの人が「表現の自由は大事だ」と表明する場ができたことを嬉しく思っています。
しかし、コミケでの街宣の時間が以前より短くなり、現在は20分程度しか取れないため、少し寂しさも感じるそうです。
表現の自由についてのアンケート
(山田さん)
AFEEのもう一つの特徴は、国政選挙(衆議院選挙や参議院選挙)だけでなく、都議選のような地方選挙においても議員にアンケートを実施する点です。今回の衆院選においてもアンケートを行いましたが、どのような内容だったのでしょうか?
(炬燵さん)
アンケートは大きく3つの質問に分かれています。1つ目の質問は、未成年に見えるキャラクターの性的あるいは暴力的な表現について、いわゆる「非実在児童ポルノ」と呼ばれることもある表現を法律で規制すべきかどうかを尋ねるものでした。また、その理由についても規制すべきか、すべきでないかを自由記述で回答してもらいました。
2つ目の質問は、表現の自由の観点から問題があると考えられるものを選ぶ形式です。選択肢には次のようなものがありました。
A. 刑法第175条のわいせつ物頒布規制
B. AV新法による規制
C. クレジットカード決済の制限
D. ポリティカル・コレクトネス(言葉狩りなど)
E. 新サイバー犯罪条約による創作規制
F. ジェンダー平等に基づく創作規制
G. 特にない
H. その他
さらに、その選択に対する理由も求めました。
最後に、「好きなマンガ、アニメ、ゲームの作品を教えてください」という恒例の質問も加えました。
(山田さん)
今回のアンケート結果で特筆すべき点は、1344名中741名、つまり半数以上が回答したことです。
(山田さん)
特に重要なのは、設問1の「実在しない児童キャラクターを描写した過激な性的・暴力的表現を含むマンガ、アニメ、ゲーム等を成人が所持・提供・製造することを法令で規制すべきかどうか」という質問です。この回答には驚くべきものがありました。
アンケート結果分析
(山田さん)
当選・落選を問わず、回答した741名の「法令で規制すべき」「規制すべきでない」「どちらでもない」政党ごとの回答数です。
(炬燵さん)
大半は「答えない」または「どちらでもない」というゼロ回答に近いものでしたが、規制すべきと答えた候補者も少なくありませんでした。
(山田さん)
AFEEの質問に堂々と「規制すべき」と答えるのは、まさに規制派の姿勢を表しています。一般的に、票を減らしたくないため回答を控えるケースが多い中、規制を支持する姿勢を明確にしたことは注目に値します。
さらに驚いた点として、規制派が多いと見られていた自民党が、最近はそうでもないことが明らかになったことです。また、野党の中にも「法令で規制すべき」とする声が多く見られました。
(小山さん)
質問の設計自体がテクニカルで、難しい要素を多く含んでいます。「過激な性的暴力等の表現を含む」といった部分に目を留めただけで、戸惑う回答者も多いと予測されます。
成人を対象とする規制という点が最も重要で、未成年者に関しては規制の賛同が得やすいものの、成人の所持・提供・製造に対する規制は、刑法175条と同様の理屈となります。これにより、単なるわいせつ物規制が暴力表現にまで拡大し、性器の露出がない場合でも「過激な性的表現」として刑法で規制される可能性が示唆されました。
結果として、「規制すべきでない」と答える人よりも「規制すべき」とする人がほとんどの政党で多かったという結果になったようです。
(山田さん)
当選者のみを対象にした場合の結果にも興味深い傾向が見られました。立憲民主党は、法令で規制するべきではないと回答した人が15名、規制すべきと回答した人が23名でした。自民党は、規制すべきではないと答えた人が20名、規制すべきと答えた人が23名と、やはり規制を支持する人が多い結果になりました。
(山田さん)
驚くべき点として、日本維新の会も法令で規制すべきと回答した割合が比較的高かったことが挙げられます。人気の高い国民民主党にも規制派が一定数見られました。この党派別の結果には驚かされる部分が多いです。
(炬燵さん)
質問の設計が厳しかったこともあり、規制派ではないと思われていた議員が「規制すべき」と回答するケースがあったことについては、設問内容を再考すべき点として挙げられました。
しかし、一方で本当に規制に反対する人たちも明確になったため、ゆるい質問にして無難な回答が増えるよりは良かったという評価もあります。
また、日本維新の会において規制派が多いのは、東西での地域差が影響していると見られます。コミケの街宣活動に参加していた音喜多さんなど、東京の維新の議員は「表現の自由を大事にする」と回答する傾向がありましたが、西日本では意見が異なる傾向も見られるとのことです。
