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初めて長編に挑戦するときに起こる悩みへの対処法3つ
昨日は技術的なポイントを書いたので、今回はよくある悩みへの対処法をご紹介します。
前回の記事はこちらです。
よくある悩み
初めて長編を書くときは、いろいろと悩むものです。
今回は大きく、書き始め、書いている最中、完成間際の3つのタイミングで起こりがちな悩みの対策を考えていきます。
技術的な対策ではなく、どちらかというと精神的な対策になります。
よくある悩みには以下のようなものがあるでしょう。
書く前 :書き始められない
執筆中 :書き進められない
完成前 :書き終えられない
それぞれ簡単に見ていきます。
1.書き始められない
「長編を書こう!」と決めたのに、なかなか書き始めることができない。
「もっと良い作品にしよう」とあれこれ考えているうちに、身動きが取れなくなる。
よくある悩みだと思います。
対策はこうです。
「駄作を書くことを自分に許す」
ちょっと失礼なことを言うので身構えて欲しいのですが、最初にこのことを分かっておくといいです。
誰もあなたの作品に期待していません。
初めて書く長編が、素晴らしい作品になるわけがないからです。
実際のところ、十中八九、ひどい作品になるでしょう。
ですが、誰も期待していないというのは、むしろ朗報です。
どんな変な作品を書いても構いませんし、どうしようもなくひどい作品を書いてもいいからです。
もっと気楽に構えてください。
誰のためでもなく、自分のためだけに小説を書いていいのです。
もっと言えば、積極的にひどい作品を書くくらいでもいいですね。
誰も読まないような、趣味全開の作品を書いても構いません。
文章が下手でも、構成が無茶苦茶でも、設定が矛盾していても大丈夫です。
いっそ駄作を書きましょう。
誰も、歴史に残る名作を書いて欲しいなどと頼んでいません。
もっと気楽に、肩の力を抜いて楽しめばいいのです。
長編に挑戦するだけでも、たいへん勇気のいることです。
なけなしの勇気を出した自分を、さらに追い詰めるのはやめましょう。
自分でハードルを上げる必要はありません。
「駄作を書いてもいい。むしろ駄作を書こう」と自分を許してあげれば、もっと気楽に書き始めることができます。
2.書き進められない
書いていると、途中でいろいろ悩んでしまい、書けなくなってしまうことがあります。
「ここはこの表現でいいんだろうか?」
「この説明で読者は分かるのかな」
「描写が下手すぎて嫌になる……」
特に、文章表現で悩んでしまい、書き進められなくなることはよくあります。
対策はこうです。
「表現は後回しにして、とにかく話を進める」
表現で迷うのは時間の無駄です。
なぜなら、今のあなたには表現力が無いのですから、悩んでも、良い文章が書けるわけではないからです。
そうやってうんうん唸っている間に、「やっぱり、自分にはまだ長編は早かったんだ……」とやる気を失い、書くのを諦めてしまう場合さえあります。
最初の長編というのは、ちょっとした躓きで、挑戦自体が危うくなることがあるのです。
もし表現で三十分以上も悩んでいるようなら、そこは一旦諦めて、書かなければならないこと、説明しなければならないことを箇条書きにするなどして、先に進みましょう。
たとえば、
主人公とヒロインが出会う場面
互いに惹かれ合うが、立場があり、素直になれない
そこへライバルがやってきて一悶着ある
などと書き、そのシーンは飛ばして次のシーンから書けばいいです。
次のシーンを書き始めた時は、「前のシーンを書いてないから何だか繋がりがわからないな…」と思ったりしますが、書き進めているうちに気にならなくなります。
繋がりはまた後で考えればいいので、とにかく話を進めることを最優先に考えましょう。
ちょっと変でも話を進める方が、表現の問題で立ち止まるより遙かにマシです。
私たちはどこかで「書くのをやめる理由」を探していたりするものです。
書いている最中は誰も褒めてくれませんし、長編を書くのは結構苦しいからです。
そんな心の弱い自分に、やめる理由を与えてはいけません。
考えても出ないなら、さっさと諦めて飛ばしましょう。
どうせ後で修正するのですから、少しくらい飛ばしても何の心配もありません。
3.書き終えられない
完成間近になればなるほど、筆が鈍ってくることがあります。
そういう人が思っているのは、こんなことでしょう。
「これ全然面白くないんじゃない?」
「これじゃダメだ…」
「どうしようもない作品を書いてしまった…」
こんな風に考えてしまうと、完成間近なのに、書くのをやめてしまう場合すらあります。
こういう時の対策はこうです。
「書き終えるのを怖がっている自分を認める」
完成が近づくと、誰でも「この作品は全然ダメだ」と思うものです。
全ての人が思うことなので、気にするのもバカバカしいくらいです。
こう思う理由は簡単です。
書き終えると、評価されてしまうからです。
作品が完成してしまえば、誰かに見せるにせよ、自分で読むにせよ、何らかの結果が出てしまいます。
その結果を見るのが怖いのです。
「才能がないとわかったらどうしよう?」
「こんな駄作を書いていると知られたら恥ずかしい」
「自分の妄想を知られたら嫌われる」
こんな恐怖を抱えていれば、完成させたくなくなるのは当然のことでしょう。
とはいえ、「評価されるのが怖い」と認めるのも嫌なのですね。
情けないし、かっこ悪いからです。
そこで私たちは、「この作品は全然面白くない。だから自分の判断で書くのをやめるんだ」という物語を作って、自分を騙します。
人の心は、こんなにも弱いのです。
「この作品は全然面白くない」
そう思い始めたら、自分が怖がっているのだと認めましょう。
結果が出るのを怖がっているだけです。
自分に、「評価されるのが怖いんだね」と声を掛けてあげるといいかもしれません。
自分に優しくしてください。
怖がっていることを分かってあげるだけで、完成させる勇気が沸いてきます。
理解してもらえると、心も元気が出るのです。
最後まで、自分の味方でいましょう。
敵はいくらでもいるので、自分まで、自分の敵になることはありません。
いつでも味方でいて、励ましてあげるといいです。
そうやって自分を応援してあげれば、初めての長編を無事に書き終えることができるでしょう。
今回のまとめ
「長編に挑戦するときに起こる悩みへの対処法」でした。
書き終えられない
駄作を書くことを自分に許す書き進められない
表現は後回しでとにかく話を進める書き終えられない
結果が出るのが怖いのだと認める
マインド的にはこのくらい知っておくと、なんとか長丁場を乗り切れると思います。
それではまたくまー。