国語辞典・漢字辞典となかよくなろう!
先日、漢字学習についての講演を聞きました。その中で、漢字学習の際に漢字辞典を使うことが効果的だという話題が出ました。最近は、1人1台タブレットがあり、紙の本で調べるということをこれまで以上に手間に感じてしまう子どもも多いのではないでしょうか。そこで、今日は国語辞典・漢字辞典について書いてみたいと思います。
辞典の購入
小学校では、3年生で国語辞典の学習があり、4年生で漢字辞典の学習があります。昔は、1人1冊辞典を買うように指示している学校も多かったですが、今はそのようにしない学校も増えているように思います。辞典を使う時間を学校で確保できないためということが大きいのではないでしょうか。(それだけ、授業時数に教えることがびっしり詰め込まれているということです。)
家庭に購入を依頼しない場合は、使い方指導のある3年生・4年生の数時間のみ、学校のものを貸し出すという形式を取っています。(今後も活用していけそうな場合は、家庭の判断で購入し、活用の機会は子供が見つけていくということになります。)
辞典はおもしろい!
辞典の授業はとても楽しいです。自由に見る時間を取ると、子どもたちの興味関心は人それぞれ。やはり、絵が出ているページは見やすいので、絵を手掛かりに言葉や漢字に着目する子もいますし、巻頭や巻末の特集ページをおもしろそうに見ている子もいます。
もし、お子さんがいらっしゃる方で辞典を買ってあげるときには、「こんなことも載っているんだね!おもしろい!」「このページはこういうときに使えそうだね」のように辞典のよさを一緒に味わってみてください。与えるだけでは子どもは使いません。その良さを分かち合える人がいるだけで、辞典の価値がぐっと高まります。
辞典での調べ方を身に付ける
授業では、辞典の引き方指導があります。教員も、分かりやすい説明やゲーム性を持たせた活動などを行い、授業で理解できるように工夫していますが、2時間3時間の授業だけではなかなか引き方が身に付きません。繰り返し使っていくことで、その仕組みが頭に入り、深く考えなくても気軽に引けるようになります。辞典の引き方は、本による検索をする際のベースとなります。百科事典もそうですし、図鑑の索引も同様の知識技能が必要になります。図鑑が先でもいいです。とにかく、五十音順の並びを理解し、めあてのページにたどり着くという経験をたくさん積めるといいと思います。
こどもかんじじてん
先日、小2の息子の漢字練習の様子を見ていると、「こどもかんじじてん」を見ながら取り組んでいることに気が付きました。いつも仕事で忙しく、息子が漢字の宿題をする姿をあまり見ていなかったのですが、いざ注目してみると辞典を使っているんだということを知りました。しかも、講演の中で推奨されていた熟語を書くこと、その意味を書き込むことを自主的に行っていたのです。(ちなみに、ちょっと不器用なので、字の形は崩れ気味でしたが…。)
その「こどもかんじじてん」は、小4の娘が小学校に入学したころに買ったものでした。(1年生から3年生までに習う漢字がすべて載っています。)娘もこの「こどもかんじじてん」が大好きで、いつもこれを見ながら漢字練習をしていました。コラムに載っている、へんやつくり、かんむりなどの部首についても辞典で読んで理解していたので、漢字を覚える際の手掛かりになっていたようです。4年生の学習で使う一般の漢字辞典は、娘が3年生の時に欲しがったのでそのときに買いました。姉は次第に「こどもかんじじてん」を卒業していき、一般的な漢字辞典に移行していきました。そして、いつの間にか「こどもかんじじてん」は弟にゆずりわたされていたのでした。
漢字練習ノートには決まった書き方をする部分と、自分で熟語や文を考えて書く部分があり、この自分で考える部分を我が家の子供たちは漢字辞典を使って行っているようです。
4年生は忙しい
娘は4年生になって、漢字辞典を前ほど使わなくなってしまいました。それは、ほぼ毎日6時間授業になり、じっくり漢字学習に時間を割くことができなくなったからだそうです。忙しくしている子に、「漢字辞典を使って宿題をしなさい」なんて言えないですよね。
そこで、私は考えてしまいました。4年生で漢字辞典の学習をするのに、4年生以上になると漢字辞典を使う時間があまり取れないなんて残念なことです。パソコンやスマホも普及しているのだから、漢字辞典については一般教養として、知っておけばいいという人もいるでしょう。でも、漢字辞典を引くことで、漢字のおもしろさにアクセスすることや語彙力を高めることができます。視野にいろいろな情報が飛び込んできて、知りたいという気持ちを刺激してくれます。言葉に関心のある子には、ぜひ活用してほしいとついつい思ってしまいます。
そう考えると、「こどもかんじじてん」からスタートしたのは結果的に良かったなと思いました。娘は、低学年のころからに漢字辞典の良さやおもしろさに触れてきたので、4年生でも「これは調べたい」というときに出して使っています。
1・2年生では、宿題をするときにおうちの方がついて見てあげるケースも多いので、そのときに「こどもかんじじてん」を使うのを一緒に楽しむことができたら、辞典が身近なものになるかもしれません。(ただし、向き不向きがあると思うので、無理強いは禁物です…。)
ちなみに我が子について…、辞典を使って漢字練習をしているなんてきっといつも100点満点なのでしょう!と思った方もいるかもしれませんが、テストで間違えてしまうことも少なくないようです。(しかも、最近小テスト持って帰って来ない…。)でも、普段文章を書くときには、習った漢字を積極的に使うという習慣は身に付いているようです。
ぜひ辞典のおもしろさを一緒に楽しもう!
今日は、保護者目線で辞典について思っていることを書きました。後半は漢字辞典の事が中心になりましたが、国語辞典も同様に、開くことで様々な情報が入ってきて興味を掻き立てられますよね。
教師としても辞典の活用は大事にしていきたいところです。辞典を取り扱う単元が終わった後も、別の単元の中に意識的に入れてみたり、隙間時間にゲームで使ってみたりすることもできそうです。また、全員一律に使用を勧めるのではなく、「だれかこの言葉の意味を辞書で調べてみてくれる?」などと声をかけることで、負担感なく辞典を活用できる可能性もあります。(数人調べてくれる子がいたら、辞典の出版社による言葉の説明の違いなどが比べられておもしろいし、みんなでその語句の理解を深めることができますよね。)時間がないのは本当に切実ですが、小学生だからこそ辞典に親しむことで身に付く力があるはずなので、今後もその可能性を模索していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。