(山田さん)
コミケ街宣をはじめとした超党派での活動には、表現の自由が政治的な関心を引く可能性があることが示されています。表現の自由が票につながる可能性を政治家が敏感に感じ始めていることは、良し悪しの議論があるにせよ、結果として表現の自由を守ることを宣言する人が増えているなら、喜ばしいことだと私は思います。
今回のアンケートの中で問題があると考えられた項目は興味深いものでした。特に「ポリコレ」に関心を示した候補者が多かったことが印象的です。
(炬燵さん)
自由記述をある程度確認したところ、「ポリコレ」に関しては、主に民間の風潮として「やり過ぎ」「生き苦しい」といった意見が多く見られました。問1で「規制すべき」と回答した候補者も、「ポリコレ」に生き苦しさを感じていることが分かりました。
(山田さん)
ジェンダー平等に関する項目も多くの関心を集めました。ジェンダー平等は政治主導で進められることが多いものの、政治家の中にも「創作規制は問題がある」と考える人が少なくありませんでした。
(炬燵さん)
質問の仕方によって、「問題があるから規制すべきだ」と受け取られて回答するケースも見られたため、自由記述から本音が垣間見えたのかもしれません。ジェンダー平等については、「ステレオタイプに対する目が厳し過ぎる」とする意見や、「ジェンダー的に排除すべき」という意見がそれぞれ見られました。
(山田さん)
新サイバー犯罪、AV新法、クレジットカード問題、そして刑法175条について話題に上がりましたが、特に「ポリコレ」が最も注目を集めるとは思っていませんでした。政治家として言葉で仕事をしているため、この問題に真剣に取り組む必要があると感じています。
(小山さん)
「ポリコレ」は根深い問題で、政治的な規制が存在しないことから、民間の空気として広まっているため、変革が難しいと感じます。文化的な要素が強い中で、「ポリコレ」は政治的意味合いを含んでいるものの、文化からの圧力を受けているようにも見え、対応策を見つけるのは難しいところです。
男女のジェンダー問題を含め、多様性を重視する人々がその価値観を押し付けてしまうことが、「ポリコレ」の実態の一部ではないでしょうか。これが正しいと信じる価値観が極端になると、それに苦しむ人が出てくることもあります。
それは想像力の欠如から来ているかもしれません。自分の多様性の価値観を他者に押し付け、その結果として誰かが苦しむことについて考えない人も多く、議論が成り立たないことが多々あります。
こうした状況を踏まえると、「受忍限度論」が必要とされる場面もあります。私自身、弁護士としてこの言葉をよく使いますが、表現の自由のもとで、双方がある程度我慢することが求められると考えます。
もちろん、誹謗中傷や名誉毀損、侮辱といった刑法で禁じられる行為は許されませんが、それを超えない評価に対して過度に反応するケースが増えていることも問題です。東京都でクレーマー対応が話題に上がる中、どこまでルールを設けるかは難しい課題ですが、基本的な自由を守るためにお互いが一定程度我慢し合うことが重要だと感じています。
(山田さん)
もう一度強調したいのは、この調査結果が非常に画期的であるということです。AV新法による規制に関しては65~70名の議員が関心を示し、刑法175条の問題についても60名ほどが問題視していることが明らかになりました。これが初めて可視化されたことは大きな成果です。
AV新法については、見直しの必要性が指摘され、議論の場に上がってきています。また、刑法175条問題に関しては、これまで議員間でも具体的にどう考えているのかが不透明でしたが、今回の結果で50名以上の議員が少なくとも課題として認識していることが確認されました。
これは非常に意義深いことです。この調査が名前付きで公開されていることも、重要な点です。選挙を通じての回答であるため、重みがあります。これをきっかけに、今後の動きをどのようにすべきか戦略を考えたいと思います。
(小山さん)
草の根運動も重要ですが、最も強力なルールを決めるのは国会議員です。選挙時に「答えた」という事実は、後のロビー活動以上に深い意味を持ちます。選挙時の回答は、議員が後から容易に覆すことのできない証拠となるのです。
(炬燵さん)
自由記述においても興味深い特徴が見られました。特に、共産党の回答にはテンプレートが多く見受けられました。全員が同じではありませんが、共産党の回答をソートするとほとんど同じ文章が並んでいることが分かります。
