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東京大学院試口頭試問(地球惑星科学)レポ

寒冷渦ぽむぅ!寒冷渦こと坂浦いとです.

今日はタイトル通り東大地球惑星の院試口頭試問のメモです.

最初の数分は座長が軸で,進みたい分野と研究計画について話す.

分野: 大気力学・地球流体力学

研究: 2024年5月中旬における寒冷渦と下層渦の急発達に関する研究.寒冷渦の発生過程におけるエネルギー・渦位収支分析,下層渦発達過程における下層場分析,鉛直渦間相互作用.寒冷渦から下層渦の相互作用,下層渦の発達における潜熱が寒冷渦にどのような影響を与えたか.下層渦発達課程においてはコントロールランと擬似乾燥大気実験の対照実験で下層渦の発達の是非を検討.

ここから質問タイム(順不同で書いています)

Q 寒冷渦といいすごく狭い範囲だけどなぜそんなに寒冷渦に関心あるの?
A JpGU2022でご縁があった.また高校生のときに「偏西風の気象学」を読んで偏西風中の孤立渦に関心があった.

Q 博士まで行きますか?
A 考慮に入れています.

Q 寒冷渦一本で修士・博士を取りますか?
A 寒冷渦やその周辺分野の力学を考えています.

Q 博士号取得後はどうされますか?
A 一旦民間気象会社で技術職で就職します.研究者になるかは現在検討中.

Q そもそもなぜB2で学会に行ったの?
A 気象予報士取得で浮かれて行った

Q そもそも気象学はいつから?
A 7歳,図鑑から大気大循環へ.

Q 日々どういう学習してるの?
A 大気力学(Holton)→GFD(Vallis),データ解析(Python),数値計算(Fortran).HoltonはB2の学会参加で発表を理解できないので悔しくて半年で読み上げた.Vallisはキツくて現在休止中.データ解析はお茶大のKさんの本.Fortranは最近でまだ線型方程式の解法で実践力はまだない.

Q 今の研究は?
A 地球回転運動と気候システムの関係.

Q データは何を利用?
A 測地データはIERSの地球姿勢パラメータから極運動とLOD(Length of Day);気象データはNCEP/NCAR再解析で気圧面東西風から角運動量を導出.SLPも使ってそちらは慣性モーメント変化を算出.今後は大気データに関してデータセットに依存する得意不得意の検討のためにERA5やJRA-3Qとの比較検討を行うつもり.

Q 手法は?
A 1次元時系列分析.スペクトル分析.最近は特異スペクトル分析やクラスター分析や回帰分析等機械学習を導入予定.

Q 試験対策は如何に?
A 地理学系の学科で数学物理学の本格な授業はないが数学や物理学に関心があり独学でやった.問題演習はなれるため.

Q 試験の手応えは?
A 手計算が遅いので大問に制限時間を設けて強制スキップをかけたので実質時間切れだったが解けたものは自信あり.

まとめ
質問は2人が独占.第2希望と第1希望の教員の順で質問.第2希望の方は事前に強い人とマークしていたので警戒していた.進路についてはやや詰められた感じはある.加えて第1希望の教員がいたのが意外だった:京都大学では公平を期すために第1希望の教員は面接前に離脱していたようなもしくはそもそもいないか.

経歴を聞く感じだった.ちょっぴり将来の進路も聞かれた.もう少し研究計画の詳細(小論文には書いてある)や現在の知識にツッコミを入れても良かったんじゃないかなと.

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