アイデアをトレンドワードから考える〜小説新人賞の攻略法(9)
崖っぷち作家のニジマルカです。
「新人賞の攻略法」9回目です。
8回目はこちらです。↓
小説における外見
自分はすでに市場にいるので、どうしても「売れるかどうか」を最優先で考えます。
何度も同じことを書きますが、市場では「外見」だけが重要で、「中身」は考慮されません。
なぜかというと、読者は中身を読む「前」に買うからですね。
この辺りのことは以下で書きましたが……↓
新人賞でも、できれば外見をキャッチーに整えておいた方がいいでしょう。
(最終的には市場に出るので、最初から備えておく)
小説における外見とは何かというと、基本的には「タイトル」です。
今回はタイトルをキャッチーなものにする簡単な方法をご紹介します。
パワーワードを入れる
読者が手に取るかどうかは、ほぼ「タイトル」で決まります。
どうすれば手に取ってもらえるタイトルにできるでしょうか?
答えは簡単です。
タイトルにパワーワードを入れましょう。
パワーワードとは文字通り、「力のある言葉」のことです。
普通の言葉よりも、人の記憶に残るような強い言葉を使った方がいいのは明らかです。
たとえば、お菓子の商品名を「一口チョコ」とするよりも、「ふんわり口溶け贅沢ショコラ」みたいにした方が売れますよね。
小説のタイトルは商品名ですから、できるだけ強くアピールできるワードを使った方がいいです。
(もちろん、あえて逆張りしてシンプルにすることもできますが、それは戦略次第です)
パワーワードはいろいろありますが、最も強いパワーワードは、
誰もが思っているが、まだ言葉になっていない欲望や感情、現象に名前をつける
ことです。
例えばでいうと?
最も強いパワーワードとは、たとえばどういうものでしょうか?
小説からは離れますが、「加齢臭」などはそうだったと思います。
「加齢臭」は、誰もが思っていたけれど、名前がついていなかったので話題にできなかった現象です。
ですが、名前をつけたことで、その周辺に一気にビジネスチャンスが生まれました。
いろんな関連商品が出たことを覚えている人も多いと思います。
このように適切なワードを見つけて名前をつけると、大きなヒットが見込めるのですね。
また、マンガのラブコメ界隈では、近年「うざかわいい」「うざかわ」が発見されました。
高木さんや長瀞さん、宇崎ちゃんなどはこの系譜でしょう。
ワードとしてはっきりと打ち出していなくても、「うざいけど、かわいい」を表現できていれば、読者は、新しい欲望の形としてきちんと消費してくれます。
お手軽にキャッチーにするには?
とはいえ、まだ言葉になっていないものに名前をつけるのは、かなり難しいことがわかると思います。
そこで、もっとお手軽にタイトルをキャッチーにしましょう。
どうするかというと、トレンドワードを調べて、それをタイトルに入れたり、アイデアを出すのに使ってみるのです。
トレンドワードというのは、最近、話題になっているワードのことです。
あまりに最近のものは短命で終わる可能性もあるので、2〜3年のスパンで定着したワードを使った方がいいでしょう。
たとえば、どういうものがあるかというと……
こどおじ
ポリコレ
リモートワーク
サステナビリティ
マスク
ウマ娘
陰謀論
ぴえん
クラファン
転売
撮り鉄
ウーバーイーツ
親ガチャ
パパ活
エモい
……などが思いつくと思います。
トレンドワードを使って考える
これらのワードを、自分が考えているジャンルの小説に組み合わせて、タイトルやアイデアを考えてみます。
ミステリなんかが、比較的、簡単だと思います。
上のワードに「探偵」などのジャンルワードをつけてみるだけです。
するとどうなるかというと……
・こどおじ探偵
・ウーバー・デテクティブ
・親ガチャ探偵
・パパ活探偵
・ポリコレ探偵
・ぴえん探偵ぱおん
・転売探偵
……などが出てくると思います。
これらの組み合わせの中から良さそうなものを選んで、話を考えていけば、キャッチーな感じのミステリになるはずです。
今回のまとめ
新人賞の攻略法9回目「アイデアをトレンドワードから考える」でした。
1.小説の外見は「タイトル」
2.外見(タイトル)はキャッチーにしておいた方がいい
3.そのためにはパワーワードを入れる
4.一番良いパワーワードは「誰もが思っているけど、まだ名前がついていない感情、欲望、現象」
5.話題のワードからタイトルやアイデアを考えてみる
次回は「小説のPDCA」です。
それではまたべあー。