「表現の自由やプライバシー権を守りつつ、子供を性虐待や性的搾取の対象とするような表現を許さない社会を作るため、自主的な取り組みが重要です」という文章が繰り返されていました。このように、法規制はしないが、社会的な合意や自主的な制限を重視する内容が多かったです。
日本維新の会にもテンプレート回答があり、「表現の自由を最大限尊重し、マンガ、アニメ、ゲームなどの内容に行政が過度に干渉しないようにし、現行法規の遵守を徹底したい」といったものが見られました。これは表現の自由を尊重する姿勢を示していますが、結果的にはゼロ回答に近い内容となっていました。
自由記述では、問1に対して規制を支持するかしないか、どちらでもないといった個別の回答も見られ、日本維新の会の特徴として候補者ごとに自由な回答があったことが挙げられます。
立憲民主党では、多くの候補者が自分の言葉で回答していましたが、一部には「表現物が差別的な固定観念を増幅し、性暴力を助長するような場合は、ジェンダー平等や人権擁護の観点から適切な規制がなされるべきです」といった規制寄りのテンプレートが見られました。
これは規制派と見られる内容ですが、法令による規制を否定する回答も含まれていました。立憲民主党内で共通の文言が回っていた可能性もありますが、候補者ごとに理解や立場の違いも見られました。
社民党からも同様にテンプレートが見られました。「表現の自由は憲法で保障される基本的人権であり、国家による検閲が行われてはならない。性的・暴力的表現について新たな規制を導入する際は、表現の自由を毀損しないよう慎重な議論が必要だ」といった慎重な姿勢が示されていました。
一方、自民党ではテンプレート回答はほとんど見られなかったです。
(山田さん)
実は、私のところに数名から連絡があり、「山田先生、これはどう書けばいいですか?」と質問されました。私は「自分で書いてください」と返答しましたが、私に相談してくれたこと自体が彼らの関心を示していると感じました。
ただ、自民党は基本的にテンプレートを用いないため、回答は皆自由に記述しています。規制派が多いこともあり、一概に良いとは言えませんが、党内では統一した方針がなく、自由に意見が述べられる環境があるようです。
(炬燵さん)
国民民主党も同様に、テンプレートの使用は見られませんでした。代表の玉木さんが「表現の自由を守る」と明言していますが、具体的な方針はなく、候補者によって意見が分かれていますが、「規制すべきでない」とする意見がわずかに多かったという印象です。
(山田さん)
時代は大きく変わったと感じます。これまで無視されがちだった「表現の自由」に関して、半数以上の候補者がアンケートに回答し、党内の傾向が浮き彫りになったことは画期的です。
特に、AV新法や刑法175条の問題について50人以上が「課題あり」と答えたことは大きな変化です。現在では、「表現の自由」を議論しないと選挙戦を戦えない時代になりつつあります。
自民党でも、公約に「表現の自由を最大限配慮する」といった内容を盛り込むようになり、誹謗中傷への対応でも表現の自由への配慮が不可欠になっています。こうした動きは、党内でも認識されるようになりました。各党がこの意識を持つことは望ましく、AFEEの立ち位置や役割が非常に重要だったと感じています。
他に何か要望や質問があればお聞かせください。
(炬燵さん)
今回の衆院選では、山田さんや赤松さんが自民党内の様々な候補者のもとを回り、「表現の自由を守ります」と発言させたことが非常に意義深かったと思います。
(山田さん)
もともと規制派と見られていた人にも言わせたのが大きなポイントです。表現の自由を標榜している人が「守ります」と言うのは当然ですが、規制派やその方向に傾くかもしれない人に発言させることは重要です。
政治家は選挙時の発言が重く、後で責任を問われるため、軽々しく変な発言はできません。この作戦は効果的だったと思います。
(小山さん)
自由記述で「好きなマンガ、アニメ、ゲーム」についても回答が多く寄せられましたがどうでしたか?
(炬燵さん)
今回、回答が非常に多かったため、すべてを細かく見る余裕はありませんでした。
(山田さん)
年代によって異なる作品が挙げられていたようです。年配の議員が回答した作品には懐かしさを感じました。
今回のまとめ
(山田さん)
今回、緊急特番の形で赤松さんにもご参加いただきました。ありがとうございます。いわゆる「クレカ規制」と呼ばれる問題にも対応していかなければなりませんし、衆議院選挙を通じてAFEEの調査によって表現の自由を標榜する仲間や議員が増えたこと、誰がそのような人物かが可視化されてきたことは大きな変化です。
では、今回はこのあたりで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。