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レベル別攻略ポイントまとめ [上級者編]〜小説新人賞の攻略法(24)
崖っぷち作家のニジマルカです。
「新人賞の攻略法」24回目。
今回は、レベル別攻略ポイントまとめ・上級者編です。
23回目はこちら。↓
はじめに
それぞれのレベルの状況はこんな感じを想定しています。↓
【初心者レベル】
・長編0〜2作
・新人賞に送ったことがない or 1次選考で落ちる
【中級者レベル】
・長編3〜5作
・2次選考で落ちる
【上級者レベル】
・長編6〜7作
・3次選考で落ちる
今回は上級者レベルです。
おおまかな状況
新人賞レベルなら、文章も構成もほぼ問題ない状態です。
書こうと思ったものは、だいたい書けるはずです。
落選するのは、おそらくアイデアが良くないからでしょう。
アイデアがありきたりか、あるいは、読者や編集者が敬遠するものになっている可能性があります。
また、話をひねりすぎているかもしれません。
誰も望まないひねりを加えるくらいなら、いっそ愚直なくらいストレートな話の方が好まれます。
このレベルのおすすめ戦略はこんな感じです。↓
文章
ほぼ問題ないはずです。
読者層に合わせて、漢字の量や描写の詳細さ、セリフの多寡などを調整できるようになっていると思います。
基本的に、一般小説になればなるほど、描写は詳細になり、一文は長くなり、段落も大きめになります。
ライトなエンタメでは、「ページを白くする」と考えるといいでしょう。
漢字を少なく、オノマトペやセリフを多く、一文を短くし、改行を多めにするとページは白くなっていきます。
文章を操れるようになってくると、とかく自分の好みで文章を書いてしまいがちです。
それが悪いわけではありませんが、常にこのことを意識しておきましょう。
「その文章は読者の利益に結びついているか」
好みだからと言って、わかりにくい文章や表現になっているなら本末転倒です。
小説は作者が楽しむためにあるのではなく(そういう面もありますが)、あくまでも読者のためにあります。
物語
そろそろ「物語にはバリエーションがない」ということに気づいてくるころだと思います。
基本的な物語構造はすでに書きつくされているので、誰も読んだことがないような話はもうないと考えた方がいいです。
ですから、無理に展開をひねって、新しい話を作ろうとしなくても大丈夫です。
典型的な話を書きましょう。
誰もが馴染みのある話を書いた方がいいです。
物語構造は定番で構いません。
そこに、時代に合った新規性を足すと考えればいいです。
また、物語をもっと盛り上げたいなら、自分に無茶ぶりするのがおすすめです。
解決方法は考えずに、「これは絶対乗り越えられない」という出来事を起こしてみましょう。
たとえば「強すぎる敵を出す」「不可能な犯罪を起こす」などですね。
そうすると、「どうやって解決するか、どう辻褄を合わせるか」全力で頭をひねらなければならなくなります。
作者が簡単に考えつくことは、読者にも考えつきます。
ですから、読者の予想を越えるには、自分にもわからない問題を自分に出すのが手っ取り早い方法です。
考えつかなくてどうしようもなくなるかもしれませんが、解決方法を見つけられれば、間違いなく読者の予想を上回ることができるでしょう。
キャラ
現実の人間のようにキャラを複雑にすれば、物語がリアルになると思うのは間違いです。
現実世界の人間は、複雑というよりは単にデタラメです。
状況によってコロコロと意見を変え、信念がなく、言動はその場限りです。
そういった人物を小説に持ち込んでも、わけのわからないキャラになるだけです。
小説内のキャラは、首尾一貫していなければなりません。
コロコロと言動を変えてはいけないのです。
たとえば、「自分のことよりも他人を優先する」というのがそのキャラの性格なら、どんなときでもその行動原理で動かしましょう。
キャラは人間ではありません。
人間なら状況によって、言動はもちろん、行動原理さえ変えるでしょう。
ですが、キャラは変えません。
人間はいい加減ですが、キャラは頑固なのです。
もしキャラの性格や動機が変わるなら、読者が納得する理由が必要です。
アイデア・設定
この段階で落選し続けているなら、アイデアが悪いと考えていいでしょう。
アイデアとは新規性のことです。
新規性とは端的に言うと、新しいワードのことです。
タイトルに新しいワードやフレーズを入れられるといいですね。
アイデアの出し方については以下のnoteが参考になるかもしれません。↓
新規性の分量は難しいのですが、以下くらいが目安になると思います。
・新人賞 定番6割:新規性4割
・市場 定番7〜8割:新規性2〜3割
新しすぎるものは市場では売れません。
ですが、新人賞では新規性がかなり高くても受け入れてくれると思います。
ですから、ちょっとぶっ飛んだアイデアでも勝負できるはずです。
作品がおとなしい印象になっているなら、「これはないかな…」と思うアイデアを使ってみるのがおすすめです。
(市場に出しても売れないかもしれませんが)
おわりに
新人賞の攻略法24回目「レベル別攻略ポイントまとめ・上級者編」でした。
次回は最終回「総合ガイド」です。↓
それではまたくまー。